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第二章
五人、揃う
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「ただいま、グレイブリッジ」
昼過ぎ、カスミと累はグレイブリッジに戻ってきた。空は曇っていて、昨日までの強い日差しはない。
「あの袈裟野郎に出会わなくてよかったぜ」
二人は商店街を歩く。
「ウタさん、どこにいるんでしょう」
「生きてればいいけどな」
「ルイちゃん、相変わらずお口が悪いわね」
二人の背後から、舞が声をかけた。
「誰ですか?」
「舞さん、ビックリするじゃないか」
「ごめんね。想像よりも可愛い女の子だったから、興奮しちゃったのよ」
舞はカスミの頭を撫でる。
「あの、誰なんですか?」
「あらあら、アタシの自己紹介がまだね。アタシは舞よ。顔に蝶のタトゥーが入ってるから舞。よろしくね」
何一つ飲み込めていないカスミ。
「こいつは、闇医者だよ」
「こんなところで大きな声で言わないでよ」
「どうして、そんなにボタン開けてるのですか」
「アタシのファッションよ。この子、堂々としているわね」
「一応、優しい人だと判定されたみたいじゃん。よかったな」
「あら、嬉しい」
両手の指を絡めるように握り、胸の前に持ってきて、喜ぶ舞。
「二人とも、ついてきてらっしゃい。会いたい人に会わせてあげる」
舞に連れられ、二人は唄と張のいる地下の部屋へ続く階段の上までやってきた。
「この下に二人がいるのか?」
「そうよ」
不敵な笑みを浮かべる舞。
「本当に大丈夫ですか?」
「こいつは、怪しいやつだけど悪いやつではないからな。たぶん大丈夫なんだけど。なにかの悪ふざけかもしれないから」
「大丈夫よ。さあさあ」
舞に押され、警戒しながら下に降りていく累とカスミ。渡された鍵でドアを開ける。
「舞さん……? 累じゃないですか」
「ウタ、無事だったか。暗殺者も一緒なのか」
「ウタさん、久しぶりです。その子が、ルイさんの言ってた暗殺者さんですか?」
「カスミさん、なぜ一緒に?」
唄の隣に舞、累の隣にカスミが座る形で、五人はソファに腰を掛けて話している。それぞれここまでの経緯を話しあった。
「カスミさん、危険な目に合わせてしまって本当にすいません」
「そんなこと、謝らないでくださいよ。そもそも、無理に用心棒を頼んだのは私なのですから。それにこの着物のこともありますし、私自身に関係あるのかもしれませんから」
「まあ、何にせよみんなが無事でよかったわね。カスミちゃんのお母さんのことは残念だったけど。誰もまだ殺されていなくてよかったわ」
舞は、会話に混ざるわけでもなく一人ではしゃいでいる。
「問題なのは、これからどうするかだな。二人の『楊さん』が本当に同一人物なのかを調べる必要がある。そして、袈裟野郎もいつ襲ってくるかわからないから警戒しなければいけない」
「あなたは、どうしたいの?」
舞が夢恵に声をかける。
「父と母の復讐」
「そうだったわね」
「はっきりと言って、オレはそいつのことを信頼はできないが、かといってどうするのかと聞かれてもわからない」
「私はモンファちゃんを信じるわ。私たち、同じくらいの年よね?よろしくね」
夢恵はコクりと頷くだけ。
「もう、中華の地に行ったらどう?」
舞が、全員の注目を集めるため、音を立てて両手を合わせる。
「皆が賛成してくれるみたいなノリで言ってるけど、あのおばさんが中華の地にいるとは限らないだろ」
累は相変わらず、煙をふかしている。
「あの人に会える一番早い方法は確かに、中華の地にいくことかもしれません。しかし、僕はその前に一つ仕事を片付けなければいけないです」
唄は巾着を持ち上げた。
「お前、この期に及んで仕事するつもりなのか?その依頼人がお前を殺そうとしてるかもしれないんだぞ」
「依頼人は関係ないです。楊さんは仲介人です。それに、この仕事を片付ければ二週間の休暇があります」
「暗殺者って休暇あるのですか?」
カスミは目を見開いている。
「ありますよ」
「そうなんですか。でも、その傷は大丈夫なんですか」
カスミの目線の先には、包帯で巻かれた唄の胴体がある。
「心配してくださるのですね。ありがとうございます。でも、傷が浅かったようですので大丈夫です。仕事は三日後ですし」
カスミが目線を挙げると、唄は穏やかな顔をしている。目があってしまって、あわてて目線をそらすカスミ。
その様子を累と舞は面白おかしくみていた。
「アタシ、そこの二人でくっついちゃってると思ってたわ」
累とカスミを交互に指しながら笑う舞。
その真意を理解したカスミは顔を下に向けた。
「ところで、ウタちゃんの次の目標はどこにいるの?」
「ウォータービレッジです」
「あら、少し遠いわね。でもここと中華の地とちょうど中間辺りかしら?」
ウォータービレッジとは、大きな噴水が有名な水の都である。
「あの華やかなところですか?」
カスミがまた、顔を挙げる。
「行ったことあるのですか?」
「小さい頃にお父さんとお母さんと列車にのって行きました。何したか、とかは覚えていないんですけど。きれいだった記憶だけあります」
「ウタちゃんがそこに行くとなれば、みんな行くのかしら?」
順々に四人の顔を見回す舞。
「わたしは、行きたいです。ここで離れたらまた勝手に消えてしまうかもしれないし」
カスミは横目で累を見た。
「カスミちゃんが行くとしたら、オレも行かなきゃならないな。叔父さんに守るって約束しちゃってるからな」
「ウタ、逃がさない」
敵意を少し含んだ目で、夢恵は唄をにらむ。
「理由はどうであれ、みんな行くつもりなのね。ウタちゃんはそれでいいわよね?」
「バラバラになるのも、よくないでしょうから。全員で行くことがある意味安全かもしれませんね。大人数は少し苦手ですが、かと言ってまだ信用しきれない人物もいますから」
唄は誰かを見ることなく、視線をごまかした。その先には不気味な舞のコレクションが並んでいる。
「そうとなったら、みんなの分の列車の座席を確保しないといけないわね」
不意に立ち上がって、一人ずつ指差して数えていく舞。
「ウタちゃん、指定されている列車は?」
唄は巾着から小さな紙切れを取り出して確認する。
「明日の朝九時から、この北部にあるグレイブリッジ駅から横断鉄道を使って、ウォータービレッジ駅まで行きます。僕の座席はAa4です」
横断鉄道とは、洋の地から中華の地までまっすぐに走る世界最大の鉄道である。端から端までの走行時間は十五時間ぐらい。グレイブリッジ駅からウォータービレッジ駅までは六時間ほどで行ける。
座席は、先頭の大文字のアルファベットが前から何両目かを表している。そして小文字は列車の走行方向に向かって右から何列目かを、数字は各両において前から何番目かを表す。唄の場合は、1両目のウォータービレッジ駅に向かって右から一番目の列の前から四番目の座席である。
「わかったわ。アタシを任せなさい。早速、知り合いに頼んでくるわ。今晩までには手に入ると思うわよ」
舞は自信満々である。
「そんなに簡単に取れるものなんですか?」
「普通は取れないわよ。アタシの力で何とかするのよ。それじゃあ、行ってくるわ。好きにくつろいでいてね」
舞は唇に右手を当てて、その手を四人に向かって放り投げるように開いた。所謂、投げキッスだ。そして、部屋を出ていった。
「変わった人ですね。でも悪い人じゃ無さそう」
「カスミちゃん、やっぱり本当は誰でも信じちゃうんじゃないのか?」
累は唄の隣に移動した。
「違いますよ。あの笠被った人は怖い人ですもん」
「あんな、いきなり矢飛ばしてくるやつをいいやつだって言い始めたら、もう手遅れだろが」
累の口から吐かれた煙が唄の方へと流れていく。それを扇子で防ぐ唄。
「すまんな、唄。この中華ガールと対面で座ってみたくて。もしあれだったらそっち移動すれば?」
累が指すのはカスミのとなり。
「大丈夫ですよ。ルイの煙には慣れていますから」
ルイの計画はこの一言でつぶれた。夢恵はただ二人を睨み続けている。
「このタイミングで聞いていいことかわからないのですが、「楊さん」って方は二人にとってどういう方なんです?」
カスミは姿勢を改めていた。触れて良いことなのか、カスミにはあまりわからなかったのだ。
「そうですね。カスミさんには一から話した方がいいですよね。記憶のあるところから始めましょうか」
唄はゆっくりと目を閉じ、またゆっくりと開いた。一呼吸して、息を整える。
外は薄暗く、雨の降る音が聞こえてくる。
昼過ぎ、カスミと累はグレイブリッジに戻ってきた。空は曇っていて、昨日までの強い日差しはない。
「あの袈裟野郎に出会わなくてよかったぜ」
二人は商店街を歩く。
「ウタさん、どこにいるんでしょう」
「生きてればいいけどな」
「ルイちゃん、相変わらずお口が悪いわね」
二人の背後から、舞が声をかけた。
「誰ですか?」
「舞さん、ビックリするじゃないか」
「ごめんね。想像よりも可愛い女の子だったから、興奮しちゃったのよ」
舞はカスミの頭を撫でる。
「あの、誰なんですか?」
「あらあら、アタシの自己紹介がまだね。アタシは舞よ。顔に蝶のタトゥーが入ってるから舞。よろしくね」
何一つ飲み込めていないカスミ。
「こいつは、闇医者だよ」
「こんなところで大きな声で言わないでよ」
「どうして、そんなにボタン開けてるのですか」
「アタシのファッションよ。この子、堂々としているわね」
「一応、優しい人だと判定されたみたいじゃん。よかったな」
「あら、嬉しい」
両手の指を絡めるように握り、胸の前に持ってきて、喜ぶ舞。
「二人とも、ついてきてらっしゃい。会いたい人に会わせてあげる」
舞に連れられ、二人は唄と張のいる地下の部屋へ続く階段の上までやってきた。
「この下に二人がいるのか?」
「そうよ」
不敵な笑みを浮かべる舞。
「本当に大丈夫ですか?」
「こいつは、怪しいやつだけど悪いやつではないからな。たぶん大丈夫なんだけど。なにかの悪ふざけかもしれないから」
「大丈夫よ。さあさあ」
舞に押され、警戒しながら下に降りていく累とカスミ。渡された鍵でドアを開ける。
「舞さん……? 累じゃないですか」
「ウタ、無事だったか。暗殺者も一緒なのか」
「ウタさん、久しぶりです。その子が、ルイさんの言ってた暗殺者さんですか?」
「カスミさん、なぜ一緒に?」
唄の隣に舞、累の隣にカスミが座る形で、五人はソファに腰を掛けて話している。それぞれここまでの経緯を話しあった。
「カスミさん、危険な目に合わせてしまって本当にすいません」
「そんなこと、謝らないでくださいよ。そもそも、無理に用心棒を頼んだのは私なのですから。それにこの着物のこともありますし、私自身に関係あるのかもしれませんから」
「まあ、何にせよみんなが無事でよかったわね。カスミちゃんのお母さんのことは残念だったけど。誰もまだ殺されていなくてよかったわ」
舞は、会話に混ざるわけでもなく一人ではしゃいでいる。
「問題なのは、これからどうするかだな。二人の『楊さん』が本当に同一人物なのかを調べる必要がある。そして、袈裟野郎もいつ襲ってくるかわからないから警戒しなければいけない」
「あなたは、どうしたいの?」
舞が夢恵に声をかける。
「父と母の復讐」
「そうだったわね」
「はっきりと言って、オレはそいつのことを信頼はできないが、かといってどうするのかと聞かれてもわからない」
「私はモンファちゃんを信じるわ。私たち、同じくらいの年よね?よろしくね」
夢恵はコクりと頷くだけ。
「もう、中華の地に行ったらどう?」
舞が、全員の注目を集めるため、音を立てて両手を合わせる。
「皆が賛成してくれるみたいなノリで言ってるけど、あのおばさんが中華の地にいるとは限らないだろ」
累は相変わらず、煙をふかしている。
「あの人に会える一番早い方法は確かに、中華の地にいくことかもしれません。しかし、僕はその前に一つ仕事を片付けなければいけないです」
唄は巾着を持ち上げた。
「お前、この期に及んで仕事するつもりなのか?その依頼人がお前を殺そうとしてるかもしれないんだぞ」
「依頼人は関係ないです。楊さんは仲介人です。それに、この仕事を片付ければ二週間の休暇があります」
「暗殺者って休暇あるのですか?」
カスミは目を見開いている。
「ありますよ」
「そうなんですか。でも、その傷は大丈夫なんですか」
カスミの目線の先には、包帯で巻かれた唄の胴体がある。
「心配してくださるのですね。ありがとうございます。でも、傷が浅かったようですので大丈夫です。仕事は三日後ですし」
カスミが目線を挙げると、唄は穏やかな顔をしている。目があってしまって、あわてて目線をそらすカスミ。
その様子を累と舞は面白おかしくみていた。
「アタシ、そこの二人でくっついちゃってると思ってたわ」
累とカスミを交互に指しながら笑う舞。
その真意を理解したカスミは顔を下に向けた。
「ところで、ウタちゃんの次の目標はどこにいるの?」
「ウォータービレッジです」
「あら、少し遠いわね。でもここと中華の地とちょうど中間辺りかしら?」
ウォータービレッジとは、大きな噴水が有名な水の都である。
「あの華やかなところですか?」
カスミがまた、顔を挙げる。
「行ったことあるのですか?」
「小さい頃にお父さんとお母さんと列車にのって行きました。何したか、とかは覚えていないんですけど。きれいだった記憶だけあります」
「ウタちゃんがそこに行くとなれば、みんな行くのかしら?」
順々に四人の顔を見回す舞。
「わたしは、行きたいです。ここで離れたらまた勝手に消えてしまうかもしれないし」
カスミは横目で累を見た。
「カスミちゃんが行くとしたら、オレも行かなきゃならないな。叔父さんに守るって約束しちゃってるからな」
「ウタ、逃がさない」
敵意を少し含んだ目で、夢恵は唄をにらむ。
「理由はどうであれ、みんな行くつもりなのね。ウタちゃんはそれでいいわよね?」
「バラバラになるのも、よくないでしょうから。全員で行くことがある意味安全かもしれませんね。大人数は少し苦手ですが、かと言ってまだ信用しきれない人物もいますから」
唄は誰かを見ることなく、視線をごまかした。その先には不気味な舞のコレクションが並んでいる。
「そうとなったら、みんなの分の列車の座席を確保しないといけないわね」
不意に立ち上がって、一人ずつ指差して数えていく舞。
「ウタちゃん、指定されている列車は?」
唄は巾着から小さな紙切れを取り出して確認する。
「明日の朝九時から、この北部にあるグレイブリッジ駅から横断鉄道を使って、ウォータービレッジ駅まで行きます。僕の座席はAa4です」
横断鉄道とは、洋の地から中華の地までまっすぐに走る世界最大の鉄道である。端から端までの走行時間は十五時間ぐらい。グレイブリッジ駅からウォータービレッジ駅までは六時間ほどで行ける。
座席は、先頭の大文字のアルファベットが前から何両目かを表している。そして小文字は列車の走行方向に向かって右から何列目かを、数字は各両において前から何番目かを表す。唄の場合は、1両目のウォータービレッジ駅に向かって右から一番目の列の前から四番目の座席である。
「わかったわ。アタシを任せなさい。早速、知り合いに頼んでくるわ。今晩までには手に入ると思うわよ」
舞は自信満々である。
「そんなに簡単に取れるものなんですか?」
「普通は取れないわよ。アタシの力で何とかするのよ。それじゃあ、行ってくるわ。好きにくつろいでいてね」
舞は唇に右手を当てて、その手を四人に向かって放り投げるように開いた。所謂、投げキッスだ。そして、部屋を出ていった。
「変わった人ですね。でも悪い人じゃ無さそう」
「カスミちゃん、やっぱり本当は誰でも信じちゃうんじゃないのか?」
累は唄の隣に移動した。
「違いますよ。あの笠被った人は怖い人ですもん」
「あんな、いきなり矢飛ばしてくるやつをいいやつだって言い始めたら、もう手遅れだろが」
累の口から吐かれた煙が唄の方へと流れていく。それを扇子で防ぐ唄。
「すまんな、唄。この中華ガールと対面で座ってみたくて。もしあれだったらそっち移動すれば?」
累が指すのはカスミのとなり。
「大丈夫ですよ。ルイの煙には慣れていますから」
ルイの計画はこの一言でつぶれた。夢恵はただ二人を睨み続けている。
「このタイミングで聞いていいことかわからないのですが、「楊さん」って方は二人にとってどういう方なんです?」
カスミは姿勢を改めていた。触れて良いことなのか、カスミにはあまりわからなかったのだ。
「そうですね。カスミさんには一から話した方がいいですよね。記憶のあるところから始めましょうか」
唄はゆっくりと目を閉じ、またゆっくりと開いた。一呼吸して、息を整える。
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