守護霊は吸血鬼❤

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「そんなぬるいこと言ってると、来年も控えのままだぜ？」

「言ったなコラ。とっとと退部しやがった野郎がよ！」

頭を押さえつけられ、髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜられ、聖ひじりは顔をしかめて抵抗する。

「やめろよ。半年以上も前のこと根に持ってんじゃねえよ」

思いきり突き飛ばしたのに、由宇ゆうはまだ余裕の笑みを浮かべていた。

力の差を感じて、ちょっと悔しい。

去年の九月、ある事情でバスケ部を辞めざるを得なくなった聖を引きとめ、誰よりも退部を惜しんでくれたのは由宇だった。

言葉こそ少なかったけれど、彼の優しさは、人とあまり深く関わることのなかった聖の心に響いた。

辞めてからも全く変わらぬ態度で接してくれ、クラスでも由宇の隣がいつしか聖の居場所となっていた。

気さくで快活な由宇は、クラスメイトの中心的存在だった。

彼のいるところには、いつも笑いと和やかな空気が満ち、誰もが一緒にいたいと思う。

事実、由宇は後輩や先輩を問わず、真剣な告白を受けることも多かった。

男子校なので、由宇本人は「俺、男にばっかりもててるな～」と複雑な顔をしていたが。