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【4日目】
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「じゃ、私ですね」
隣の斎内紫帆が胸に手を当てて、
「私も日高さんがいいと思います。理由は先ほど片岡さんが述べてくださったのと、ほぼ同じです。少なくとも偽は確定してますし、人外は間違いないかなと」
「やけに、そこ結託するよね」
桜庭のんが抑揚のない声で言い、斎内紫帆と片岡啓作を指さした。
「日高さんに一人は黒出しされて一人は白出しされてるのに、意見が一緒っておかしくない?」
「言われてみればそうかも」
俺が相づちを打つと、片岡啓作が「ちゃうちゃう」と手を振った。
「別に結託しとるわけやないで。多分、両方村人なんやろ」
「ま、今ので俺の意見は完全に固まったな」
野村忠司はもったいぶった調子で、
「とりあえず、俺は片岡だな。小鳥遊も怪しいけど」
「おい待てやおっさん。俺の話ちゃんと聞いてたか?」
片岡啓作が食ってかかるが、
「時間ないよ。次、小鳥遊さん」
桜庭のんに強引に促され、俺は迷いつつも口を開いた。
「でも俺も、日高さんかなと。何となくですけど」
「私は戸上さん」
桜庭のんは明るくはっきりと断言した。
「え?!」
俺はぎょっとして彼女のほうを見た。
隣にいる麻生雪妃も、桜庭のんのほうを凝視している。
「戸上さん?どうして?」
斎内紫帆が不思議そうに尋ねた。
「堂々としすぎてるから」
抽象的な言い回しに俺は眉を寄せた。
隣の斎内紫帆が胸に手を当てて、
「私も日高さんがいいと思います。理由は先ほど片岡さんが述べてくださったのと、ほぼ同じです。少なくとも偽は確定してますし、人外は間違いないかなと」
「やけに、そこ結託するよね」
桜庭のんが抑揚のない声で言い、斎内紫帆と片岡啓作を指さした。
「日高さんに一人は黒出しされて一人は白出しされてるのに、意見が一緒っておかしくない?」
「言われてみればそうかも」
俺が相づちを打つと、片岡啓作が「ちゃうちゃう」と手を振った。
「別に結託しとるわけやないで。多分、両方村人なんやろ」
「ま、今ので俺の意見は完全に固まったな」
野村忠司はもったいぶった調子で、
「とりあえず、俺は片岡だな。小鳥遊も怪しいけど」
「おい待てやおっさん。俺の話ちゃんと聞いてたか?」
片岡啓作が食ってかかるが、
「時間ないよ。次、小鳥遊さん」
桜庭のんに強引に促され、俺は迷いつつも口を開いた。
「でも俺も、日高さんかなと。何となくですけど」
「私は戸上さん」
桜庭のんは明るくはっきりと断言した。
「え?!」
俺はぎょっとして彼女のほうを見た。
隣にいる麻生雪妃も、桜庭のんのほうを凝視している。
「戸上さん?どうして?」
斎内紫帆が不思議そうに尋ねた。
「堂々としすぎてるから」
抽象的な言い回しに俺は眉を寄せた。
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