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魔王VS勇者!
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「あっ♡ああ~……っ♡」
ひと際高く喘ぎ、亜麻色の髪の勇者は魔王の膝の上で身をのけぞらせて絶頂に達した。
「こんな…こんなの……知らな…い…っ!ああっ…♡」
魔王はそのたくましい胸にもたれかかって、息をきらしている勇者から黒々としたペニスをひきぬくと、部下の魔物たちに勇者の肉体を投げて渡してしまった。
「好きにしろ…」
勇者の肉体はあっという間に異形たちに群がられ、これから天国と地獄を同時に味わい続けることだろう。繰り返される魔物たちとの激しい性交。
その果てに訪れるのは、狂気か衰弱死だ。
「つまらぬ…」
魔王は飽きていた。
次から次へと派遣されてくる勇者とその仲間たち。彼らの誰一人として魔王の能力のひとつ、魅了の力に対抗できず、自ら武器を捨て装備を脱ぎ捨て、すっかり発情してかんたんに魔王にその身を差し出すのである。
「魔王さまぁ!これからどういたしましょう!人間どもを食らいつくしてしまうだけではつまりませぬ!」
「そうです!そうですわ!人間たちは私たちの楽しいおもちゃ!闘技場を作って、殺し合いをさせてはどうかしら!」
「それは楽しい考え!そうそう、人間牧場を作るのもよろしいのでは!?ただ殺す一方では、人間が一匹もいなくなってしまいます!面白い人間どうしをかけあわせて、こどもを作らせて遊ぶのです!」
「まあ!それは楽しそう!私は大きな人間を作って乗り物にしてみたいわ!」
「ぼくはきれいな肌の人間を作って、皮をはいで素敵なコートを作りたい!」
魔王のとりまきの大きな翼と角を持つ、魔界鳥の姉妹がきゃあきゃあと、天井の高い玉座の間を飛び交いながらはしゃいでいる。
そこへ、一人の青年が現れた。
勇者の証である、赤い宝石の埋め込まれた額当てをつけている。一人きりだ。仲間は伴っていない。
ずば抜けた美貌の青年だ。艶やかな黒髪に、深く吸い込まれそうな黒瞳。肌は抜けるように白い。
「凝りもせずに、また…」
その勇者は齢三十前後だろうか。れいにもれず魔王の魅了の虜になった様子で、武器を投げ捨て、装備を取り去り、無防備な姿で魔王の待つ玉座へ進み出でてくる。その肉体は細く引き締まり、それでいて柔らかそうだ
これまでの者たちとは決定的に違うことが一つあった。
その目には意志が宿っている。
「これは……貴様は……?」
勇者はにやりと笑んだ。
「僕は遠い遠い祖先から魔族の血を受け継ぐもの。僕の一族はほとんど人間と変わらないが、僕には魅了の能力が発現した。魔王ファルスよ…」
「おお……」
「僕とまぐわえ」
魔王ファルスは玉座から立ち上がり、自ら青年のもとへ迎えに行った、そして抱き上げると寝所へと向かう。
寝所には普通のベッドの六倍はあろうかと思われる、天蓋付きの豪奢な寝台があった。
勇者はそこへ投げ出された。
「お前、名はなんという」
「エイドス」
「おお…エイドス……!」
こうして向き合うと、エイドスは魔王の魅了の虜になってしまいそうになった。
魔王は怖ろしいほどの野性味のある美貌を持ち、そのたくましく均整のとれた肉体は傷一つほくろ一つなくどこまでもなめらかだ。真紅のような赤い髪に赤い瞳。
「んっ…」
魔王がエイドスに口づける。
舌を絡め、唇を甘噛みするキスをしながら、勇者は魔王の凶暴なほどたくましい男根を扱き、魔王はかぎ爪を納めた指先でエイドスの胸をさすり、乳首を軽くつねったり、大きな手でわき腹や尻を官能的な手つきで愛撫し、また陰茎を弄る。
「は…あ…♡」
「来い、エイドスよ…!」
「あ…ああ…」
魔王ファルスは枕もとの大きなクッションに背を預け、寝そべるとエイドスを誘った。
その中心には隆々とペニスが立ち上がっている。
エイドスは魔王に近付き、その腰にまたがり、アナルへ陰茎を挿入させていく。
「はあ…あ…♡」
「ハアッ…どうだエイドスよ…!」
「あ…ああ……♡とても…とてもいい…っ!気持ち、いい……っ♡」
「おお…」
エイドスは気持ちよさそうに上下に腰を振り始めた。手は自身の陰茎を握り、扱いている。
その腰遣いは巧みだった。魔王も快感を引き出されて、喘いだ。
「ああ…!いいぞ、エイドス…!勇者よ……!」
「ああ…っ♡ファルス…素敵…素敵だ……気持ちよすぎて…あんっ♡勝手に腰が動いて止まらない…っ!」
ファルスの上でエイドスは激しく乱れた。恥じらいなどいっさい見せず、ただただ快楽に身をまかせる。その様子は人間のものではない。魔族のまぐわいのようにあさましい淫らさだった。
「あっ、あっ、あっ…♡すごくいい…っ♡ファルスの…っ♡かさが広がって…っ!いいところにいっぱい当たる……っ♡やぁ……ん…♡あん♡ああん…っ♡」
「はっ!なんと情けない…ハアッ…貴様も今までの者たちと同じだ…!俺の虜になり、よがり狂っておるではないか…!」
「んっ♡うん…っ♡だって…だって、あんまりにも…よくて…♡よくて……♡はああ…あん♡あう…♡ああん…♡ファルスの…っ!いい…っ♡セックス…気持ち…いい…っ♡」
なんという淫らさだ。ファルスはほくそ笑んだ。エイドスはこれまでの勇者とは違い、ファルスを愉しませる術を知っている。だが、それだけだ。今までと同じく、この男も快楽に溺れ力尽きてしまうだろう。
「んっ♡あ…っ♡イクッ♡イクッ♡はあ…ああ……っ!あ…♡」
エイドスは魔王のたくましいペニスに貫かれながら、間欠的に小さく叫び、ドッ…ドクッ…と射精した。
「はあ…あ……♡ああ~……っ♡」
「ほう…」
エイドスの絶頂する姿はあまりにも淫らで、あまりにも卑しかった。全身を震わせ、快感を余すことなく味わおうとしているのがわかる。
「気持ちいい…♡気持ちいい……っ♡」
その目はぼんやりとして焦点が合っておらず、口の端から涎があふれている。
「ああ…あ……♡ファルス…ファルス……ッ!ファルスもイッて…!ファルスの精子が…欲しい…っ♡」
「ぐう…っ」
エイドスのアナルはうねり、吸い付き、ファルスの男根を締め付けた。
「気持ちよく…なって…♡」
「ああ……っ!」
エイドスが再び腰を遣い出すと、ファルスは今までにない快楽を与えられ、たかまっていく。
「ああ、エイドスよ…!」
「あん♡いい…っ♡ファルスも…感じて……っ!」
「おお…っ!!」
ファルスはエイドスの中で絶頂に達した。濃い大量の精液がエイドスの中に注ぎ込まれる。
「あ…♡あ…♡出て、る…っ♡あ…♡すご…いっ♡いっぱい……っ♡」
「はあ…はあ……」
「う…んっ♡僕もまたイ……イキ…そ…♡イクッ……♡気持ちいい…っ♡」
ファルスの少し後に、エイドスはまた小さくイッた。肩を震わせ、のけぞり、ぴゅっぴゅっ…と射精する。
「ファルス…ファルス…!いい…っ♡」
それから三日三晩、魔王と勇者は濃厚にまぐわい続けた。
魔族であるファルスはともかく、エイドスは人間である。しかし、魔族の血をひいているせいか、疲れも見せずに、様々な体位でファルスと交わり続け、何度も何度もオーガズムに達した。
「ああ…っ♡いい……っ♡」
ファルスが違和感に気がついたのは四日目の夜のことだ。
「ハアッ、ハアッ…!エイドス…貴様…」
「んん……っ♡ファルス…ッ!また…また、イッちゃう…あん…イクッ…♡」
エイドスは寝そべった魔王の上に背を向けてまたがり、腰を振っている。その背中はあまりに華奢で腰は驚くほどひきしまって細い。
「だめ…イク…イク…ッ♡ああー……っ♡」
全身を痙攣させ、射精する。
「う…!こちらを向け!エイドス…!」
「ん…あ…♡んん…っ♡はあ…♡」
エイドスは名残惜しそうにゆっくりと腰を上げ、魔王のペニスから離れると、そちらに向き直り、またがりなおした。挿入はせず、ただ尻を陰茎に擦りつけ続ける。
「はあ…♡あ…♡」
「貴様…様子がおかしい…!これは……!」
エイドスの姿は、初めてここへ来た時と変わっていた。勇者エイドスは三十歳前後の青年だった。
今は十五、六歳くらいにしか見えない。
「あ…気がついた…僕は……セックスすることで、魔力を吸い取って…自分の力にすることが…できる…」
「な……」
「僕が気持ちよくなればなるほど……魔力を吸い取る量が多くなる…魔力が多すぎると、こうして若返って…しまう……あ…♡」
「き、貴様…は…!」
「赤ちゃんになったりは…しない…から…!あ…♡あ…っ♡もっと…しよ…したい……っ♡」
お互いの魅了で、それから何日もの間、何度も繰り返しまぐわい続けたせいで、エイドスはファルスの、ファルスはエイドスの肉体に夢中になっていた。
止められない。
ファルスはエイドスにねだられて、正常位の形をとってペニスを挿入した。
エイドスが深くため息をつき、気持ちよさそうに喘いだ。
「ああ……♡ファルス……!いい……っ♡このまま…」
「ああ……!いい…突くぞ…!」
「あ…♡あ…♡ああ……っ♡」
互いの手のひらを合わせ、指を交差させて握りしめ合う。握り合った手は快感で強く強く力をこめられた。その時、ファルスは自身がひどく老いていることにようやく気がついた。魔族が老いるなど、ありえないことだった。
原因はわかっていても、止めることが出来ない。ファルスは止めたくなかった。このまま、快楽の内に破滅することが出来たら本望だった。
「あ…っ、あ…っ、あ…っ、ああ…っ♡いいっ♡いい……っ♡」
ファルスに突かれるたびに、エイドスが甘酸っぱいうわずった声で気持ちよさそうに喘ぐ。あまりにいやらしく、あまりに可憐だった。
「ああ……」
ファルスは夢中で腰を振り、エイドスに快楽を与え続け、自身も快感を貪った。
うるんだ目で見つめられ、休まず腰を振りながら何度も唇を合わせる。
「もっと……♡」
「もっと……!おお…おお…」
強烈な快感が下腹にこみあげ、ファルスはエイドスの体内で射精した。この上ない気持ちよさだった。
「あ……っ♡ああー……♡」
中に精液を出されながら、エイドスも絶頂した。ドクドクと精液を吐き出す。
「ああ…♡気持ちいい……っ♡ファルス…♡ああ……っ♡」
エイドスは両の手のやり場を失い、シーツをぎゅっと握りしめ、身悶え、快感を堪能した。
この数日の官能の時を共に過ごした男はもういなかった。
乾ききった土くれが、シーツやエイドスの肉体の上に散らばっているのみだ。
「はあ…、はあ…、はあ…、よか…った…」
絶頂の余韻を味わいつくすと、エイドスはベッドから起き上がり、着る服もないのでシーツを適当に裸体に巻いて裸足のままぺたぺたと歩いて、魔王の居城を出た。
主を失った木っ端の魔族たちは、力を失い朝の光に溶けてしまうだろう。
四日前、ここへ来た時は空気は澱み、空は暗く太陽を隠していたが、今は満点の星空が広がっている。
「エイドスさまあ~!!」
エイドスと同じく魔族の血をひいて、翼を持っている伝令係のクレオンが、エイドスの前に降り立ち、翼をたたんだ。
「エイドスさま、暗雲が晴れましたね。この度はご苦労様で…!」
これまでになく若返っているエイドスの姿を見て、クレオンは赤面した。
どれだけ激しく相手と交わり、気持ちいい思いをしたのだろうか…。どんな風に抱かれて…。想像しかけてしまい、慌てて頭を切り替える。
「ご、ご苦労様でした!」
「ファルス、いいやつだったけどな…」
しみじみと言うエイドスをクレオンはたしなめた。
「な、何を言うんですか…あの魔物はこの一帯を一日中夜のようにして作物を枯らし、毎日何人もの子供をさらって生贄にしていたんです!大悪党ですよ…?!」
「そっか。そうだった。うん。次の任務は?」
「アルタイト国の領海に、魔族が現れて次々と船が沈められています。それを止めに」
「ああ、わかった」
エイドスはクレオンから着替えを貰い、身につけると、次なる獲物に会いに行くため歩み始めた。
ひと際高く喘ぎ、亜麻色の髪の勇者は魔王の膝の上で身をのけぞらせて絶頂に達した。
「こんな…こんなの……知らな…い…っ!ああっ…♡」
魔王はそのたくましい胸にもたれかかって、息をきらしている勇者から黒々としたペニスをひきぬくと、部下の魔物たちに勇者の肉体を投げて渡してしまった。
「好きにしろ…」
勇者の肉体はあっという間に異形たちに群がられ、これから天国と地獄を同時に味わい続けることだろう。繰り返される魔物たちとの激しい性交。
その果てに訪れるのは、狂気か衰弱死だ。
「つまらぬ…」
魔王は飽きていた。
次から次へと派遣されてくる勇者とその仲間たち。彼らの誰一人として魔王の能力のひとつ、魅了の力に対抗できず、自ら武器を捨て装備を脱ぎ捨て、すっかり発情してかんたんに魔王にその身を差し出すのである。
「魔王さまぁ!これからどういたしましょう!人間どもを食らいつくしてしまうだけではつまりませぬ!」
「そうです!そうですわ!人間たちは私たちの楽しいおもちゃ!闘技場を作って、殺し合いをさせてはどうかしら!」
「それは楽しい考え!そうそう、人間牧場を作るのもよろしいのでは!?ただ殺す一方では、人間が一匹もいなくなってしまいます!面白い人間どうしをかけあわせて、こどもを作らせて遊ぶのです!」
「まあ!それは楽しそう!私は大きな人間を作って乗り物にしてみたいわ!」
「ぼくはきれいな肌の人間を作って、皮をはいで素敵なコートを作りたい!」
魔王のとりまきの大きな翼と角を持つ、魔界鳥の姉妹がきゃあきゃあと、天井の高い玉座の間を飛び交いながらはしゃいでいる。
そこへ、一人の青年が現れた。
勇者の証である、赤い宝石の埋め込まれた額当てをつけている。一人きりだ。仲間は伴っていない。
ずば抜けた美貌の青年だ。艶やかな黒髪に、深く吸い込まれそうな黒瞳。肌は抜けるように白い。
「凝りもせずに、また…」
その勇者は齢三十前後だろうか。れいにもれず魔王の魅了の虜になった様子で、武器を投げ捨て、装備を取り去り、無防備な姿で魔王の待つ玉座へ進み出でてくる。その肉体は細く引き締まり、それでいて柔らかそうだ
これまでの者たちとは決定的に違うことが一つあった。
その目には意志が宿っている。
「これは……貴様は……?」
勇者はにやりと笑んだ。
「僕は遠い遠い祖先から魔族の血を受け継ぐもの。僕の一族はほとんど人間と変わらないが、僕には魅了の能力が発現した。魔王ファルスよ…」
「おお……」
「僕とまぐわえ」
魔王ファルスは玉座から立ち上がり、自ら青年のもとへ迎えに行った、そして抱き上げると寝所へと向かう。
寝所には普通のベッドの六倍はあろうかと思われる、天蓋付きの豪奢な寝台があった。
勇者はそこへ投げ出された。
「お前、名はなんという」
「エイドス」
「おお…エイドス……!」
こうして向き合うと、エイドスは魔王の魅了の虜になってしまいそうになった。
魔王は怖ろしいほどの野性味のある美貌を持ち、そのたくましく均整のとれた肉体は傷一つほくろ一つなくどこまでもなめらかだ。真紅のような赤い髪に赤い瞳。
「んっ…」
魔王がエイドスに口づける。
舌を絡め、唇を甘噛みするキスをしながら、勇者は魔王の凶暴なほどたくましい男根を扱き、魔王はかぎ爪を納めた指先でエイドスの胸をさすり、乳首を軽くつねったり、大きな手でわき腹や尻を官能的な手つきで愛撫し、また陰茎を弄る。
「は…あ…♡」
「来い、エイドスよ…!」
「あ…ああ…」
魔王ファルスは枕もとの大きなクッションに背を預け、寝そべるとエイドスを誘った。
その中心には隆々とペニスが立ち上がっている。
エイドスは魔王に近付き、その腰にまたがり、アナルへ陰茎を挿入させていく。
「はあ…あ…♡」
「ハアッ…どうだエイドスよ…!」
「あ…ああ……♡とても…とてもいい…っ!気持ち、いい……っ♡」
「おお…」
エイドスは気持ちよさそうに上下に腰を振り始めた。手は自身の陰茎を握り、扱いている。
その腰遣いは巧みだった。魔王も快感を引き出されて、喘いだ。
「ああ…!いいぞ、エイドス…!勇者よ……!」
「ああ…っ♡ファルス…素敵…素敵だ……気持ちよすぎて…あんっ♡勝手に腰が動いて止まらない…っ!」
ファルスの上でエイドスは激しく乱れた。恥じらいなどいっさい見せず、ただただ快楽に身をまかせる。その様子は人間のものではない。魔族のまぐわいのようにあさましい淫らさだった。
「あっ、あっ、あっ…♡すごくいい…っ♡ファルスの…っ♡かさが広がって…っ!いいところにいっぱい当たる……っ♡やぁ……ん…♡あん♡ああん…っ♡」
「はっ!なんと情けない…ハアッ…貴様も今までの者たちと同じだ…!俺の虜になり、よがり狂っておるではないか…!」
「んっ♡うん…っ♡だって…だって、あんまりにも…よくて…♡よくて……♡はああ…あん♡あう…♡ああん…♡ファルスの…っ!いい…っ♡セックス…気持ち…いい…っ♡」
なんという淫らさだ。ファルスはほくそ笑んだ。エイドスはこれまでの勇者とは違い、ファルスを愉しませる術を知っている。だが、それだけだ。今までと同じく、この男も快楽に溺れ力尽きてしまうだろう。
「んっ♡あ…っ♡イクッ♡イクッ♡はあ…ああ……っ!あ…♡」
エイドスは魔王のたくましいペニスに貫かれながら、間欠的に小さく叫び、ドッ…ドクッ…と射精した。
「はあ…あ……♡ああ~……っ♡」
「ほう…」
エイドスの絶頂する姿はあまりにも淫らで、あまりにも卑しかった。全身を震わせ、快感を余すことなく味わおうとしているのがわかる。
「気持ちいい…♡気持ちいい……っ♡」
その目はぼんやりとして焦点が合っておらず、口の端から涎があふれている。
「ああ…あ……♡ファルス…ファルス……ッ!ファルスもイッて…!ファルスの精子が…欲しい…っ♡」
「ぐう…っ」
エイドスのアナルはうねり、吸い付き、ファルスの男根を締め付けた。
「気持ちよく…なって…♡」
「ああ……っ!」
エイドスが再び腰を遣い出すと、ファルスは今までにない快楽を与えられ、たかまっていく。
「ああ、エイドスよ…!」
「あん♡いい…っ♡ファルスも…感じて……っ!」
「おお…っ!!」
ファルスはエイドスの中で絶頂に達した。濃い大量の精液がエイドスの中に注ぎ込まれる。
「あ…♡あ…♡出て、る…っ♡あ…♡すご…いっ♡いっぱい……っ♡」
「はあ…はあ……」
「う…んっ♡僕もまたイ……イキ…そ…♡イクッ……♡気持ちいい…っ♡」
ファルスの少し後に、エイドスはまた小さくイッた。肩を震わせ、のけぞり、ぴゅっぴゅっ…と射精する。
「ファルス…ファルス…!いい…っ♡」
それから三日三晩、魔王と勇者は濃厚にまぐわい続けた。
魔族であるファルスはともかく、エイドスは人間である。しかし、魔族の血をひいているせいか、疲れも見せずに、様々な体位でファルスと交わり続け、何度も何度もオーガズムに達した。
「ああ…っ♡いい……っ♡」
ファルスが違和感に気がついたのは四日目の夜のことだ。
「ハアッ、ハアッ…!エイドス…貴様…」
「んん……っ♡ファルス…ッ!また…また、イッちゃう…あん…イクッ…♡」
エイドスは寝そべった魔王の上に背を向けてまたがり、腰を振っている。その背中はあまりに華奢で腰は驚くほどひきしまって細い。
「だめ…イク…イク…ッ♡ああー……っ♡」
全身を痙攣させ、射精する。
「う…!こちらを向け!エイドス…!」
「ん…あ…♡んん…っ♡はあ…♡」
エイドスは名残惜しそうにゆっくりと腰を上げ、魔王のペニスから離れると、そちらに向き直り、またがりなおした。挿入はせず、ただ尻を陰茎に擦りつけ続ける。
「はあ…♡あ…♡」
「貴様…様子がおかしい…!これは……!」
エイドスの姿は、初めてここへ来た時と変わっていた。勇者エイドスは三十歳前後の青年だった。
今は十五、六歳くらいにしか見えない。
「あ…気がついた…僕は……セックスすることで、魔力を吸い取って…自分の力にすることが…できる…」
「な……」
「僕が気持ちよくなればなるほど……魔力を吸い取る量が多くなる…魔力が多すぎると、こうして若返って…しまう……あ…♡」
「き、貴様…は…!」
「赤ちゃんになったりは…しない…から…!あ…♡あ…っ♡もっと…しよ…したい……っ♡」
お互いの魅了で、それから何日もの間、何度も繰り返しまぐわい続けたせいで、エイドスはファルスの、ファルスはエイドスの肉体に夢中になっていた。
止められない。
ファルスはエイドスにねだられて、正常位の形をとってペニスを挿入した。
エイドスが深くため息をつき、気持ちよさそうに喘いだ。
「ああ……♡ファルス……!いい……っ♡このまま…」
「ああ……!いい…突くぞ…!」
「あ…♡あ…♡ああ……っ♡」
互いの手のひらを合わせ、指を交差させて握りしめ合う。握り合った手は快感で強く強く力をこめられた。その時、ファルスは自身がひどく老いていることにようやく気がついた。魔族が老いるなど、ありえないことだった。
原因はわかっていても、止めることが出来ない。ファルスは止めたくなかった。このまま、快楽の内に破滅することが出来たら本望だった。
「あ…っ、あ…っ、あ…っ、ああ…っ♡いいっ♡いい……っ♡」
ファルスに突かれるたびに、エイドスが甘酸っぱいうわずった声で気持ちよさそうに喘ぐ。あまりにいやらしく、あまりに可憐だった。
「ああ……」
ファルスは夢中で腰を振り、エイドスに快楽を与え続け、自身も快感を貪った。
うるんだ目で見つめられ、休まず腰を振りながら何度も唇を合わせる。
「もっと……♡」
「もっと……!おお…おお…」
強烈な快感が下腹にこみあげ、ファルスはエイドスの体内で射精した。この上ない気持ちよさだった。
「あ……っ♡ああー……♡」
中に精液を出されながら、エイドスも絶頂した。ドクドクと精液を吐き出す。
「ああ…♡気持ちいい……っ♡ファルス…♡ああ……っ♡」
エイドスは両の手のやり場を失い、シーツをぎゅっと握りしめ、身悶え、快感を堪能した。
この数日の官能の時を共に過ごした男はもういなかった。
乾ききった土くれが、シーツやエイドスの肉体の上に散らばっているのみだ。
「はあ…、はあ…、はあ…、よか…った…」
絶頂の余韻を味わいつくすと、エイドスはベッドから起き上がり、着る服もないのでシーツを適当に裸体に巻いて裸足のままぺたぺたと歩いて、魔王の居城を出た。
主を失った木っ端の魔族たちは、力を失い朝の光に溶けてしまうだろう。
四日前、ここへ来た時は空気は澱み、空は暗く太陽を隠していたが、今は満点の星空が広がっている。
「エイドスさまあ~!!」
エイドスと同じく魔族の血をひいて、翼を持っている伝令係のクレオンが、エイドスの前に降り立ち、翼をたたんだ。
「エイドスさま、暗雲が晴れましたね。この度はご苦労様で…!」
これまでになく若返っているエイドスの姿を見て、クレオンは赤面した。
どれだけ激しく相手と交わり、気持ちいい思いをしたのだろうか…。どんな風に抱かれて…。想像しかけてしまい、慌てて頭を切り替える。
「ご、ご苦労様でした!」
「ファルス、いいやつだったけどな…」
しみじみと言うエイドスをクレオンはたしなめた。
「な、何を言うんですか…あの魔物はこの一帯を一日中夜のようにして作物を枯らし、毎日何人もの子供をさらって生贄にしていたんです!大悪党ですよ…?!」
「そっか。そうだった。うん。次の任務は?」
「アルタイト国の領海に、魔族が現れて次々と船が沈められています。それを止めに」
「ああ、わかった」
エイドスはクレオンから着替えを貰い、身につけると、次なる獲物に会いに行くため歩み始めた。
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