THE LAST WOLF

凪子

文字の大きさ
上 下
22 / 121
【1日目】

20

しおりを挟む
分かっていたことだ。このゲームは命のかかったゲーム。

生き残れば五億円、敗者は死。どちらかしかない。引き分けはあり得ない。

心臓の鼓動が、耳元で鐘のように鳴り響いている。

画面には、【バニシングナイトのルールを読み、内容を全て理解されましたか?】と表示があり、【YES】【NO】のボタンがある。

イエスをタップすると、次に【ルールを守って行動し、ルール違反の場合はその場で射殺されることを理解されましたか?】と表示があり、また【YES】【NO】だ。

まどろっこしい思いで俺はイエスをタップした。

この状況でノーを選択したらどうなるのか興味はあるけど、ゲーム開始前に射殺されるのは勘弁願いたい。

それに、そろそろ長い説明に飽きて、早くゲームを始めたくもなっていた。

小鳥遊歩たかなし・あゆむさん』

機械の声が語りかけてきたので、俺は思わず「はい」と上を向いて返事した。

『これからあなたに役職を授けます。心の準備ができたら、端末の画面にあるスタートボタンを押し、自分の役職を確認してください』

端末の画面を見ると、中央に大きく赤い丸いボタンがあった。

書いてある文字は【GAME START】。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

護国の鳥

凪子
ファンタジー
異世界×士官学校×サスペンス!! サイクロイド士官学校はエスペラント帝国北西にある、国内最高峰の名門校である。 周囲を海に囲われた孤島を学び舎とするのは、十五歳の選りすぐりの少年達だった。 首席の問題児と呼ばれる美貌の少年ルート、天真爛漫で無邪気な子供フィン、軽薄で余裕綽々のレッド、大貴族の令息ユリシス。 同じ班に編成された彼らは、教官のルベリエや医務官のラグランジュ達と共に、士官候補生としての苛酷な訓練生活を送っていた。 外の世界から厳重に隔離され、治外法権下に置かれているサイクロイドでは、生徒の死すら明るみに出ることはない。 ある日同級生の突然死を目の当たりにし、ユリシスは不審を抱く。 校内に潜む闇と秘められた事実に近づいた四人は、否応なしに事件に巻き込まれていく……!

ガールズ!ナイトデューティー

高城蓉理
ライト文芸
【第三回アルファポリスライト文芸大賞奨励賞を頂きました。ありがとうございました】 ■夜に働く女子たちの、焦れキュンお仕事ラブコメ! 夜行性アラサー仲良し女子四人組が毎日眠い目を擦りながら、恋に仕事に大奮闘するお話です。 ■第二部(旧 延長戦っっ)以降は大人向けの会話が増えますので、ご注意下さい。 ●神寺 朱美(28)   ペンネームは、神宮寺アケミ。 隔週少女誌キャンディ専属の漫画家で、画力は折り紙つき。夜型生活。 現在執筆中の漫画のタイトルは【恋するリセエンヌ】 水面下でアニメ制作話が進んでいる人気作品を執筆。いつも担当編集者吉岡に叱られながら、苦手なネームを考えている。 ●山辺 息吹(28)   某都市水道局 漏水修繕管理課に勤務する技術職公務員。国立大卒のリケジョ。 幹線道路で漏水が起きる度に、夜間工事に立ち会うため夜勤が多い。 ●御堂 茜 (27)   関東放送のアナウンサー。 紆余曲折あり現在は同じ建物内の関東放送ラジオ部の深夜レギュラーに出向中。 某有名大学の元ミスキャン。才女。 ●遠藤 桜 (30) 某有名チェーン ファミレスの副店長。 ニックネームは、桜ねぇ(さくねぇ)。 若い頃は房総方面でレディースの総長的役割を果たしていたが、あることをきっかけに脱退。 その後上京。ファミレスチェーンのアルバイトから副店長に上り詰めた努力家。 ※一部を小説家になろうにも投稿してます ※illustration 鈴木真澄先生@ma_suzuki_mnyt

便箋小町

藤 光一
ライト文芸
この世には、俄かには信じ難いものも存在している。 妖怪、悪魔、都市伝説・・・。 それらを総じて、人々は“オカルト”と呼んでいるが、 そう呼ばない者達も居る。 時に、便箋小町という店を知っているだろうか。 今で云うところの運び屋であるのだが、ただの配達業者ではない。 高校卒業後、十九歳になった垂イサムは、 この便箋小町に入社して3ヶ月になる新入社員。 ただの人間である彼は、飛川コマチ率いるこの店で 俄かには信じ難い不思議な物語の道を歩む事となる。

全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。 遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。 本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。 優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。

小さな悪魔

萩尾雅縁
ライト文芸
 小さな悪魔は人間になりたいと思っていました。  手を繋いでにこにこと歩いている親子や、お互いの瞳を見つめ合っている恋人同士がとても幸せそうに見えたからです。  小さな悪魔はいつも一人ぼっちでした。彼は悪魔なので、みんなから恐れられていました。誰も彼と仲良くしてはくれません。だから、人間になって人間の仲間に入りたいと思ったのです。 読み切り短編連載の予定です。

陸のくじら侍 -元禄の竜-

陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた…… 

私と継母の極めて平凡な日常

当麻月菜
ライト文芸
ある日突然、父が再婚した。そして再婚後、たった三ヶ月で失踪した。 残されたのは私、橋坂由依(高校二年生)と、継母の琴子さん(32歳のキャリアウーマン)の二人。 「ああ、この人も出て行くんだろうな。私にどれだけ自分が不幸かをぶちまけて」 そう思って覚悟もしたけれど、彼女は出て行かなかった。 そうして始まった継母と私の二人だけの日々は、とても淡々としていながら酷く穏やかで、極めて平凡なものでした。 ※他のサイトにも重複投稿しています。

【完結】雨上がり、後悔を抱く

私雨
ライト文芸
 夏休みの最終週、海外から日本へ帰国した田仲雄己(たなか ゆうき)。彼は雨之島(あまのじま)という離島に住んでいる。  雄己を真っ先に出迎えてくれたのは彼の幼馴染、山口夏海(やまぐち なつみ)だった。彼女が確実におかしくなっていることに、誰も気づいていない。  雨之島では、とある迷信が昔から吹聴されている。それは、雨に濡れたら狂ってしまうということ。  『信じる』彼と『信じない』彼女――  果たして、誰が正しいのだろうか……?  これは、『しなかったこと』を後悔する人たちの切ない物語。

処理中です...