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番外編 ウルゲンチ戦ーーモンゴル崩し
第19話 モンゴル軍の動き6
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人物紹介
モンゴル側
チンギス・カン:モンゴル帝国の君主
ジョチ:チンギスと正妻ボルテの間の長子。
チャアダイ:同上の第2子
オゴデイ:同上の第3子
ボオルチュ:チンギス筆頭の家臣。アルラト氏族。四駿(馬)の一人。
トルン・チェルビ:チンギスの側近。コンゴタン氏族。本作では3部71話『サマルカンド戦4』以来、久々の登場である。スイケトゥ・チェルビの兄である。コンゴタン氏族については、1部30話『問責の使者3』に少し説明しております。
人物紹介終了
トルン・チェルビは軍議を開くとのことで城外へ呼ばれた。副官に拠点を任せて、自らは百人隊に護衛され、戦続きの疲れ切った体にムチ打って、そこを離れた。我が帰るまでは守りに徹し、決して打って出るなと命じて。
鳥の声を聞きながら、トルンは駒を進めた。声の主を求めてその方を見やるが、姿は見えぬ。目を戻したトルンに一際大きな天幕とそのぐるりに立つ物物しい姿の護衛兵たちが見えた。
近付いたところでボオルチュの配下に迎えられた。軍議の開かれておるはずのその中に入って、トルンは不在に気付き、想わず問うた。
「ジョチ大ノヤンは参加されぬのですか」
しばし誰も答えなかった。何ゆえか、自らの問いが緊張をもたらしたようにさえ感じられた。
やがて「あの腰抜けは戦う気がないのよ」と雰囲気の微妙な変化など意に介する必要もないとばかりに押し被せたは、やはりチャアダイであった。
「ジョチ大ノヤンは和平を主張されており、そのゆえを以て、こたびの攻めには参加されぬ」
とボオルチュが少しはましな説明を付け加えた。
「トルンよ。我が大将だから。よろしく頼むぞ」とチャアダイ。
チャアダイ大ノヤンが。大丈夫か。トルンはそう想ったが、それを口に出す訳には行かぬ。
積み重ねたフェルトの上に並んで座る二人の王子は、まるで長年連れ添った如くの仲むつまじき様をかもし出しておった。もちろんその場合、夫は厳めしき顔を決して崩さぬチャアダイ、妻は穏やかな表情を常にたたえるオゴデイとなる。トルンはこの二人を見る度、その連想を抱かざるを得なかった。
その二人の右斜め前に立つボオルチュが説明を始めたので、慌ててその救いようのない連想を頭から締め出した。
作戦開始は四日後の夜明けとすること。チャアダイ部隊が北城と南城の間にかかる橋を占拠すること。それを果たした後、そこから南城への突入を敢行すること。オゴデイ部隊は南城の残りの三門を囲み、敵部隊の出撃を許さぬこと。
北城においては未だ頑強に抵抗する本丸をボオルチュの部隊が攻囲し、その出撃を止めること。
オゴデイ部隊とボオルチュ部隊の目的は、北門より突入するチャアダイ部隊の後方を守り、敵の挟撃を防ぐこと。
作戦の大要は以上であった。トルン自身はボオルチュに従い、北城本丸の攻囲に加わることを命じられた。
「まずは本丸を攻め落とすべきではありませんか。それを果たせぬまま、南城へ突撃を試みることは余りに危険です」
居並ぶ隊長の中から進み出てひざまずき、そう訴えるトルンに対し、
「我がそう決めたのだ。我の策が間違っておると言いたいのか。それとも怖じ気付いたか。そうならば、戦に加わらなくとも良いぞ。あのジョチの如くに」
そう言われては、トルンも押し黙らざるを得なかった。
軍議の終わった後、トルンは本丸攻囲の詳細を詰めるため、ボオルチュと個別の軍議を持った。その場にはやはりボオルチュに従うようチンギスの命を受けてウルゲンチ攻めに加わったスニト氏族のカダアンらも残っておった。
「それでボオルチュ・ノヤンは納得されておるのですか」
とトルンは問わざるを得なかった。
「我もそなたと同じ意見であり、それを度々訴えたのだが、どうしてもチャアダイ大ノヤンは納得されぬ。それにこたびは一層強攻に固執されておるようだ。ここで大きな軍功を上げて、ジョチ大ノヤンの鼻を開かしたい。己が正しくジョチ大ノヤンが間違っておると証明してみせたいと想っておられるのではないか」
「そのようなことのために、兵を危険にさらすのですか。ならば、もう一度説得を試みるべきではありませんか」
「いや、聞き入れてはもらえまい。それは今回の軍議でそなたも分かったろう。聞く耳持たずとはあのことであり、従わせられるのはカンのみだ」
「ならば、オゴデイ大ノヤンから兄を説き伏せるべくお頼みはできないのですか」
「うむ。あの方は和を重んじる方だ。兄上がそう望むならば、我に反対する気はないとの仰せであった」
「しかし・・・・・・」
「我らがしっかりと本丸を押さえれば良いことだ。そうであれば南城への侵攻を図っても、退路は確保されておる」
それからトルンはボオルチュやカダアンらと共に、北城本丸に対していかに攻囲陣を張れば出撃軍を完全に押さえられるか、その策を練り上げに入った。得られた情報全てを集約した地図を前にしてのことであった。できうる限り意識を集中すべく努めた。しかし心中に次々と湧きいずる不満と疑問は如何ともしがたかった。
モンゴル側
チンギス・カン:モンゴル帝国の君主
ジョチ:チンギスと正妻ボルテの間の長子。
チャアダイ:同上の第2子
オゴデイ:同上の第3子
ボオルチュ:チンギス筆頭の家臣。アルラト氏族。四駿(馬)の一人。
トルン・チェルビ:チンギスの側近。コンゴタン氏族。本作では3部71話『サマルカンド戦4』以来、久々の登場である。スイケトゥ・チェルビの兄である。コンゴタン氏族については、1部30話『問責の使者3』に少し説明しております。
人物紹介終了
トルン・チェルビは軍議を開くとのことで城外へ呼ばれた。副官に拠点を任せて、自らは百人隊に護衛され、戦続きの疲れ切った体にムチ打って、そこを離れた。我が帰るまでは守りに徹し、決して打って出るなと命じて。
鳥の声を聞きながら、トルンは駒を進めた。声の主を求めてその方を見やるが、姿は見えぬ。目を戻したトルンに一際大きな天幕とそのぐるりに立つ物物しい姿の護衛兵たちが見えた。
近付いたところでボオルチュの配下に迎えられた。軍議の開かれておるはずのその中に入って、トルンは不在に気付き、想わず問うた。
「ジョチ大ノヤンは参加されぬのですか」
しばし誰も答えなかった。何ゆえか、自らの問いが緊張をもたらしたようにさえ感じられた。
やがて「あの腰抜けは戦う気がないのよ」と雰囲気の微妙な変化など意に介する必要もないとばかりに押し被せたは、やはりチャアダイであった。
「ジョチ大ノヤンは和平を主張されており、そのゆえを以て、こたびの攻めには参加されぬ」
とボオルチュが少しはましな説明を付け加えた。
「トルンよ。我が大将だから。よろしく頼むぞ」とチャアダイ。
チャアダイ大ノヤンが。大丈夫か。トルンはそう想ったが、それを口に出す訳には行かぬ。
積み重ねたフェルトの上に並んで座る二人の王子は、まるで長年連れ添った如くの仲むつまじき様をかもし出しておった。もちろんその場合、夫は厳めしき顔を決して崩さぬチャアダイ、妻は穏やかな表情を常にたたえるオゴデイとなる。トルンはこの二人を見る度、その連想を抱かざるを得なかった。
その二人の右斜め前に立つボオルチュが説明を始めたので、慌ててその救いようのない連想を頭から締め出した。
作戦開始は四日後の夜明けとすること。チャアダイ部隊が北城と南城の間にかかる橋を占拠すること。それを果たした後、そこから南城への突入を敢行すること。オゴデイ部隊は南城の残りの三門を囲み、敵部隊の出撃を許さぬこと。
北城においては未だ頑強に抵抗する本丸をボオルチュの部隊が攻囲し、その出撃を止めること。
オゴデイ部隊とボオルチュ部隊の目的は、北門より突入するチャアダイ部隊の後方を守り、敵の挟撃を防ぐこと。
作戦の大要は以上であった。トルン自身はボオルチュに従い、北城本丸の攻囲に加わることを命じられた。
「まずは本丸を攻め落とすべきではありませんか。それを果たせぬまま、南城へ突撃を試みることは余りに危険です」
居並ぶ隊長の中から進み出てひざまずき、そう訴えるトルンに対し、
「我がそう決めたのだ。我の策が間違っておると言いたいのか。それとも怖じ気付いたか。そうならば、戦に加わらなくとも良いぞ。あのジョチの如くに」
そう言われては、トルンも押し黙らざるを得なかった。
軍議の終わった後、トルンは本丸攻囲の詳細を詰めるため、ボオルチュと個別の軍議を持った。その場にはやはりボオルチュに従うようチンギスの命を受けてウルゲンチ攻めに加わったスニト氏族のカダアンらも残っておった。
「それでボオルチュ・ノヤンは納得されておるのですか」
とトルンは問わざるを得なかった。
「我もそなたと同じ意見であり、それを度々訴えたのだが、どうしてもチャアダイ大ノヤンは納得されぬ。それにこたびは一層強攻に固執されておるようだ。ここで大きな軍功を上げて、ジョチ大ノヤンの鼻を開かしたい。己が正しくジョチ大ノヤンが間違っておると証明してみせたいと想っておられるのではないか」
「そのようなことのために、兵を危険にさらすのですか。ならば、もう一度説得を試みるべきではありませんか」
「いや、聞き入れてはもらえまい。それは今回の軍議でそなたも分かったろう。聞く耳持たずとはあのことであり、従わせられるのはカンのみだ」
「ならば、オゴデイ大ノヤンから兄を説き伏せるべくお頼みはできないのですか」
「うむ。あの方は和を重んじる方だ。兄上がそう望むならば、我に反対する気はないとの仰せであった」
「しかし・・・・・・」
「我らがしっかりと本丸を押さえれば良いことだ。そうであれば南城への侵攻を図っても、退路は確保されておる」
それからトルンはボオルチュやカダアンらと共に、北城本丸に対していかに攻囲陣を張れば出撃軍を完全に押さえられるか、その策を練り上げに入った。得られた情報全てを集約した地図を前にしてのことであった。できうる限り意識を集中すべく努めた。しかし心中に次々と湧きいずる不満と疑問は如何ともしがたかった。
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