KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 22

「わっ！」

「きゃっ！」

美嘉たちが避けると、男たちは脇目も振らずに人混みを突破していく。

「どけどけ！」

「道を空けろ！」

男たちが走り去っていく中、美嘉と守善、守優の3人は立ち止まって男たちを見送っていた。

「な……何、今の？」

「随分急いでるみたいだったけど、何かあったのかな？」

「コラァ～！　あぶねぇだろぉ！　少しは気をつけて走りやがれぇ～！」

守優が頭上に両拳を掲げて地団駄を踏むと、美嘉は再び道の遠く前方に目を向け、ハッとした表情を浮かべた。

「守優、前見て！　また誰か来る！」

「ん？」

守優が再び道の遠く前方に目を向けると、先日松浦たちを襲撃した少女が全速力で走って来ていた。

守優がハッと目を見開く中、少女は守優たちとすれ違い、道の彼方へと走り去っていく。

守善は少女を見送ると、守優の方を振り返った。

「守優、今の女の子って……！」

「あの雰囲気は間違いねぇ。あいつが例の女流武術家だ！」

守優が少女の後を追って走り出すと、守善と美嘉も守優の後を追い始めた。

「守優、待って！　1人で行っちゃ駄目だ！」

「待ちなさいよ、守優！」

しかし、美嘉と守善の制止も聞かず、守優は人混みをすり抜けながら全速力で走り続ける。

しばらくすると、守優は海沿いの通りに隣接する小さな林へ足を踏み入れた。

守優は林を抜けると立ち止まり、ハッとした表情を浮かべる。

「あ、あれは……！」

守優の目の前には草地の下り斜面があり、その先に白い砂浜と大きな海が広がっていた。

砂浜では、先ほど守優たちとすれ違った5人の男たちが少女と対峙している。

守善と美嘉は守優に追い付き、息を切らしながら立ち止まった。

「守優！」