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82 セルフ復活祭
しおりを挟む「んっん~」
ジェニー「スキニー? スキニー、あなた大丈夫?」
「ん? ここは・・・」
ジェニー「ここは、教会の裏にある孤児院よ?」
アレッタ「ここはウチが使っていた部屋なんだ。汚くて悪いけど我慢してな」
「そうなんですね・・・」
目線だけで軽く室内を見渡してみると、10人ぐらい泊まれる質素な大部屋、そんな感じのお部屋のようです
ジェニー「あなた、教会に入った途端、動かなくなったのよ?」
クロエ「お嬢、突然光りだしてた!」
ジェニー「そうかと思えば急に倒れて・・・」
ケイト「それに、お嬢のお尻に・・・」
プリシラ「しっぽ、しっぽが生えてますわよ?」
どうやら、教会に入ってからのワタシの記憶、神様に会ったことと、そこで行われた会話、及びそれに付随する諸々は、ワタシの夢ではなかったようです
ジェニー「もう夜中だけど、体調はどう?」
更にどうやらワタシ、その後倒れて夜まで寝ていたようです
「・・・ん? およよ? なんだかとても、スッキリしてます」
ジェニー「そう? それならよかったわ」
ジェニー「それじゅあ、夜食にでもしましょうか」
「そうですね。お食事は全員分、ワタシがご用意しますね?」
クロエ「やったー! お嬢のご飯~!」
アレッタ「倒れて早々、大丈夫なのかい?」
「大丈夫だ、問題ない」
ケイト「お嬢、急にどうしたの?」
プリシラ「なんだか口調が変ですわよ?」
ということで、早速移動してまいりました、孤児院の食堂
大きな長机が4列ほど並べられ、その左右に丸椅子が等間隔に並べられています
(長机1つに6人で、全部で24人は座れる感じかな?)
食堂には人影は見られず、今はワタシたち6人だけです
(もう夜だし、子供たちは寝てる時間だよね~)
そんなことを考えていると、ワタシたちの後ろ、食堂の入り口方向から、女性の声で問いかけられました
女性「あら? もう大丈夫なのかしら?」
アレッタ「悪いねクラリッサ、泊めてもらって」
クラリッサ「いいのよ、気にしないで。部屋は空いているのだし」
クラリッサ「それに何度もいうけど、ここは、あなたの家でもあるのよ」
いかにもシスターさん、そんな感じの女性は、アレッタさんと仲良さげにお話しています
(もしかして、ここの責任者さんかな? ご迷惑をおかけしたようだし、ワタシもご挨拶しなくっちゃ)
ということで、早速、
「こんばんわ。すいません、ワタシ、急に倒れちゃったみたいで」
「急に大人数でお泊りさせてもらっちゃって、ご迷惑をおかけします」
クラリッサ「いえいえとんでもないことです」
クラリッサ「貴女様には、いつまででもこちらにご滞在いただければと思っております」
「え? 貴女様?」
クラリッサ「はい。スキニー様は、尊いお方にご縁がおありなのでしょう?」
アレッタ「悪いねお嬢。クラリッサは、あんたが神の御使い様だと思ってるんだよ」
「神の御使い? ワタシが?」
クラリッサ「はい。あの神秘的なまでの御光につつまれた御姿。まさに神の御力かと存じます」
(う~ん、神様に会ったとは思うんですけど、正直意識がボーっとしてて、あまり覚えていないんですよね~)
(ワタシが神の使いと言われても、それは違うと思うけど)
(だけど、神様がらみの人と言えば、そうとも言えなくもないのかな?)
(う~ん、はっきりきっぱり『違います』と断言しづらいかも・・・)
ということで、
「え~、そのことにつきましては、記憶にございません」
どこかのお偉いさんが、明らかに何かを誤魔化していそうな感じのセリフで、お茶を濁すワタシなのでした
ん?
〇ッキード事件?
「え~、それでは、只今から、ワタシこと、スキニーちゃんの復活祭を始めさせていただきます」
「皆さま、お飲み物はいきわたりましたでしょうか?」
「それでは、カンパーイ!」
「「「「「「かんぱ~い!」」」」」」
突然ですが、こんな感じではじまりました、ワタシのワタシによるワタシのための復活祭
ちなみに、乾杯の音頭で受けを狙うのはもうやめました
(お髭な男爵さんは、出番なしです)
そして今回は、ちょっと奮発して、パーティーメニュー的なモノをご用意してみました
【コンビニせぶん ごちそうオードブルセット 4,340円】
【コンビニせぶん 熟成生地のプレミアムミートピザ 1,300円】
【シャトれいぜ デザートアイスケーキ クッキーベリーレアチーズ 2,650円】
これはアレです。いわゆる、クリスマスパーティーメニューというヤツです
12月になると、コンビニの店頭で「ご予約受付中」と猛プッシュしてくる例のヤツです
ワタシ的にはほとんど縁のない催し物なのですが、今回のこれは、姪にたかられてご予約しちゃったヤツです
オードブルには、合鴨のスモーク、ローストビーフ、スモークサーモン、生ハムといった洋風なお肉類と、
ポテトサラダ、ごぼうサラダ、かぼちゃサラダやレタス、トマト等のお野菜もたくさん
炭水化物系も欲しいのでは? ということで、ガッツリお肉系のミートピザもご用意しました
そして、つ、ついに、このタイミングで、本格ケーキが登場なのです!
今まで、あえて、過度な甘いものは出し渋っていたのですが、ついに、出してしまいました
あの、シャトれいぜのクリスマスケーキです。美味しいに決まっているじゃあないですか
そしてお飲み物は、大人組の熱いご要望にお応えして、
【いろいろ無添加のペットボトルワイン 720ml 499円】 紙コップで提供です
そしてパーティーの定番
【しゃんメリイ ゴールド 360ml 230円】
これはアレです。ノンアルコールの炭酸飲料で、子供でも安心
日本のクリスマスといえば、これでしょう
まあ、ここは日本ではないですし、クリス――?
ん?
クリスマスって何だっけ?
山下〇郎?
稲垣〇一?
そんな感じで一部記憶が曖昧ですが、とにかく早速、もぐもぐタイムスタートです
クロエ「うんめ~、うんめ~、アタイ、幸せ~!」
アレッタ「こんなの食べちゃったら、もう、他のモノ食べられないよ~」
プリシラ「そうね、ホントそうね!」
ケイト「なんなの? この果物がいっぱいの甘くて素敵な白いヤツ・・・、これはもう化け物だわ・・・」
ジェニー「スキニーあなた、まだこんなモノ隠し持っていたのね?」
そんな感じの賑やかホームパーティーでしたが、一人、纏う空気が違う人がいました。
クラリッサ「何という澄んだ味わい・・・」
クラリッサ「売れますわ、絶対に売れますわよ、これ!」
クラリッサ「スキニー様、ぜひ、このワイン、売り出しましょう」
「え? ワイン売るの?」
クラリッサ「ええ。この貧乏教会を救うと思って、ぜひ、ご協力くださいませ」
どうやらこの教会、昔はかなりはぶりが良かったみたいですが、ちょっと欲をだして、お金稼ぎのためにいろいろと手を出したはいいものの、そのことごとくが失敗
現在、この敷地と、隣接する牧場以外は何も資産がない状態にまで落ちぶれてしまったようです。
クラリッサ「スキニー様のご慈悲で、この貧乏教会を救うと思って、ぜひ、ご協力くださいませ」
(もしかして、この教会がボロボロなのって、クラリッサさんが原因?)
マンガだったら、クラリッサさんの瞳孔の形は【¥】マークか【$】マークなんだろうな~?
そんなことをぼんやりと思いながら、目の前の修道女の熱いトークを軽く聞き流すワタシなのでした。
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