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19 その夜
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チョーカーについては保留となり、誓約の更新と宝玉による診察ののち、二人は別れた。
誓約の効果か、それともフェンの護衛が影から守ってくれているのか、ベレクトは無事にアパートまで帰る事が出来た。
その後も、穏やかに時間が過ぎていくが、嵐の前の静けさでない事を祈るばかりだ。
「Ωは奇蹟を使えるのか?」
「一応、過去に数件の事例はある。奇蹟を使う宝玉の器官は名残としてΩもあるけど、無理と思った方が良いぞ。身体が耐えられなくて足の骨が真っ二つに折れたり、制御効かなくて腕が吹っ飛んだって本に書かれていた」
「事例は存在するのか。興味深いな。その本の題名と作者名教えてくれ」
「いいけど、外殻の図書館にその本あったかな……」
「探すだけ、探してみたいんだ」
「わかった」
週に一度会い、昼食を摂り、誓約の更新と神力量の診察、そして何気ない会話をする。今日で3回目となり、2人の中で日常の枠組みになりつつある。
フェンの計画も、ベレクトが耳にした未遂の悪事も、どちらも長い時間が必要なので焦りは禁物だ。お互いにそれを理解しているので、何か目ぼしい情報が入って来ない限り話題にはしない。
いま問題があるとすれば、それはベレクトの発情期だ。フェンの持って来た神鉱石の宝玉に映し出される星の瞬きは、体内の神力の量はかなり増えているのを示している。
「発情期の間だけでも、俺の護衛を周囲に配置しておこうか?」
「そこまでしなくて良い。そろそろ来るだろうと思って、この3日間は休みにして貰っているんだ。発情期中は、薬を飲んで部屋で大人しく過ごすから、大丈夫だ」
抑制剤によって発情期の媚香を抑えられても、身体の倦怠感は抜けきらない。仕事に支障が出かねないので、ベレクトはいつも時期になると休みを取って、アパートの自分の部屋に籠っている。
「それなら良いけど……世の中、何かあるか分からないから気を付けるんだぞ」
「あぁ、気を付けるよ」
今日は話し込まずに2人は早めに別れた。
足早に山を降りるとベレクトは、図書館で本を軽く探し、3日分の買い物をしたのち、アパートへと戻った。周囲を警戒しながら中へと入り、鍵を掛けたか何度も確認し、窓の戸締りを行った後にカーテンを広げておき、発情期に備える。
予め抑制剤を服用したが、効き目が薄れ始めた時に発情期が来る可能性もあるので、油断は出来ない。
ベレクトは夕食に鶏とトマトのシチュー、パンを食べ、静かに本を読んで過ごした。
穏やかなに今日が終わるはずだった。
夜が深くなり、読書を止めたベレクトは燭台の灯りを持って、ベッドへと移動した。灯りをチェストの上に置いた時、玄関扉に取り付けられた金属製のドアノックが打ち付けられる。
眠気が歩み寄っていたベレクトだったが、一気に意識が覚醒し、警戒の色を強める。
すぐに反応はせずに玄関扉を注視していると、もう一度ドアノックが打ち付けられる。
「ベレクト。いるんだろ?」
嫌でも覚えている声が、扉越しに聞こえて来た。イースだ。
こんな時間に何の用だ。どうして、ここが分かった。訊きたくなる気持ちと恐怖をぐっと抑え、ベレクトは音を立てないように、玄関扉の前に椅子や壺などの重いものを置いて行く。
「頼む。開けてくれ」
今のベレクトに逃げ場はなく、助けを呼ぼうにも多くの人が眠りについている時間帯だ。
たとえ友人関係があったとしても、扉を安易に開ける事なんて出来るはずが無い。
「時間が無いんだ。早くしないと、大変なことになる」
言動に反して、声に焦りが見られない。
イースは何度かドアノックを打ち付けたのち、玄関扉のドアノブに手を掛け、回そうとする。しかし鍵が掛かっているので、途中で止まり、ガチャガチャと音を立てるだけだ。
ベレクトは無反応を突き通す。下手に刺激を与えられない。
大丈夫、大丈夫、と警鐘が鳴り響く頭と激しく打ち付ける心臓に言い聞かせる。呼吸が上手く出来ずに噎せ返りそうになるが、必死に抑えようと布を噛む。
「起きているんだろ!? さっさと開けろよ!」
やがて限界に達したのか、ドンと大きな音が鳴る程に扉を力一杯にイースは殴った。
「眠いのを我慢して、わざわざ俺が来てやったんだぞ!」
とうとう痺れを切らしたイースは声を上げ、扉を叩き、ドアノブを激しく回す。
「下手に出れば調子に乗りやがって。言うこと聞けよ。おばさんもおまえの事が心配で必死に探していたんだぞ。おまえの我儘に、皆が振り回されているんだ。さっさと大人になれよ」
やはり母は協力者になっていた。おそらくは、以前会った時に残っていた媚香から、発情期を予測されてしまったのだろう。そして、町の中を密かに捜索し、アパートを特定した。
イースは確実な情報を元に、わざと目撃者が少なくなる夜を狙ってやって来た。
最悪だ。いったい自分が何をしたと言うんだ。
叩く音が激しくなり、蹴りまで加わったのか大きな衝撃に玄関扉が揺れる。部屋の角で座り込むベレクトは布を噛み、耳を両手で抑えながら必死で耐え続ける。
「こんな扉は、奇蹟を使えば一瞬で燃やせるんだぞ! アパートの管理人に申し訳ないと思わないのか!?」
全部おまえが原因だと、責任を押し付け洗脳のようにイースは言い続ける。
しかし、
「おにーさん。ちょっと良いかな?」
知らない男性の声がイースに聞こえて来た。
「あ、あんたら、なんですか」
「俺達は、神殿の要請を受けて周囲を見回っているんだ」
慌てるイースに対して、その声の主は冷静で穏やかな口調のまま説明をする。
「最近きな臭い事件が発生してね。その調査を兼ねて、夜の見回りを強化しているんだ」
「そ、そうですか。ご苦労様です」
「君はこの部屋の住民と、どういう関係なのかな?」
「そ、それは……」
その〈事件〉に関連せずとも、交際や交友の縺れで殺人や暴行の事件は定期的に発生している。全てを聞いていなくとも、寝静まった夜だからこそ、あの剣幕なイースの声音とドアを殴る音は良く響き、男性の耳に届いている。
「近くに詰め所があるから、そこで聞こうか。一緒に来てくれるね?」
「はい……」
誤魔化しなんてきくはずが無い。イースは直ぐに観念をした。
複数の足音が玄関扉の近くで止まり、そして移動を始め、遠ざかっていく。
静かな夜が戻るかと思ったが、再び足音が近づいて来る。
見回りの男性が、こちらに声掛けをしに戻って来たのだろうか。ベレクトは玄関扉に近付き、聞き耳を立てる。
「ベレクト。大丈夫? 間に合った?」
扉越しに不安そうだが、どこまでも優しい声。
フェンだ。
肩だけでなく、足の力が抜け、ベレクトは座り込んだ。
「えーと……ハイかイイエで応えられそう?」
「……少しだけ、待ってくれ」
心配そうなフェンへ応えようと、ようやく絞り出した声は震えていた。
誓約の効果か、それともフェンの護衛が影から守ってくれているのか、ベレクトは無事にアパートまで帰る事が出来た。
その後も、穏やかに時間が過ぎていくが、嵐の前の静けさでない事を祈るばかりだ。
「Ωは奇蹟を使えるのか?」
「一応、過去に数件の事例はある。奇蹟を使う宝玉の器官は名残としてΩもあるけど、無理と思った方が良いぞ。身体が耐えられなくて足の骨が真っ二つに折れたり、制御効かなくて腕が吹っ飛んだって本に書かれていた」
「事例は存在するのか。興味深いな。その本の題名と作者名教えてくれ」
「いいけど、外殻の図書館にその本あったかな……」
「探すだけ、探してみたいんだ」
「わかった」
週に一度会い、昼食を摂り、誓約の更新と神力量の診察、そして何気ない会話をする。今日で3回目となり、2人の中で日常の枠組みになりつつある。
フェンの計画も、ベレクトが耳にした未遂の悪事も、どちらも長い時間が必要なので焦りは禁物だ。お互いにそれを理解しているので、何か目ぼしい情報が入って来ない限り話題にはしない。
いま問題があるとすれば、それはベレクトの発情期だ。フェンの持って来た神鉱石の宝玉に映し出される星の瞬きは、体内の神力の量はかなり増えているのを示している。
「発情期の間だけでも、俺の護衛を周囲に配置しておこうか?」
「そこまでしなくて良い。そろそろ来るだろうと思って、この3日間は休みにして貰っているんだ。発情期中は、薬を飲んで部屋で大人しく過ごすから、大丈夫だ」
抑制剤によって発情期の媚香を抑えられても、身体の倦怠感は抜けきらない。仕事に支障が出かねないので、ベレクトはいつも時期になると休みを取って、アパートの自分の部屋に籠っている。
「それなら良いけど……世の中、何かあるか分からないから気を付けるんだぞ」
「あぁ、気を付けるよ」
今日は話し込まずに2人は早めに別れた。
足早に山を降りるとベレクトは、図書館で本を軽く探し、3日分の買い物をしたのち、アパートへと戻った。周囲を警戒しながら中へと入り、鍵を掛けたか何度も確認し、窓の戸締りを行った後にカーテンを広げておき、発情期に備える。
予め抑制剤を服用したが、効き目が薄れ始めた時に発情期が来る可能性もあるので、油断は出来ない。
ベレクトは夕食に鶏とトマトのシチュー、パンを食べ、静かに本を読んで過ごした。
穏やかなに今日が終わるはずだった。
夜が深くなり、読書を止めたベレクトは燭台の灯りを持って、ベッドへと移動した。灯りをチェストの上に置いた時、玄関扉に取り付けられた金属製のドアノックが打ち付けられる。
眠気が歩み寄っていたベレクトだったが、一気に意識が覚醒し、警戒の色を強める。
すぐに反応はせずに玄関扉を注視していると、もう一度ドアノックが打ち付けられる。
「ベレクト。いるんだろ?」
嫌でも覚えている声が、扉越しに聞こえて来た。イースだ。
こんな時間に何の用だ。どうして、ここが分かった。訊きたくなる気持ちと恐怖をぐっと抑え、ベレクトは音を立てないように、玄関扉の前に椅子や壺などの重いものを置いて行く。
「頼む。開けてくれ」
今のベレクトに逃げ場はなく、助けを呼ぼうにも多くの人が眠りについている時間帯だ。
たとえ友人関係があったとしても、扉を安易に開ける事なんて出来るはずが無い。
「時間が無いんだ。早くしないと、大変なことになる」
言動に反して、声に焦りが見られない。
イースは何度かドアノックを打ち付けたのち、玄関扉のドアノブに手を掛け、回そうとする。しかし鍵が掛かっているので、途中で止まり、ガチャガチャと音を立てるだけだ。
ベレクトは無反応を突き通す。下手に刺激を与えられない。
大丈夫、大丈夫、と警鐘が鳴り響く頭と激しく打ち付ける心臓に言い聞かせる。呼吸が上手く出来ずに噎せ返りそうになるが、必死に抑えようと布を噛む。
「起きているんだろ!? さっさと開けろよ!」
やがて限界に達したのか、ドンと大きな音が鳴る程に扉を力一杯にイースは殴った。
「眠いのを我慢して、わざわざ俺が来てやったんだぞ!」
とうとう痺れを切らしたイースは声を上げ、扉を叩き、ドアノブを激しく回す。
「下手に出れば調子に乗りやがって。言うこと聞けよ。おばさんもおまえの事が心配で必死に探していたんだぞ。おまえの我儘に、皆が振り回されているんだ。さっさと大人になれよ」
やはり母は協力者になっていた。おそらくは、以前会った時に残っていた媚香から、発情期を予測されてしまったのだろう。そして、町の中を密かに捜索し、アパートを特定した。
イースは確実な情報を元に、わざと目撃者が少なくなる夜を狙ってやって来た。
最悪だ。いったい自分が何をしたと言うんだ。
叩く音が激しくなり、蹴りまで加わったのか大きな衝撃に玄関扉が揺れる。部屋の角で座り込むベレクトは布を噛み、耳を両手で抑えながら必死で耐え続ける。
「こんな扉は、奇蹟を使えば一瞬で燃やせるんだぞ! アパートの管理人に申し訳ないと思わないのか!?」
全部おまえが原因だと、責任を押し付け洗脳のようにイースは言い続ける。
しかし、
「おにーさん。ちょっと良いかな?」
知らない男性の声がイースに聞こえて来た。
「あ、あんたら、なんですか」
「俺達は、神殿の要請を受けて周囲を見回っているんだ」
慌てるイースに対して、その声の主は冷静で穏やかな口調のまま説明をする。
「最近きな臭い事件が発生してね。その調査を兼ねて、夜の見回りを強化しているんだ」
「そ、そうですか。ご苦労様です」
「君はこの部屋の住民と、どういう関係なのかな?」
「そ、それは……」
その〈事件〉に関連せずとも、交際や交友の縺れで殺人や暴行の事件は定期的に発生している。全てを聞いていなくとも、寝静まった夜だからこそ、あの剣幕なイースの声音とドアを殴る音は良く響き、男性の耳に届いている。
「近くに詰め所があるから、そこで聞こうか。一緒に来てくれるね?」
「はい……」
誤魔化しなんてきくはずが無い。イースは直ぐに観念をした。
複数の足音が玄関扉の近くで止まり、そして移動を始め、遠ざかっていく。
静かな夜が戻るかと思ったが、再び足音が近づいて来る。
見回りの男性が、こちらに声掛けをしに戻って来たのだろうか。ベレクトは玄関扉に近付き、聞き耳を立てる。
「ベレクト。大丈夫? 間に合った?」
扉越しに不安そうだが、どこまでも優しい声。
フェンだ。
肩だけでなく、足の力が抜け、ベレクトは座り込んだ。
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