女子高生占い師の事件簿

凪子

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【5】イベントチャート

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加奈子は優秀だ。

利発でよく気が回るし、大勢を人間をまとめる才能を持っている。

だからといって、手のかかる生徒の面倒を優秀な生徒に見させるのは、教師側の職務怠慢だと思えた。

「加奈ちゃんは先生と生徒の間で板ばさみになってるのね。大変でしょう」

「いや、板ばさみっていうか、私はどっちにも関わりたくないの。正直言うと、授業が進まなくったってどうでもいいし、傍観希望。でも、そういうわけにはいかないのよ、この状況じゃ。
その主犯格の奴に言ったりもするんだけどね、聞かなくって」

恵果は加奈子の勇気ある行動を褒めたたえた。

「すごいね。でも、そんなことしたら、加奈ちゃんだって気に食わないって思われて、いじめられたりするんじゃないの?」

「ああ、それはないよ。そういう奴じゃないの」

恵果は先ほどから、加奈子の言葉の端々に微妙なものを感じ取っていた。

「加奈ちゃん、その主犯格の子のことをかばいたいみたいね」

「え!?何で。別にかばってないよ」

加奈子は動揺を隠しきれないようだった。否定してはいるものの、目が泳いでいる。

「そりゃ、もともと私と一緒に学級委員やってたわけだし、それなりに助けてもくれたけど。でも、それだけだよ」

照れたようにぶつぶつ呟く加奈子を、恵果は微笑ましく見つめた。

そして、恐らく加奈子が欲しがっているであろう言葉を、用心深く選んで差し出した。

「占ってあげましょうか。その、主犯格の子のこと」
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