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第一章 初戦
第一章 初戦 13
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守善は右腕で幸允の蹴りを受け止めると、よろめきながら後ろへ下がる。
幸允は険しい表情を浮かべ、肩で息をしながら上体を起こした。
(くそっ、あの優男め。あんな技を隠し持ってやがったか)
一方、守央は幸允と守善の戦いに目を向けている。
(守善も我が子ながら取手の達人……その実力を以てすれば、幸允との体格差も覆せる。ここからが本当の勝負だ)
守央が口元に不敵な笑みを浮かべると、幸允は立ち上がって左足を1歩前に踏み出し、再び夫婦手に構える。
「だったら、もう一度ぶん投げてやる! そうすれば、今度こそ俺の勝ちだ!!」
幸允が素早く守善との間合いを詰めると、二人は様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。
幸允は左足を1歩前に踏み込むと、左手で守善の右袖を掴み、右腕を守善の左脇の下に通しながら大腰を繰り出した。
守善が仰向けに投げ倒されると、幸允は守善の顔面目掛けて右正拳下段突きを放つ。
その瞬間、守善は両手で幸允の右拳を右へ受け流しながら逆手に掴むと、両脚を幸允の右肩と首に巻き付けて前三角絞を繰り出した。
幸允は自らの右肩と守善の両脚に首を絞めつけられ、顔をしかめる。
清栄と美那古はその様子に目を向けていた。
「おいおい、嘘だろ? あの幸允が絞め技でやられてるのか?」
「信じられない。わたしたちと同じ年頃で、これほど完成度の高い技ができるなんて……」
美那古と清栄が唖然とした表情を浮かべると、やがて幸允は両膝から崩れ落ちて白目を剥き、左手で守善の右大腿の外側を軽く叩く。
すると、そこへ世璋が駆けつけた。
「おい、守善。勝負ありだ。早く技を解いてやれ」
「えっ?」
守善は幸允が気絶寸前であることに気づき、慌てて技を解いて幸允に声を掛ける。
「あっ! すみません、全然気がつかなくて……! 大丈夫ですか!? い、息できますか!?」
「ま、負けたぜ……」
幸允がうつ伏せに倒れて目を回していると、守優と美嘉は歓喜の声を上げた。
「よっしゃあ! 兄上の勝ちだ!」
「守善様、すご~い!」
一方、清栄と美那古は口元に小さく苦笑いを浮かべている。
「まさか、幸允が絞め技で負けるとは……さすがは、守央さんのご子息ってところか」
「ホントね、ちょっとびっくりしちゃったわ。さて、次はわたしの番ね」
美那古は口元に不敵な笑みを浮かべた。
幸允は険しい表情を浮かべ、肩で息をしながら上体を起こした。
(くそっ、あの優男め。あんな技を隠し持ってやがったか)
一方、守央は幸允と守善の戦いに目を向けている。
(守善も我が子ながら取手の達人……その実力を以てすれば、幸允との体格差も覆せる。ここからが本当の勝負だ)
守央が口元に不敵な笑みを浮かべると、幸允は立ち上がって左足を1歩前に踏み出し、再び夫婦手に構える。
「だったら、もう一度ぶん投げてやる! そうすれば、今度こそ俺の勝ちだ!!」
幸允が素早く守善との間合いを詰めると、二人は様々な軌道の突きや蹴りを繰り出し合いながら、互いの攻撃をそれぞれ腕や脚で受け流し、あるいは躱し合う。
幸允は左足を1歩前に踏み込むと、左手で守善の右袖を掴み、右腕を守善の左脇の下に通しながら大腰を繰り出した。
守善が仰向けに投げ倒されると、幸允は守善の顔面目掛けて右正拳下段突きを放つ。
その瞬間、守善は両手で幸允の右拳を右へ受け流しながら逆手に掴むと、両脚を幸允の右肩と首に巻き付けて前三角絞を繰り出した。
幸允は自らの右肩と守善の両脚に首を絞めつけられ、顔をしかめる。
清栄と美那古はその様子に目を向けていた。
「おいおい、嘘だろ? あの幸允が絞め技でやられてるのか?」
「信じられない。わたしたちと同じ年頃で、これほど完成度の高い技ができるなんて……」
美那古と清栄が唖然とした表情を浮かべると、やがて幸允は両膝から崩れ落ちて白目を剥き、左手で守善の右大腿の外側を軽く叩く。
すると、そこへ世璋が駆けつけた。
「おい、守善。勝負ありだ。早く技を解いてやれ」
「えっ?」
守善は幸允が気絶寸前であることに気づき、慌てて技を解いて幸允に声を掛ける。
「あっ! すみません、全然気がつかなくて……! 大丈夫ですか!? い、息できますか!?」
「ま、負けたぜ……」
幸允がうつ伏せに倒れて目を回していると、守優と美嘉は歓喜の声を上げた。
「よっしゃあ! 兄上の勝ちだ!」
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一方、清栄と美那古は口元に小さく苦笑いを浮かべている。
「まさか、幸允が絞め技で負けるとは……さすがは、守央さんのご子息ってところか」
「ホントね、ちょっとびっくりしちゃったわ。さて、次はわたしの番ね」
美那古は口元に不敵な笑みを浮かべた。
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