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第3部 仇(あだ)
4:オトラル戦1
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人物紹介
ホラズム側
イナルチュク・カン:オトラルの城主。カンクリ勢。
人物紹介終了
イナルチュクは遂にモンゴル軍が城門前に現れたと聞き、急いで城壁の上に駆けつけた。
黒のトクをかかげた騎馬に先導させて、派手な甲冑姿の騎馬武者が城門へと近付いて来るのが見えた。
それから、その者が大音声を発した。
「我らの使者と隊商の惨殺の罪を問い、それを罰するために、これよりのちチンギス・カンが六百の千人隊を率いて来る。
イナルチュクとその一族には死を、
オトラルには滅びを賜ることになる。」
朗々とその声はオトラルの空に響き渡った。
イナルチュクはそれを聞き、憤激のあまり自ら強弓を引き絞ると、その声の主に狙いを定め、矢を放った。
そして、その矢は頭を狙ったものであったが。
さすがにこの距離では狙い違わずとは行かず、あらぬところに落ちた。
間を置かず、二の矢を放つ。
多少は近付いたとはいえ、風が吹いておることもあり、やはり当たるにはほど遠い。
それでも、その者が慌てて馬首を返し、自隊に戻るのが見えた。
その後すぐさまイナルチュクは精鋭の一隊を放つ。
城門が開け放たれ、騎馬軍が出撃すると、敵は闘うこともなく逃げ散った。
ホラズム側
イナルチュク・カン:オトラルの城主。カンクリ勢。
人物紹介終了
イナルチュクは遂にモンゴル軍が城門前に現れたと聞き、急いで城壁の上に駆けつけた。
黒のトクをかかげた騎馬に先導させて、派手な甲冑姿の騎馬武者が城門へと近付いて来るのが見えた。
それから、その者が大音声を発した。
「我らの使者と隊商の惨殺の罪を問い、それを罰するために、これよりのちチンギス・カンが六百の千人隊を率いて来る。
イナルチュクとその一族には死を、
オトラルには滅びを賜ることになる。」
朗々とその声はオトラルの空に響き渡った。
イナルチュクはそれを聞き、憤激のあまり自ら強弓を引き絞ると、その声の主に狙いを定め、矢を放った。
そして、その矢は頭を狙ったものであったが。
さすがにこの距離では狙い違わずとは行かず、あらぬところに落ちた。
間を置かず、二の矢を放つ。
多少は近付いたとはいえ、風が吹いておることもあり、やはり当たるにはほど遠い。
それでも、その者が慌てて馬首を返し、自隊に戻るのが見えた。
その後すぐさまイナルチュクは精鋭の一隊を放つ。
城門が開け放たれ、騎馬軍が出撃すると、敵は闘うこともなく逃げ散った。
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