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第20話 聞いてないんだけど5
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やがて後方より軽やかな足音が聞こえる。すると、皇帝がひざまずき、平伏するのが見えた。そんな相手は太皇太后様お一人である。
「官家は憶えておるか。私の言葉を。内助の功を有する賢后を得るは、細事にあらざると」
「忘れるはずもございませぬ」
「官家は、まさに、今日、その人を得た」
「娘娘のもたらしてくれた類い希なる僥倖に他なりませぬ」
その後、帝とともに、皇太后様(前帝神宗の正妻)、皇太妃様(神宗の妃であり哲宗の実母)さらには妃たちから、祝いの言葉をかけられた。
そして私は帝に付き従い、東上閤門に赴く。そこで外臣百官から、祝ってもらった。
その後、やはり帝とともに、太皇太后様を筆頭とする妃たちと昼の食事を取り、また夕には更に親王たちを加えた宴が開かれた。
いずれも太皇太后様が気を利かしてくださり、疲れておろうから早く下がって良いと言われ、その言葉に甘え、素直に従った。
そして、夜、内侍の方が迎えに来た。そのかかげる提灯を頼りに福寧殿への通廊を進む。望月(陰暦16日)の照らす庭の方が明るい。ただ、私が進まなければならないのは、人が造った屋根ゆえに暗いところである。
私は膝の震えを感じざるを得なかった。
「官家は憶えておるか。私の言葉を。内助の功を有する賢后を得るは、細事にあらざると」
「忘れるはずもございませぬ」
「官家は、まさに、今日、その人を得た」
「娘娘のもたらしてくれた類い希なる僥倖に他なりませぬ」
その後、帝とともに、皇太后様(前帝神宗の正妻)、皇太妃様(神宗の妃であり哲宗の実母)さらには妃たちから、祝いの言葉をかけられた。
そして私は帝に付き従い、東上閤門に赴く。そこで外臣百官から、祝ってもらった。
その後、やはり帝とともに、太皇太后様を筆頭とする妃たちと昼の食事を取り、また夕には更に親王たちを加えた宴が開かれた。
いずれも太皇太后様が気を利かしてくださり、疲れておろうから早く下がって良いと言われ、その言葉に甘え、素直に従った。
そして、夜、内侍の方が迎えに来た。そのかかげる提灯を頼りに福寧殿への通廊を進む。望月(陰暦16日)の照らす庭の方が明るい。ただ、私が進まなければならないのは、人が造った屋根ゆえに暗いところである。
私は膝の震えを感じざるを得なかった。
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