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【1】ハーモニクス アストロジー
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「……ねえ、美蘭さん?さっきのこと、何も聞かないんですね」
思い当たるのは、喫茶店での一件だけだった。
「ああ、あんたが占い師ってやつ?」
「占い師じゃなくて、占星術師」
「あ、そ。ま、どうでもいいけど」
恵果が一瞬、真顔になる。
「美蘭さん、私に占われてみません?だまされたと思って」
「は?」
「もちろん、お金は要らないですから」
その瞳にかすかな同情を嗅ぎとって、美蘭は屈辱に顔を歪めた。
「あんたが私を救おうってわけ?……馬鹿馬鹿しい。私はね、占いなんかこれっぽっちも信じてないの。悪いけど」
「そうですか」
恵果は案外あっさりと引き下がった。
美蘭は振り上げた拳の下ろす場所を見失って、しばらく中空に視線をさまよわせた。
なぜだか、後味が悪かった。
思い当たるのは、喫茶店での一件だけだった。
「ああ、あんたが占い師ってやつ?」
「占い師じゃなくて、占星術師」
「あ、そ。ま、どうでもいいけど」
恵果が一瞬、真顔になる。
「美蘭さん、私に占われてみません?だまされたと思って」
「は?」
「もちろん、お金は要らないですから」
その瞳にかすかな同情を嗅ぎとって、美蘭は屈辱に顔を歪めた。
「あんたが私を救おうってわけ?……馬鹿馬鹿しい。私はね、占いなんかこれっぽっちも信じてないの。悪いけど」
「そうですか」
恵果は案外あっさりと引き下がった。
美蘭は振り上げた拳の下ろす場所を見失って、しばらく中空に視線をさまよわせた。
なぜだか、後味が悪かった。
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