そこは転生させろよ~無力な忌み子はご主人様の為に頑張ります?~

七色

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私、早速重要任務を任されてしまいました(全19話)

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厨房に戻ったら、厨房のみんながそわそわしながら迎えてくれた。
今度こそ殺されるんじゃないかと心配していたらしい。

メイドちゃんが入れ替わるかもってみんなで心配してたのよー?ねぇ、ネロ」
「……だめですよ、レイラン」

ネロさんの声のトーンが落ちた。

「あら、あたしったら……何でもないわ、リーシュちゃん」
「リーシュちゃん、気にしないでいいからな!」

すかさずロストさんもフォローに入る。
え、今なんて……聞きたいけど、これ以上は何も教えてくれなさそうだ。

「……そうですか」

後は夕食。
とりあえず今日だけだし、やりきらなきゃ。

「リーシュさん、これ、よかったらどうぞ」
「ネロはお菓子作りが俺たちのなかで一番上手なんだ」
「……ロスト、やめてください」

照れるネロさんが私に焼き菓子のあまりを分けてくれた。

「ありがとうございます」

お皿に乗せられた、プレーンとココアの綺麗に二色に分かれたクッキー。
口にいれたらほろりと崩れて、優しい甘さが広がる。

「すごく……すごく、おいしいです」

この世界には、こんなに甘くて美味しいものがあるのか。

「……よかったです」
「リーシュちゃんは笑ってる方がいいな!」
「……へ?」

私、変な顔してた?

「リーシュさん、食べ物を食べてるとき笑顔になりますよね」
「そうよ!リーシュちゃんかわいいんだから笑ってた方が素敵よ!」

笑ったら殴られる生活をしていた。
今私は、笑ったら素敵だと言われた。そんなの私にとっては異常事態だ。
いや、この世界に来てからずっとこうだ。

「そう……ですか?自分では分かりませんが……」

……でも、悪い気はしない。
まただ。胸の奥に温かいものが流れ込んできた感じ。

「リーシュちゃんはここに来たばかりなんだし、ゆっくり慣れていったらいいのよ!」
「そうだぞ、分からないことがあれば俺たちに聞け」
「……このお屋敷はかなり広いですからね」
「ありがとうございます」

優しい厨房の三人に見守られながら、私はお腹一杯焼き菓子を食べた。

「ごちそうさまでした」
「美味しそうに食べるわねぇ!あたしもお腹すいちゃったわ!」
「……もう少しで夕食の時間ですから、待っていてください」
「そうだぞ、俺たちは準備をしないといけない」

そうか。食事は全てここで作られているのだから、大忙しだ。

「それもそうね。リーシュちゃんは……どうしましょうか」
「私は……お庭を探険してみます」
「そうね、それがいいわ!」
「……柵より外に出ないように気を付けてくださいね」
「はい、ありがとうございます」
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