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いつも彼女ばかりが
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今わたしはサリュート先生に執心している。
サリュート先生だけは、他の男性と違う。一回り年上で、穏やかで、口数少なく、だけど優しい…。
わたしのことを認めてくれているし、授業をさぼるリナに対して呆れているようだ。
それに、リナはフロードや、イドレスと体を重ねることに忙しいはず。
わたしは不安を拭い去れないまでも、先生を信頼していた。
信頼していたのだ…。
ある日、授業の時間に机の前に座り、待っていてもサリュート先生は現れなかった。
時間厳守の彼らしくなかった。
胸に黒く重たいものが生まれ、時間がたつと共にそれが大きくなってくる。
あの時のように、屋敷の中を探す。どこにもいない。
リナの寝室にも。
庭に出て、辺りを見渡す。何も異常はない。庭師とその息子が庭園の手入れに勤しんでいる。
「サリュート先生…先生…」
メイドを捕まえて、彼の所在をたずねたが、確かに屋敷へ迎えたが、その後はわからないと言う。
行き違いになったのかもしれない。
わたしは勉強部屋へ向かった。物音がする。人の気配があった。
だが、ドアを開けると、絶望がわたしを待っていた。
いつも使われないリナの椅子に先生が座り、その上にリナが向かい合いまたがっていたのだ。
リナは先生の上で激しく体をゆすり、わたしとは比べ物にならない豊かな乳房が揺れている。
「いや…いや…!」
わたしはまたその場から去るしかなかった。
「いやよ…どうして…!もう、いやよ…!」
涙が止まらない。泣いている惨めな姿を見られたくないのに。
わたしはまた寝室に引きこもるしかなかった。
その深夜、またしてもリナはわたしのベッドへもぐりこんできた。
なんと厭わしい。なんと腹ただしい。なんと悍ましい。
「お姉様、聞いてよ」
「何も聞きたくないわ…あなた…あなたは作文の授業はいつもさぼっていたくせに…」
「だって、お姉様がいつも作文の時間をあんまり楽しみにしていたんだもの…あんなきれいな殿方と二人きりで…ずるいわ、お姉様」
「何を言っているの…」
「今日は先生と鉢合わせしてしまって、授業を受けなさいと叱られてしまったのよ…それで少し遅れて部屋に行くとお姉様はいなくて…先生の瞳がとてもきれいで、吸いこまれそうになったわ。わたしどうしてもたまらなくなって、眼鏡をとってよく見せて欲しいとお願いしたの…見つめ合ううちにお互いに気持ちがたかぶってきて…」
「……」
「先生ったら…こんなことはいけない、いけないと言いながらわたしの体をまさぐったのよ…とても優しい手つきで…ゆっくり、ゆっくり、わたしの乳房を、お腹を、お尻を、脚を、大切な場所を探って、焦れったいくらい優しく…いざ体を繋げようという時ももどかしいくらいゆっくり時間をかけて…時間をかけた分、あまりに気持ちよくて…その後はとても激しく愛し合ったわ…」
「……」
「サリュート先生はわたしにも教えたいって…お姉様は優秀だけど、はいはいっていつも素直すぎてつまらないって…それに笑顔が不自然で気味が悪いって…」
「本当に先生がそんなことを言ったの?!そんなわけない…そんなわけがないわ…!」
枕に顔を埋め、くぐもった声で反論したけれど、リナはどこ吹く風だ。
「先生は誰にでも優しいものね…表面上は…でも心の奥底では、ずっとわたしを自分のものにしたくてたまらなかったの…そう言ったわ…」
リナは笑っているようだった。そして、いつしかすうすうと寝息を立てていた。
それからもサリュート先生の授業は続いた。
そして、リナも素直に授業を受けるようになった。
わたしは授業を受け続けた。リナと先生を二人きりにするのが悔しかったのだ。
だけど、わたしは笑顔を封印した。いつも表情を動かさず、硬い人形の顔のように。
サリュート先生だけは、他の男性と違う。一回り年上で、穏やかで、口数少なく、だけど優しい…。
わたしのことを認めてくれているし、授業をさぼるリナに対して呆れているようだ。
それに、リナはフロードや、イドレスと体を重ねることに忙しいはず。
わたしは不安を拭い去れないまでも、先生を信頼していた。
信頼していたのだ…。
ある日、授業の時間に机の前に座り、待っていてもサリュート先生は現れなかった。
時間厳守の彼らしくなかった。
胸に黒く重たいものが生まれ、時間がたつと共にそれが大きくなってくる。
あの時のように、屋敷の中を探す。どこにもいない。
リナの寝室にも。
庭に出て、辺りを見渡す。何も異常はない。庭師とその息子が庭園の手入れに勤しんでいる。
「サリュート先生…先生…」
メイドを捕まえて、彼の所在をたずねたが、確かに屋敷へ迎えたが、その後はわからないと言う。
行き違いになったのかもしれない。
わたしは勉強部屋へ向かった。物音がする。人の気配があった。
だが、ドアを開けると、絶望がわたしを待っていた。
いつも使われないリナの椅子に先生が座り、その上にリナが向かい合いまたがっていたのだ。
リナは先生の上で激しく体をゆすり、わたしとは比べ物にならない豊かな乳房が揺れている。
「いや…いや…!」
わたしはまたその場から去るしかなかった。
「いやよ…どうして…!もう、いやよ…!」
涙が止まらない。泣いている惨めな姿を見られたくないのに。
わたしはまた寝室に引きこもるしかなかった。
その深夜、またしてもリナはわたしのベッドへもぐりこんできた。
なんと厭わしい。なんと腹ただしい。なんと悍ましい。
「お姉様、聞いてよ」
「何も聞きたくないわ…あなた…あなたは作文の授業はいつもさぼっていたくせに…」
「だって、お姉様がいつも作文の時間をあんまり楽しみにしていたんだもの…あんなきれいな殿方と二人きりで…ずるいわ、お姉様」
「何を言っているの…」
「今日は先生と鉢合わせしてしまって、授業を受けなさいと叱られてしまったのよ…それで少し遅れて部屋に行くとお姉様はいなくて…先生の瞳がとてもきれいで、吸いこまれそうになったわ。わたしどうしてもたまらなくなって、眼鏡をとってよく見せて欲しいとお願いしたの…見つめ合ううちにお互いに気持ちがたかぶってきて…」
「……」
「先生ったら…こんなことはいけない、いけないと言いながらわたしの体をまさぐったのよ…とても優しい手つきで…ゆっくり、ゆっくり、わたしの乳房を、お腹を、お尻を、脚を、大切な場所を探って、焦れったいくらい優しく…いざ体を繋げようという時ももどかしいくらいゆっくり時間をかけて…時間をかけた分、あまりに気持ちよくて…その後はとても激しく愛し合ったわ…」
「……」
「サリュート先生はわたしにも教えたいって…お姉様は優秀だけど、はいはいっていつも素直すぎてつまらないって…それに笑顔が不自然で気味が悪いって…」
「本当に先生がそんなことを言ったの?!そんなわけない…そんなわけがないわ…!」
枕に顔を埋め、くぐもった声で反論したけれど、リナはどこ吹く風だ。
「先生は誰にでも優しいものね…表面上は…でも心の奥底では、ずっとわたしを自分のものにしたくてたまらなかったの…そう言ったわ…」
リナは笑っているようだった。そして、いつしかすうすうと寝息を立てていた。
それからもサリュート先生の授業は続いた。
そして、リナも素直に授業を受けるようになった。
わたしは授業を受け続けた。リナと先生を二人きりにするのが悔しかったのだ。
だけど、わたしは笑顔を封印した。いつも表情を動かさず、硬い人形の顔のように。
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