リエゾン~川辺のカフェで、ほっこりしていきませんか~ 【第8回ライト文芸大賞 奨励賞受賞】

凪子

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秋の夕闇

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放っておくしかない、というのが京介の意見だった。

「留置されてるわけじゃないよ。健から電話があって、とりあえず解放されたって話だったから」

「だからって、放っておいていいんですか」

桜が食い下がると、京介は目を細める。

「……意外だな」

じっと見つめられ、桜はぎくりと身を引いた。

「何がですか」

「桜が健坊をそんなに心配するなんて」

「別に、そういうわけじゃありません。でも」

「でも?」

桜は膝の上で両手を握りしめる。

「私が松田さんだったら、もうここへは戻れないと思います。これ以上、迷惑をかけたくないから。
だったら、こっちから連れ戻すしかないんじゃないかと思って」

「ま、そのとおりかもな」

京介は両手を頭の後ろに回し、のんびりと椅子にもたれかかる。

「じゃあ桜が行ってくれる?」

「居場所が分かるんですか」

「女のところだろ、多分」

あっさりと言われた言葉に、なぜか胸が軋んで、桜は眉根を寄せる。

「……分かりました。教えてください、私が行きます」

「言っとくけど、俺の予想だからね。当てが外れるかもしれないよ」

と言って、京介はいくつかの住所を桜のスマホに送った。

「ありがとうございます」

桜の覚悟のこもった面持ちに、京介は感心したように言った。

「本気なんだな」

「はい」

なぜかは分からない。けれど、今この機会を逃したら、もう永遠に会えなくなってしまう気がする。

嫌な人だと思っていた。意地悪だし鬱陶しいし、いなくなってしまえと思ったこともあった。

でも今、自分でも信じられないほど強い思いが沸き起こり、決意は熱く桜を突き動かしていた。

「私たちは三人でリエゾンを続けてきました。これからも三人で続けていきたいんです」

桜が言うと、京介は軽く目をみはり、それからとても嬉しそうな顔で微笑んだ。

「そうだな。……俺も本当にそう思うよ」



























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