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転生したのはいいけれど
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俺は"暮葉やまと"という日本人…だった。
その事を思い出したのは、つい最近のこと。
この全寮制の王立ブリリアント男子魔法学校に入学し、しばらくしてからだ。
気づいたのだ。どこか覚えのある学校名に、生徒会長の名、クラスメイトの名前も。
これは俺が生前愛読していた、ボーイズラブコミック『魔法使いの青い春』の世界だ。
『魔法使いの青い春』は、ファンタジー世界の学園を舞台にしたラブコメで、セディ・アーレントというかわいいが落ちこぼれの生徒と、生徒会長もしている優等生の美形キャラ、ジュリアン・ソユールがお互い恋に落ち、すったもんだの両片想い期間を経て、結ばれるという物語だ。脇役キャラたちも魅力的で、作画も美しく、エッチなシーンも結構あって、俺はこの漫画が大好きだった。
そう、俺は腐男子だった。
男と男の友情を超えたイチャイチャが見たい!
かく言う俺は、転生した今の名はリリス・シェリー。記憶にあるような、ないような名前だ。めちゃくちゃ脇役中の脇役だったのだろう。
だが、顔面は整っている。さすがBLの世界、登場人物は美形ばかり。
鏡を見れば、年齢より少し幼めな愛らしい顔が、ピンク色のサラサラの髪を揺らしてこちらを見返してくる。
さすがファンタジーコミックの世界、ピンク色の髪は地毛だし、瞳は淡い紫だ。
まあ、それは置いておいて、俺はセディと同じクラスだし、せっかくだから軽く友人ポジションでもゲットして、ジュリアンとの恋の行方を覗き…見守りたい!
でも…ただ…気になることがあるのだ。
一つは、セディとジュリアンの他にもカップルがたくさんいること!
ある時、俺が移動教室で廊下を歩いていると、甲高い声、くぐもった声、何か怪しげな声が聞こえて空き教室を覗き込むと、二人の生徒が盛っているところだった…!!
美少年二人が机の上で絡み合って、とても気持ちよさそうにまぐわっている。
俺は興奮して思わずかぶりつきで覗いてしまった。
な、なんという…素晴らしい光景…!
恥じらいに頬を染めながらも、相手に身を委ね快感にピクッピクッ…と反応する受けちゃんに、余裕がなさそうなのに、相手を気遣い、だけどやっぱり若い欲望を抑えきれず、額に汗を浮かべ一生懸命に腰をピストンさせる攻めくん…!!
二人はアナルとペニスで繋がり快感に翻弄されながら、時々、口づけを交わし見つめ合う。
これこれ…こういうのがみたかったんだよ~~!!!!
俺は聞き耳を立てた。
「あ…っ♡あ…っ♡マックス…すごい…♡ボクたち…こんなことしちゃうなんて…あ…っ♡だ…め…♡気持ち…よくて…頭、ぼーっと、しちゃ…う…」
「好きだ…ずっと好きだった…!思いが果たせて…今、とても幸せだ…!!ああ、カイン…カイン!カイン…!カイン…!」
うーん。名前の連呼…実にいいですね~。しみじみしていると、二人は絶頂に近づいた。
「あ…っ♡あ…っ♡マックス…マックス…♡あん♡イキ…そう…♡ああ…っ♡ああ…っ♡」
「一緒に…一緒にイこう…っ♡ああ、カイン…ああ、ああああ~~~~っっ!!!!」
「んっ♡くぅんっ♡ああああ~~~~…ン♡♡♡♡」
仲良く同時にフィニッシュ…いいねえ…。
果てたあと、二人は乱れた呼吸の中、口づけ合って余韻を楽しんでいる。
「ほう……♡」
いいものを見せてもらった。その時は俺はただ眼福だったと満足したのだが…。
それ以降も、学校や寮のあちこちで、そんな光景を目にすることになったのだ。
座学の授業中の教室の中でさえ、さすがに合体はしないが、机の下に潜って、攻めくんのおティンティンをしゃぶる受けちゃんなんかもいるのだ。
そんな漫画ではなかったような…。
その事を思い出したのは、つい最近のこと。
この全寮制の王立ブリリアント男子魔法学校に入学し、しばらくしてからだ。
気づいたのだ。どこか覚えのある学校名に、生徒会長の名、クラスメイトの名前も。
これは俺が生前愛読していた、ボーイズラブコミック『魔法使いの青い春』の世界だ。
『魔法使いの青い春』は、ファンタジー世界の学園を舞台にしたラブコメで、セディ・アーレントというかわいいが落ちこぼれの生徒と、生徒会長もしている優等生の美形キャラ、ジュリアン・ソユールがお互い恋に落ち、すったもんだの両片想い期間を経て、結ばれるという物語だ。脇役キャラたちも魅力的で、作画も美しく、エッチなシーンも結構あって、俺はこの漫画が大好きだった。
そう、俺は腐男子だった。
男と男の友情を超えたイチャイチャが見たい!
かく言う俺は、転生した今の名はリリス・シェリー。記憶にあるような、ないような名前だ。めちゃくちゃ脇役中の脇役だったのだろう。
だが、顔面は整っている。さすがBLの世界、登場人物は美形ばかり。
鏡を見れば、年齢より少し幼めな愛らしい顔が、ピンク色のサラサラの髪を揺らしてこちらを見返してくる。
さすがファンタジーコミックの世界、ピンク色の髪は地毛だし、瞳は淡い紫だ。
まあ、それは置いておいて、俺はセディと同じクラスだし、せっかくだから軽く友人ポジションでもゲットして、ジュリアンとの恋の行方を覗き…見守りたい!
でも…ただ…気になることがあるのだ。
一つは、セディとジュリアンの他にもカップルがたくさんいること!
ある時、俺が移動教室で廊下を歩いていると、甲高い声、くぐもった声、何か怪しげな声が聞こえて空き教室を覗き込むと、二人の生徒が盛っているところだった…!!
美少年二人が机の上で絡み合って、とても気持ちよさそうにまぐわっている。
俺は興奮して思わずかぶりつきで覗いてしまった。
な、なんという…素晴らしい光景…!
恥じらいに頬を染めながらも、相手に身を委ね快感にピクッピクッ…と反応する受けちゃんに、余裕がなさそうなのに、相手を気遣い、だけどやっぱり若い欲望を抑えきれず、額に汗を浮かべ一生懸命に腰をピストンさせる攻めくん…!!
二人はアナルとペニスで繋がり快感に翻弄されながら、時々、口づけを交わし見つめ合う。
これこれ…こういうのがみたかったんだよ~~!!!!
俺は聞き耳を立てた。
「あ…っ♡あ…っ♡マックス…すごい…♡ボクたち…こんなことしちゃうなんて…あ…っ♡だ…め…♡気持ち…よくて…頭、ぼーっと、しちゃ…う…」
「好きだ…ずっと好きだった…!思いが果たせて…今、とても幸せだ…!!ああ、カイン…カイン!カイン…!カイン…!」
うーん。名前の連呼…実にいいですね~。しみじみしていると、二人は絶頂に近づいた。
「あ…っ♡あ…っ♡マックス…マックス…♡あん♡イキ…そう…♡ああ…っ♡ああ…っ♡」
「一緒に…一緒にイこう…っ♡ああ、カイン…ああ、ああああ~~~~っっ!!!!」
「んっ♡くぅんっ♡ああああ~~~~…ン♡♡♡♡」
仲良く同時にフィニッシュ…いいねえ…。
果てたあと、二人は乱れた呼吸の中、口づけ合って余韻を楽しんでいる。
「ほう……♡」
いいものを見せてもらった。その時は俺はただ眼福だったと満足したのだが…。
それ以降も、学校や寮のあちこちで、そんな光景を目にすることになったのだ。
座学の授業中の教室の中でさえ、さすがに合体はしないが、机の下に潜って、攻めくんのおティンティンをしゃぶる受けちゃんなんかもいるのだ。
そんな漫画ではなかったような…。
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