KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 24

美嘉がそう答えると、守善は踵を返して小さな林の中へと走り去っていった。

少女があっという間に4人の男たちを蹴り倒すと、最後に1人残った男は少女の顔面目掛けて右拳を振り下ろす。

「このくそったれがぁあああああっ！！」

その瞬間、少女は左手で男の右拳を左上へ受け流しながら掴むと、右正拳上段逆突きを男の顔面に食らわせた。

男が頭を仰け反らせると、少女は続けて左中段回し蹴りを男の腹に食らわせる。

男の体がくの字に曲がると、少女は右上段回し蹴りを男の左側頭部に食らわせ、男たち全員を蹴り倒した。

守優はそこへ現れると、走る勢いを利用して地面を蹴り、少女目掛けて右飛び横蹴りを繰り出す。

少女はそれに気づくと、咄嗟に後ろへ飛び退いて守優の蹴りを躱し、着地して守優を見据えた。

守優は波打ち際近くに着地し、口元に不敵な笑みを浮かべた。

「へぇ～、いい動きしてるじゃねぇか。お前も武術家なんだろ？　だったら、次は俺と勝負しようぜ。俺もお前みたいな強ぇ奴と戦いてぇんだ。準備はいいか？　お前から来ねぇんなら、こっちからいくぜ！」

守優が素早く少女との間合いを詰めると、2人は様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

守優は左足を1歩踏み込むと、少女の顔面目掛けて右正拳上段逆突きを繰り出した。

その瞬間、少女は左手で守優の右拳を右へ受け流し、右上段回し蹴りを守優の左側頭部に食らわせた。

守優がよろめきながら後ろへ下がると、少女は素早く守優との間合いを詰めた。2人は再び様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。

少女は右足を1歩前に踏み込むと、守優の左側頭部目掛けて右上段刻み回し蹴りを繰り出した。

すると、守優は両腕で少女の蹴りを受け流しながら掬い、右手で少女の右肩口を掴みながら、右脚で少女の左脚の内側を払った。

少女が仰向けに刈り倒されると、守優はすかさず少女の顔面目掛けて右正拳下段突きを放つ。

その瞬間、少女は倒れたまま右手で守優の右拳を左へ受け流し、左前蹴りを守優の顔面に食らわせた。

守優が怯むと、少女は守優から間合いを取るように横転し、素早く立ち上がる。

守優は顔をしかめながらも口元に不敵な笑みを浮かべた。

「あ～、いってて……やるじゃねぇか。見たところ、お前の得意技は蹴りだな。特に上段蹴りはキレがいいし、普段から相当練習してるだろ？」

守優がそう言うと、少女は無表情のまま沈黙を守り、両腕を下げたまま左足を1歩前に踏み出して構えた。

守優も左足を1歩前に踏み出し、夫婦手に構える。

「おっ、まだやるか？　いいぜ、そう来なくっちゃな」

守優と少女は互いに構えたまま、間合いを取って対峙した。