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【5】イベントチャート
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楽観的な律をひたと見据えて、亜子は首を振った。
「いいえ。私にはそうは思えない。……りっちゃん、気づいてます?最近、あの喫茶店を調べ回ってる人たちがいるのを」
穏やかならぬ話に、律は眉を寄せた。
亜子は続ける。
「興信所の人だと思います。怪しげな車が店の前にずっと停まってることもあるし。それに私、その人たちが恵果さんの写真を持ってるのを見ました。他の人に声をかけて、恵果さんのことを聞いてる。恵果さんを捜してるのよ」
どんどん勢いづいてくる亜子に、律は笑って言った。
「考えすぎだよ。大体、恵果を捜すって、何のためにだよ」
「本気で言ってるの?」
亜子はさらに意気込んで律に詰め寄り、声を潜めた。
「恵果さんの占いの力を利用するために決まってるじゃないですか」
言わずもがなのことを言わせるな、という顔をしている。
律は天を仰いだ。
「いいえ。私にはそうは思えない。……りっちゃん、気づいてます?最近、あの喫茶店を調べ回ってる人たちがいるのを」
穏やかならぬ話に、律は眉を寄せた。
亜子は続ける。
「興信所の人だと思います。怪しげな車が店の前にずっと停まってることもあるし。それに私、その人たちが恵果さんの写真を持ってるのを見ました。他の人に声をかけて、恵果さんのことを聞いてる。恵果さんを捜してるのよ」
どんどん勢いづいてくる亜子に、律は笑って言った。
「考えすぎだよ。大体、恵果を捜すって、何のためにだよ」
「本気で言ってるの?」
亜子はさらに意気込んで律に詰め寄り、声を潜めた。
「恵果さんの占いの力を利用するために決まってるじゃないですか」
言わずもがなのことを言わせるな、という顔をしている。
律は天を仰いだ。
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