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【1】ハーモニクス アストロジー
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「じゃあ、ちょっとここで待っててくれます?私、用意してきます」
恵果がぱたぱたと足音を立てて去ると、その場で棒立ちしていた今井が、強い力で美蘭の二の腕をつかんできた。
「美蘭ちゃん、あの子と知り合いなの?」
伝票を持つ手が震え、さっきの話はどこかへ吹っ飛んでしまったかのような興奮ぶりである。
美蘭は怪訝な顔をした。
「あの子って、いまのウェイトレス?」
知り合いと言えなくもない。
だが美蘭自身、恵果のことは名前と年齢くらいしか知らない。
住んでいる場所を今日、初めて知ったくらいなのだから。
美蘭の言葉が聞こえているのかいないのか、今井は押し殺した声で早口に告げた。
「社長の付き添いで、あの子に会ったことがあるわ。あの子はね、業界じゃ知る人ぞ知る凄腕の占い師なのよ」
「……は?占い師?」
美蘭がすっとんきょうな声を上げたのも、無理もない話だった。
恵果がぱたぱたと足音を立てて去ると、その場で棒立ちしていた今井が、強い力で美蘭の二の腕をつかんできた。
「美蘭ちゃん、あの子と知り合いなの?」
伝票を持つ手が震え、さっきの話はどこかへ吹っ飛んでしまったかのような興奮ぶりである。
美蘭は怪訝な顔をした。
「あの子って、いまのウェイトレス?」
知り合いと言えなくもない。
だが美蘭自身、恵果のことは名前と年齢くらいしか知らない。
住んでいる場所を今日、初めて知ったくらいなのだから。
美蘭の言葉が聞こえているのかいないのか、今井は押し殺した声で早口に告げた。
「社長の付き添いで、あの子に会ったことがあるわ。あの子はね、業界じゃ知る人ぞ知る凄腕の占い師なのよ」
「……は?占い師?」
美蘭がすっとんきょうな声を上げたのも、無理もない話だった。
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