女子高生占い師の事件簿

【１】ハーモニクス アストロジー

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二十一歳になって、初めて演劇の舞台に立った。

そのお芝居の仕事で、とんでもないへまをやらかして、上演をめちゃくちゃにしてしまったのだった。

舞台に上がった途端、頭が真っ白になり、今まで血のにじむほど練習してきた台詞を全て忘れた。

ファッションショーはもちろん、テレビの撮影でもあがったことのない美蘭にとって、初めての経験だった。

しどろもどろのまま立ち尽くし、何とかその場はベテランの俳優たちがフォローしてくれたが、劇は白けきったまま終幕。

次も、その次も、どんなに台詞を暗記しても結果は同じだった。

美蘭は、当然のことながら酷評され、途中で降板せざるを得なくなった。

見目よく明るい、美蘭より三つ年下の女優の卵が後釜についた。

彼女はその役で大成し、実力を世間に認められた。

美蘭は逆に、思い上がり女のレッテルを貼られ、仕事はあっという間になくなった。

今までちやほやしてきたマスコミが今度は悪口雑言を書きたて、責め、なじり、非難し、とうとう見向きもしなくなる。

ファンクラブは解散し、事務所の後輩にさえ憐れむような視線を送られた。

浴びせかけられた罵声と嘲笑。あの屈辱は、今でも忘れられない。