KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 26

同じ頃、辻村の中心部では男たちが数人一組で散開し、短棒を手にして街中を駆け回っていた。

しばらくすると、男たちは十字路に集合して立ち止まる。

「どうだ、いたか？」

「駄目だ。どこにもいねぇ」

「くそっ、あいつどこ行きやがったんだ？」

「さっき、松浦商会の奴等を追って、海沿いの方へ走っていったのは見かけたんだが……」

「足が速すぎて追い付けないぜ」

「ああ、俺もだ。あの小娘、相当運動神経がいいらしい」

「感心してる場合か！　早く見つけねぇと、俺たちも帰れねぇぞ」

「はぁ～、なんでこんな面倒なことに……」

男たちが話していると、そこへ村上がやって来た。

村上は別の3人の男たちを引き連れており、十字路に集まっていた男の1人と話し始める。

「おい、お前ら。あの小娘は見つかったか？」

「村上さん！　それが、いくら探しても見つからないもんで……」

「くそっ、あの小娘はいったいどこに行きやがったんだ？　手間かけさせやがって……おい、お前ら。もう一度探しに行くぞ。これで最後にする。見つからなかった場合は、諦めて町屋に戻って来い。いいな？」

『へい！』

男たちは再び散開し、街中を駆け回り始めた。