上 下
19 / 84

19 まだ情報収集

しおりを挟む

「ことろでザックさんは、ここでどんなお仕事を?」

「ん? オレか? オレの仕事はここの見張りと魔物退治だな」

「魔物?」

「ああ。この辺じゃ、主にモスキー退治だな」

「モスキーって何です?」

「ん? モスキーを知らんのか?」

「ハイです」

「ははっ、本当に嬢ちゃんは何も知らねぇんだな」

「ですです」

「モスキーってのは、そうさなぁ、人の頭くらいの大きさで、人や動物の血を吸いやがる虫さぁ」

「・・・それって、物凄くデッカイ蚊では・・・」

「ん? カ?」

「いえいえ、こちらのことです」

(ここまでの道中、何回か出くわした蚊柱の蚊とは大きさが違うけど・・・)

「そのモスキーって、親指ぐらいの大きさで、百匹とかで群れてるヤツとは違うんです?」

「あぁ、それは子モスキーの群れだ」

「コモスキー?」

「子供のモスキーで子モスキーだ」

「なるほど・・・」
「それじゃ、ザックさんは子モスキーを倒しているんです?」

「いや、子モスキーには手を出しちゃぁいねぇな」

「それはなぜです?」

「子モスキーは小っちゃくてすばしっこいだろ? 倒しにくいんだ」

「効率が悪いと?」

「そういうことだ」
「魔法で一掃しようにも、あいつら魔力感知に長けててなぁ、すぐに逃げちまうんだわ」

「へぇ~。それは何ともアレですね~」

「まあ、子モスキーは群れてるだけで実害がないからな、子モスキーは人を襲わない」
「大人のモスキーになると、人を襲いはじめるんだ」

「なるほど・・・」

(小っちゃくて倒しにくい、かつ無害な子モスキーはとりあえず放置しているのか・・・)
(ワタシ的には殺虫スプレーで簡単に倒しちゃったけど・・・)

「ザックさん、ひとつ確認していもよいです?」

「ん? なんだ?」

「子モスキーでも、別に倒してしまっても構わんのでしょ?」

「ん? なんか変な言い回しだなぁ。まぁ、もちろんだ。」
「ほっとけば大人になるのは分かり切っているんだ、倒すに越したことはねぇな」

「遠慮はいらない、ということですね!」

「ん? あぁ。遠慮はいらねぇな」

「・・・そうか。ならば、期待に応えるとしよう!」

「・・・急にどうした嬢ちゃん」


いきなり変なスイッチが入ってしまったワタシ
まるで何か(英霊)が乗り移ったかのように・・・

ここでは、
このタイミングでは、
このセリフを言わなければならない
そんなオヤクソク的な何か、
義務感的な何かを感じとったワタシは、
無意識に知らないはずのセリフを口走っていたのでした

(あ~それ言っちゃうんだ、アー〇ャー・・・)
(あちゃ~・・・)

(待って? これって、死亡フラグじゃなかったっけ?)

あれ?
死亡フラグって?
んん?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に来たようですが何も分かりません ~【買い物履歴】スキルでぼちぼち生活しています~

ぱつきんすきー
ファンタジー
突然「神」により異世界転移させられたワタシ 以前の記憶と知識をなくし、右も左も分からないワタシ 唯一の武器【買い物履歴】スキルを利用して異世界でぼちぼち生活 かつてオッサンだった少女による、異世界生活のおはなし

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

現代の知識と科学で魔法を駆使する

モンド
ファンタジー
山奥に住む男は定年後、実家のあった田舎に移り住んだUターン者である。 古くなった母屋を取り壊し、自分で家を立て始めていたがその作業中に埋蔵金を掘り当てた、時価総額100億円以上。 そんな悠々自適な生活を送っていたところ、子供の頃から不思議に感じていた隧道が自宅裏山にあったことを思い出す、どこに通じているかと興味に惹かれ隧道に入ると、歩くほどに体が若返っていくのが分かる・・・、そのまま進むと突然、光に飲まれ気づくと石積みの部屋に立っていた。 その部屋には脇に机が一つ置かれてあり和紙の紙束と日本刀が一振り置いてあった。 紙束を開くとそこには自分の先祖と思われる人物の日記が書かれていた。 『この先はこの世でない世界が広がり、見たことも聞いたこともない人々や 動植物に恐ろしい魔物、手妻の様な技に仙人の様な者までいる、しかもその 世界において身に付いた技や力は現世に戻っても変わることがない。志ある ならひと旗あげるのも一興、ゆめゆめ疑うことなかれ。』 最後のページにはこの言葉と「後は子孫に託す」との言葉で締められていた。 男は刀を腰に下げると出口と思われる方に歩きだした、10歩も歩かぬうちに光に包まれ森の洞窟の出口あたりに立っていた。 立っていた場所から車一台分の幅で未舗装であるがしっかりとした道路がなだらかな地形に沿って続いているのが見える、そこで男は食料や水を持っていなかったことに気付き一旦洞窟の方に歩き出すと、いつのまにか石室に立っておりそのまま歩くと隧道の入り口に立っていた、違っているのは17・8歳の若々しい身体の自分と腰に下げた刀が不思議な体験を事実と肯定していた。 冒険の準備を済ませ、自衛隊仕様のジープに荷物を載せて隧道に車を走らせると、あの石室を通過して洞窟の前にたどり着いた。 ここから男の冒険の始まり、セカンドライフよろしく21世紀の科学と不思議な世界で得たスキルで成り上がる男の物語。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

喜んだらレベルとステータス引き継いで最初から~あなたの異世界召喚物語~

中島健一
ファンタジー
[ルールその1]喜んだら最初に召喚されたところまで戻る [ルールその2]レベルとステータス、習得したスキル・魔法、アイテムは引き継いだ状態で戻る [ルールその3]一度経験した喜びをもう一度経験しても戻ることはない 17歳高校生の南野ハルは突然、異世界へと召喚されてしまった。 剣と魔法のファンタジーが広がる世界 そこで懸命に生きようとするも喜びを満たすことで、初めに召喚された場所に戻ってしまう…レベルとステータスはそのままに そんな中、敵対する勢力の魔の手がハルを襲う。力を持たなかったハルは次第に魔法やスキルを習得しレベルを上げ始める。初めは倒せなかった相手を前回の世界線で得た知識と魔法で倒していく。 すると世界は新たな顔を覗かせる。 この世界は何なのか、何故ステータスウィンドウがあるのか、何故自分は喜ぶと戻ってしまうのか、神ディータとは、或いは自分自身とは何者なのか。 これは主人公、南野ハルが自分自身を見つけ、どうすれば人は成長していくのか、どうすれば今の自分を越えることができるのかを学んでいく物語である。 なろうとカクヨムでも掲載してまぁす

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

処理中です...