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5 八つ当たり

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「せっかく良いスキルをゲットできたと思ったのに、先立つものがなければ何にもならないじゃん!」

自分のことや今の状況はよく分からないけど、スキルの良し悪しは分かる気がした
良いスキルがあると思ったのに、実際に使おうとしても対価が払えない
そんな状況にイライラが募り、不満を口にしてみる

「むぅ~っ、ふんっがぁ~!」

そして
憤懣やるかたない、そんな状態を体で表現するかの如く、左足を軸に右足をドタドタと踏みつけ始めた
周りに何もないので、モノにあたることもできず、ただただ地面を相手に地団駄を踏むことしかできない
ひと踏みひと踏み、まるでバスケットボールのピボットの如く、自然とその場で軸足を中心に回転し始めるワタシ

「こんちくしょー!」
「こんちくしょー!」
「こんちくしょー!」
『ばちゅっ』
「こんちくしょー!」
「・・・ん?」

1分ぐらい利き足による憂さ晴らしを続けていたら、右足の裏に地面とは異なる感触と共に自分以外から発せられた破裂音的な何かが聞こえた
それを確かめるべく目線を足元に下げると、思わず声が漏れた

「えっ? どういうこと?」

先程は何もなかった足元
今は何かが爆散したかのような、べちゃっとした薄水色の粘着物のようなモノがある
それは右足を中心に大きさは半径15cmほど
現代アート的な前衛的な、芸術が爆発していそうな広がりを見せていた

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