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13 魔法使いに聞いてみました!
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ドン!ドン!と、ドアを叩く音で目が覚めた。
「お客さん!時間です!!出てってください!!」
「わっ!あわわ。サユッ!起きて!」
「んー…」
サユをゆすって起こす。
二人で慌てて身支度を整えた。
「お客さん!寝てんの!!」
「今っ!今出ますから!!」
慌てて部屋から出る。鍵を返して、旅館を後にした。
リューバに乗って、いったん宿に戻る。
「今日は、日用品とか揃えないとな…」
「うん」
と、いうわけで午前中は、マットレスや布団、何かと使うたらい、タオル代わりの手ぬぐいを何枚か、などなどの生活必需品、それから書店に寄って、手頃で読めそうな本を何冊か購入した。ノートとペン、インクも買った。
サユに手伝ってもらい、借りた部屋にそれらを運んだ。
今夜から、ここで寝るのか。自分の城が出来たようでうれしいような。ずっとサユと一緒だったからさびしいような。
「サユ、ありがとう」
「どういたしまして」
午後は、また役所の一室で学者たちの聞き取りである。
何人か増えている。その中の一人の男はやけに若く、身に着けている宝飾品が多くて不思議な感じがした。
増えた学者たちが軽く自己紹介をしてくれた。経済学者、科学者、宗教家…。
若い男が最後に自己紹介をした。
「ハリオ・マージュ、魔法士だ」
まほうし…魔法!?よくある異世界よろしくこの世界にも魔法があるのか。
今日も俺は質問攻めにあい、頑張って答えていった。
それから、この世界のことをもっと詳しく知るために、あと、さまよえる者が元の世界に帰る方法を探るために、こちらからも質問をした。
いろいろ分かった。この世界の性風俗のことなんかも。医学的にはなんでも体にため込むのはよくないという考えがあり、宗教的には一人で処理することを罪と考えられている。その結果が、どこの店でも二階がラブホみたいになってる理由であり、娼館が多いのもそのためなのだ。
俺は魔法士にも質問してみた。
どうしたら魔法が使えるようになるのかとか、そもそもどんなことが出来るのかとか。
魔力があるものは数少なく、貴重な存在らしい。別に遺伝とかはなく、生まれた子供に魔力があるとわかったら、魔法士の弟子にさせる慣習のようだ。
仕事については、一般的な医学とは違うアプローチで医術を施したり、薬を作ったり、また、未来を読むことが出来るために王室に雇われて、アドバイスをしたりするらしい。
空を飛べるかと聞いたら、必要があれば、と笑われた。
漢方医+占い師+超能力者みたいな感じなのかな。
「じゃ、じゃあ、俺が元の世界に戻れるかって、わかりますか?」
ハリオはちょっと考えて言った。
「すまんが、ぼくには見えないな」
「…そうですか…」
「帰りたい?」
「そ、そりゃあ…!」
「ぼくには、その必要はないと思うが」
ハリオは表情も変えずにそう言った。
「お客さん!時間です!!出てってください!!」
「わっ!あわわ。サユッ!起きて!」
「んー…」
サユをゆすって起こす。
二人で慌てて身支度を整えた。
「お客さん!寝てんの!!」
「今っ!今出ますから!!」
慌てて部屋から出る。鍵を返して、旅館を後にした。
リューバに乗って、いったん宿に戻る。
「今日は、日用品とか揃えないとな…」
「うん」
と、いうわけで午前中は、マットレスや布団、何かと使うたらい、タオル代わりの手ぬぐいを何枚か、などなどの生活必需品、それから書店に寄って、手頃で読めそうな本を何冊か購入した。ノートとペン、インクも買った。
サユに手伝ってもらい、借りた部屋にそれらを運んだ。
今夜から、ここで寝るのか。自分の城が出来たようでうれしいような。ずっとサユと一緒だったからさびしいような。
「サユ、ありがとう」
「どういたしまして」
午後は、また役所の一室で学者たちの聞き取りである。
何人か増えている。その中の一人の男はやけに若く、身に着けている宝飾品が多くて不思議な感じがした。
増えた学者たちが軽く自己紹介をしてくれた。経済学者、科学者、宗教家…。
若い男が最後に自己紹介をした。
「ハリオ・マージュ、魔法士だ」
まほうし…魔法!?よくある異世界よろしくこの世界にも魔法があるのか。
今日も俺は質問攻めにあい、頑張って答えていった。
それから、この世界のことをもっと詳しく知るために、あと、さまよえる者が元の世界に帰る方法を探るために、こちらからも質問をした。
いろいろ分かった。この世界の性風俗のことなんかも。医学的にはなんでも体にため込むのはよくないという考えがあり、宗教的には一人で処理することを罪と考えられている。その結果が、どこの店でも二階がラブホみたいになってる理由であり、娼館が多いのもそのためなのだ。
俺は魔法士にも質問してみた。
どうしたら魔法が使えるようになるのかとか、そもそもどんなことが出来るのかとか。
魔力があるものは数少なく、貴重な存在らしい。別に遺伝とかはなく、生まれた子供に魔力があるとわかったら、魔法士の弟子にさせる慣習のようだ。
仕事については、一般的な医学とは違うアプローチで医術を施したり、薬を作ったり、また、未来を読むことが出来るために王室に雇われて、アドバイスをしたりするらしい。
空を飛べるかと聞いたら、必要があれば、と笑われた。
漢方医+占い師+超能力者みたいな感じなのかな。
「じゃ、じゃあ、俺が元の世界に戻れるかって、わかりますか?」
ハリオはちょっと考えて言った。
「すまんが、ぼくには見えないな」
「…そうですか…」
「帰りたい?」
「そ、そりゃあ…!」
「ぼくには、その必要はないと思うが」
ハリオは表情も変えずにそう言った。
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