ＴＨＥ ＬＡＳＴ ＷＯＬＦ

【１日目】

23

とにかく俺は村人だった。

ぴかぴかの、まっさらの、真っ白の村人。

嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

『あなたは村人です。あなたの夜のターンは、これで終了です。プレーヤー全員が夜の行動を終え、二日目の朝になるのを待ってください』

機械の声がそう言うと、端末たんまつの画面は俺のプロフィールを表示した状態で固定された。

名前と年齢、顔写真が映っている。

ＢＢＷ支給のこのタブレット端末はバニシングナイトにのみ利用され、外部との連絡はできないということだった。

今ごろ他のプレーヤーも、自分の役職を確認しているころだろう。

「……絶対勝ってやる」

俺は今度は口に出してつぶやいた。言霊ことだまの力を借りて、現実を後押ししてもらうために。

どんなプレーヤーたちと、どんなゲームが行われるんだろう。

どきどきしながら目を閉じて待つ。期待なんて言葉より、ずっと神聖で切実な気持ちで。

――そして長い夜は終わりを告げ、運命の朝がやってきた。