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男後宮の物語
しおりを挟む「さあ、これに着替えて」
「はい…」
控えの間で、細やかな刺繍の施された、薄いベールのような衣装を渡されたハオランはおとなしくそれに従った。
イン・ハオランは小国の王の四男である。マオ国という大国の王に、父に付き従って正月のあいさつに来た折に王太子に見初められ、この男後宮へ入ることになった。貢物のようなものだ。
故郷の民族衣装を脱ぎ、下着も脱いで、衣装を着ると、衣装は薄いだけでなく、あちこちに切れ込み
が入っていて、背中は丸出しで、乳首が切れ目からのぞき、歩くたびに太ももはもちろん尻や、陰茎が露出してしまう。
ハオランはドキドキした。
着替え終えると、少し廊下を歩き、大きな門の前に着く。
「ここから入りなさい」
門の両脇には屈強な衛兵が立っており、重そうな扉を開いた。
ハオランは、ゆっくりと中に入って行く。
甘ったるい不思議な香り。そして、男同士で睦み合う声や音が聞こえて来た。
「はあ…んん…気持ち…いいです…」
「ああっ!イクッ…イッてしまいます…!」
パン!パン!と肌と肌がぶつかり合う音。
「お尻…とっても気持ちいい…っ!ああん…ああん…っ」
じゅちゅっじゅちゅっ…という水音。
「すごい…すごく、気持ちいいです…!もっと、もっと突いて…!」
王太子の為の男後宮の筈だが、ベールに囲われたいくつもの寝台の上で、男たちはそれぞれ自由に相手と交わっている。ベールに映る影が動く様子と、ぎしぎしという音でそれがわかる。
ハオランは異様な風景に、動悸が激しくなり、下腹に血が集まってくるのを感じた。
「新入りだね」
と、一人の美しい少年に声をかけられる。
「王子が来ない間は、こうして自由に性交するんだ。いざ、王子が来た時につつがなくお相手できるように、技術を磨いて、感度をよくしておかないと。君も準備しないとね」
少年はハオランを空いている寝台に誘った。
この少年と性交するのか…。ハオランは胸が高鳴った。
気持ちよさそうに喘ぎ声を上げている男たちがとてもうらやましかったのだ。
しかし、そうなる前に王子が現れた。ハオランが入ってきた門とは別の扉からだ。
「イーモウ王子!」
美形の青年だ。やや女顔である。化粧をすれば映えるだろう。対照的に体躯は鍛えられ、美しく筋肉がついている。
王子は半裸だ。肩から刺繍の入ったベールを垂らしているが、陰茎もさらされている。それを見てハオランは頬を染めた。
「今日は、イン・ハオランがやってくる日だったな。準備はいい。初物を楽しみたい。ハオラン、こちらへ来い」
「はい…」
ハオランは、王子に呼ばれるまま別室へついて行った。
大きな部屋に、巨大な寝台が待っていた。
たくましい体躯をした王子はハオランを抱き上げ、寝台へ横にした。驚くほどふかふかの布団だ。ハオランはそこへ沈み込んだ。
いよいよ、王子に抱かれるのだ。
王子はハオランの男根を大きな手で包み込みぎゅっと握って扱き始めた。初めての他人の手による手淫。
「やあ…はあん…ああん…っ!」
「気持ちが良さそうだな」
「ああ…っ!ああん…いやあ…!すごく…すごく感じる…っいく…いっちゃう~っ!」
あっと言う間に、ハオランは射精に達した。腰をはねさせながら、ぴゅっ…ぴゅっ…と。
息を荒くしてびくびくと全身を震わせるハオランに、王子は口づけした。
「うむ…んん…」
口の奥深く王子の舌が入って来て、ハオランを翻弄する。
王子は口づけしながら、手はハオランの乳首を優しくなぜたり、きゅっとつまんだりした。ハオランは快感に身をよじる。
「はあっ…はあっ…うん…ああん…」
王子の手は下に降りていって、ハオランの会陰をゆっくりと押すようにして往復させ刺激した。
「あう…あん…あん…っ」
「ハオラン…とても敏感なのだな。かわいいぞ」
「あ…」
王子の指がハオランの肛門を揉みこみ始めた。そして、少しずつ指を入れてくる。
「ん…あ…っ!」
王の手がいったんひき、枕もとに置かれた壺をとり、蓋を開けると、油のような、糊のような液体を指にまとわせた。
そして、再びハオランの肛門に指を差し入れた。ぬるりと入ってくる。それになんだか熱い。それを王子はゆっくりと出し入れした。
「ああん…」
「どうだ?」
「はあ…気持ちいいです…んん…はあん…」
その液体には、滑りをよくする成分の他に、媚薬が含まれていた。
指を肛門に入れられるだけでこんなに気持ちいいなんて…自分はすごく淫乱なのかもしれない…。ハオランは恥じいった。
「もう、いいな」
「あ…っん…」
指を引き抜かれる。代わりに別のものが肛門にあてがわれた。ぴとっ、とくっついた瞬間、快感でビクン!と体がはねた。
「あんっ!」
動悸が激しい。さっき見た王子の陰茎を思い出す。とても大きく、逞しかった。それが今、ハオランの中に入ろうとしている。頬が熱くなった。
「力を抜け…」
ゆっくり、ゆっくりと王子が腰を進める。それをハオランは少しの苦しさと、もどかしい快感でむかえいれる。
「…くっ…きついな…だが、いい…」
「はあ…はあ…んん…っ!」
「ああ…ああ…いいぞ…ハオラン…」
「あう…あんっ…!」
王子の逸物がハオランの中に全て入った。
「はあ…くう…」
ゆっくり、ゆっくり、少しずつ王子は腰を動かし始める。
「あっ…あっ…」
ギシ、ギシ…と寝台が軋む。
次第に王子の動きは大胆に激しくなっていく。
「あんっ…あ…うれしいっ…うれしいです…!気持ちっ…いいです…っ!」
「俺も気持ちいいぞ。はあ…ハオランの中はとても気持ちがいい…」
「ああん…すごいっすごいい~!やあん…どうしよう…どうしよう…気持ちよくて…!」
肌と肌のぶつかり合う音を立て、喘ぎ、悶え、二人は高まり、絶頂へと近づく。
「ああっ、ハオラン…いきそうだ…中に、出すぞ…ああ…出る…」
「私も…私もいってしまいます…!ああん…ああっ早く…早く出して…!」
「おお…!」
王子は深くハオランの中に挿入すると、苦し気に呻きながらハオランの中に精液を、幾度かかけてたっぷりと注ぎ入れた。
「ああー…あ…あ…出てる…いっぱい…ああん…!」
王子の精液を受け止めながら、ハオランは全身を痙攣させて自身も射精した。
「ああ…はあ…ん…ああん!ああー…!」
王子はハオランの横にどっと倒れこんだ。
「はあ…はあ…」
目を閉じ、荒い呼吸を整えている。
ハオランは王子の震えるまつ毛に見惚れた。
「よかったぞ…ハオラン…」
「あ…ありがとうございます…」
少し休憩をとると、王子は再びハオランを抱き寄せ、自分はベッドの上に座り、またがらせた。
体位を変えて、再び交わるのだ。屹立した陰茎に、ハオランの尻を擦りつける。
「あ…ああん…」
その後、何度も何度も二人は快楽に溺れた。
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