THE LAST WOLF

凪子

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【6日目】

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「じゃあ、麻生さんは誰が人狼だと思うんですか」

俺が尋ねると、

「桜庭のんさん、それに片岡啓作さん。お二人のラインははっきりしています」

「せやけど、それやと計算が合えへんぞ。俺らが人狼やったとすると、昨日歩を襲撃したっていうのも嘘で、のんが歩を守ったっていうのも嘘で、ほんならどうなるねん?」

「昨日、襲撃されたのは戸上さんで、戸上さんを騎士が守った。そう考えるほうが自然です」

片岡の突っ込みを、鮮やかに麻生雪妃は切り返した。

「ほんなら騎士は誰やねん?あんたか歩ってことになるで。この状況で、しかものんが騎士ってカミングアウトしてるのに、本物の騎士が黙ってるのはおかしいやろ」

「言っとくけど、私、本物だから」

桜庭のんが、やや苛立ったように言った。

「最初からずっと、占い師二人のことは守ってない。どっちも疑ってたからね。村人っぽい人をランダムで選んで守ってたの。なのに、いつまでたっても二人とも噛まれないから、これは二人とも偽なんじゃないかって思ったわけ」

信憑性のある言葉だった。

確かに、ここまで終盤になって占い師が生き残っているというのは、騎士が守っている以外に考えづらい。

そしてその騎士である桜庭のんが、『戸上明典を守っていなかった』と言っているのだ。

そうであれば、戸上明典の疑いはよりいっそう強くなる。

「ま、麻生ちゃんは戸上に白出しされてるからな。戸上をかばわんわけにいかんやろ」

俺は麻生雪妃の先ほどの表情を思い出していた。

困惑と、かすかな焦り。あれは、このことを意味していたのだろうか。

「どっちにしろ私、確実に今日の夜死ぬから。そしたら本物だって証明されるでしょ」

桜庭のんは背もたれにもたれかかって腕を伸ばし、それから不意に俺をじっと見つめた。

「迷わないでよ。雪妃が人狼だからね」

俺はごくりと唾を飲む。
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