KAKIDAMISHI -The Ultimate Karate Battle-

第一章 初戦

第一章 初戦 19

「清栄兄さん、しっかり！」

「おい、清栄！　大丈夫か！？」

「くっ……だ、大丈夫だ」

清栄が顔をしかめながら上体を起こすと、そこへ守央がやって来る。

「どうだ、清栄？　俺の息子たちもなかなか見込みがあるだろ？」

「ハハハハッ！　いや、驚きましたよ。本当は守優がもう少し弱ければ、最後は適当に勝ちを譲ってやってもいいかと思ってたんですが……初っ端の動きからして本当に実力があるとわかってからは、つい本気になっちまいました。まあ、それでも負けは負けですけどね」

清栄は自嘲気味な笑みを浮かべて立ち上がり、守優の方を振り向いた。

「守優、今日は相手してくれてありがとな。お前みたいに強ぇ奴とカキダミシできて楽しかったぜ。お前もカキダミシしたくなったら、また辻に来いよ。ここにはカキダミシの相手探してる奴等が大勢いるし、みんな喜んでお前の相手になってくれるはずだ。俺たちも今よりもっと強くなるからよ、今度会ったらまたやろうぜ。次は負けねぇからな」

「おう！　楽しみにしてるぜ、清栄のあんちゃん！」

守優と清栄は互いに不敵な笑みを浮かべ合った。