KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第二章 真意 前篇

第二章 真意 前篇 1

◆琉球豆知識・弐「開化党と頑固党」


　1879年、「琉球処分」と呼ばれる政治過程によって琉球王国（正式国号：琉球國）は解体され、沖縄県が設置された。以降、沖縄では西洋式の近代化が促進された一方、開化党と頑固党の間で激しい政争が勃発した。

・開化党
　旧琉球王国が沖縄県として日本に帰属することを受け入れ、親日的な立場を取る革新派政治勢力の総称。旧王朝時代から抱える沖縄社会の諸問題を、明治政府が推し進める近代化政策によって改革することを求めた。

　・頑固党
明治政府による琉球処分に反対し、琉球王国の再興を求める親中的な保守派政治勢力の総称。頑固党に属する人々は沖縄県内のみならず、東京などの県外地域や、当時清朝が統治していた中国でも活動を展開していた。特に、中国へ渡った頑固党の人々は「脱清人」と呼ばれ、琉球使節団が交易に使用していた福建省の柔遠駅（通称：琉球館）などを拠点としていた。

・旧慣温存政策
当初、明治政府は1885年までに本土同様の政令を沖縄県で施行する計画であったが、琉球処分によって特権を奪われた士族層の不満は大きく、大小様々な反政府活動が多く発生した。そのため、明治政府は琉球王国以来の税制や地方制度を沖縄県内で続行させ、王族や上級士族の家禄も保障することで旧支配層の不満を抑えようと努めた。「旧慣温存政策」と呼ばれるこの統治方針が1903年まで続いた間、旧王朝時代から問題となっていた庶民の困窮や地方役人の怠慢などは解決されなかった。


※参考文献
・赤嶺守『琉球王国 東アジアのコーナーストーン』講談社選書メチエ 2004年
・大田昌秀『近代沖縄の政治構造』勁草書房 1972年