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02 俺はさまよえる日本人!
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「うっ…うう…っうっ…うっ…」
「よしよし…喉は渇いてないか?水でも飲むか?」
俺がこくりと頷くと、青年は馬のような生き物に乗せた荷物から、水筒なのだろう、大きな丸い入れ物を取って、栓を抜いて、渡してくれた。
ゆっくりと傾けて飲む。
「んぐっ…んぐっ…けほっけほっ」
「落ち着いてゆっくり飲め」
「うん…んく…んく…はあ…ありがとう…」
「ああ…」
少し、落ち着いた。俺は一つ青年に訊ねた。
「あの生き物は、なんていうの?」
「あの生き物って?」
「あれ…」
俺は馬のような生き物を指さした。四本足で、背が高く、馬のようだが、それより胴が長く、何より被毛に覆われていなくて、たてがみもなくて、ぬめっとした肌をしている。
「は?リューバのことか?」
「リューバ?」
「どこででも見るだろう。リューバを知らない…?そういえば君、どこに住んでるんだ?この森じゃあるまい」
「え、どこって…」
俺の家…俺の…わからない…。だって、だってここは…日本じゃなさそうだし…。
「わ、わかんない…住所はT県〇△町…」
「この、変わった服も…見たことがない…まさか…君、さまよえる者なのか?そーゆーの、たまにいるけど」
「さ…さまよえる者…?」
「たまに現れるんだ。突然、前触れもなく、別の世界から…ほんとに、なんというか突然」
「たまにあるの??」
「ああ。こうしていても仕方がない。腹も空く。街に出よう」
「街…連れて行ってくれるんですか?」
「うん。さまよえる者は役所に届けないといけないし、賞金首も獲れたしな」
俺はリューバに乗せられた。青年の後ろに。俺の後ろには生首がぶら下がっている。
「うん、乗れたな。つかまっていろ」
「うん…」
青年の腰に手を回してしっかりつかまった。リューバが走り出す。
「そういえば、名は?」
「たくと…新條たくと!」
「タクト…!俺は、サユ、サユ・グレク」
「よしよし…喉は渇いてないか?水でも飲むか?」
俺がこくりと頷くと、青年は馬のような生き物に乗せた荷物から、水筒なのだろう、大きな丸い入れ物を取って、栓を抜いて、渡してくれた。
ゆっくりと傾けて飲む。
「んぐっ…んぐっ…けほっけほっ」
「落ち着いてゆっくり飲め」
「うん…んく…んく…はあ…ありがとう…」
「ああ…」
少し、落ち着いた。俺は一つ青年に訊ねた。
「あの生き物は、なんていうの?」
「あの生き物って?」
「あれ…」
俺は馬のような生き物を指さした。四本足で、背が高く、馬のようだが、それより胴が長く、何より被毛に覆われていなくて、たてがみもなくて、ぬめっとした肌をしている。
「は?リューバのことか?」
「リューバ?」
「どこででも見るだろう。リューバを知らない…?そういえば君、どこに住んでるんだ?この森じゃあるまい」
「え、どこって…」
俺の家…俺の…わからない…。だって、だってここは…日本じゃなさそうだし…。
「わ、わかんない…住所はT県〇△町…」
「この、変わった服も…見たことがない…まさか…君、さまよえる者なのか?そーゆーの、たまにいるけど」
「さ…さまよえる者…?」
「たまに現れるんだ。突然、前触れもなく、別の世界から…ほんとに、なんというか突然」
「たまにあるの??」
「ああ。こうしていても仕方がない。腹も空く。街に出よう」
「街…連れて行ってくれるんですか?」
「うん。さまよえる者は役所に届けないといけないし、賞金首も獲れたしな」
俺はリューバに乗せられた。青年の後ろに。俺の後ろには生首がぶら下がっている。
「うん、乗れたな。つかまっていろ」
「うん…」
青年の腰に手を回してしっかりつかまった。リューバが走り出す。
「そういえば、名は?」
「たくと…新條たくと!」
「タクト…!俺は、サユ、サユ・グレク」
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