KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 27

「まだ勝負はついてねぇぞ！　こっちはお前を見つけ出すのに苦労したんだぜ！？　そう簡単に逃がすかよ！」

守優が真加に襲い掛かろうとすると、真加は険しい表情を浮かべながら右足で砂を蹴り飛ばす。

空中で分散した大量の砂が降り掛かると、守優達7人は堪らず目を瞑った。

「うっ、ゲホッゲホッ……！　くそっ、何しやがる！？　ゲホッゲホッ……！」

守優達が咳き込んでいる中、真加は砂浜を全速力で走り出し、斜面を駆け上っていく。

やがて、守優達の咳が治まって目も利くようになると、真加は村上達と共に林の中へと走り去っていった。

守優と守善、美嘉の3人は、斜面を登った先に目を向ける。

「ちくしょう、逃げられちまったか」

「かなり強い女の子だったね。守優と互角にやり合うなんて……」

「けど、あの男の人たち……なんで、守優と戦ってる最中のあの子を連れていっちゃったんだろう？」

一方、守央と善良、世璋の3人も、斜面を登った先に目を向けていた。

「長嶺さん、あの少女はやはり……」

「ええ、間違いありません。彼女が真加です。しかし、彼女と一緒にいたあの男たちはいったい……」

「なんだか、ますます面倒なことになってきたな」

世璋たちがそう話している中、砂浜に倒れていた男たちは上体を起こす。

「いてててて……くそっ、あのアマ……」

「やっぱり、あいつらに雇われてたのか。おい、お前ら。あの小娘の顔、確認できたか？」

「ああ。ついでに、村上の野郎の顔も拝めたぜ」

「これでもう真相がはっきりしたな。やっぱり、松浦さんたちを襲ったのは村上商会だ。ちくしょう、ふざけやがって……」

男たちが顔をしかめると、そこへ現れた光永は男の1人に声を掛けた。

「失礼、一つ聞かせてくれ。先ほどあの少女と一緒にいたのは、村上商会の連中か？」

「あ？　ああ。よく知ってるな。あんたの言う通り、あいつらが村上商会だ。表向きは海運業者として名が通ってるらしいが、裏じゃ海賊としてほかの海運業者の船を襲いまくってるくそ野郎共だぜ。さっき、縹色の着物着た奴がいただろ？　あの狐顔の奴が村上商会の頭首、村上久だ。あいつのせいで、俺たち松浦商会は最近酷い目に遭っててな。さっきだって、俺たちが辻で飲んでたら急に村上商会の連中が来て、『俺たちの傘下に入れ』なんて言ってきやがるもんだから、『ふざけんな』って怒鳴り散らしてやったんだ。そしたら、一緒に飲んでたほかの仲間は村上商会の連中に叩きのめされちまったし、俺たちは俺たちであの小娘に追い回されてこの有り様だ。ホントにあいつらは極悪非道だぜ」

「村上久……やはり、あの男も関係していたか」

光永は、斜面を登った先にある林へ鋭い眼差しを向けた。