護国の鳥

凪子

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春の章

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レッドが「おやおや」と悪辣あくらつな笑みを浮かべたとき、

「待ってよ、ルート」

二人の視界を横切ったのは、肩をそびやかして歩くルートと、それを追いかけるフィンの姿だった。

「せっかく同じ部屋になったんだから、仲よくしようよ」

ちょこまかと周りをうろつくフィンを無視し、ルートは乱暴に自室の扉を閉める。

どうやら二人の相部屋は、ユリシスとレッドの隣のようだった。

「よう、おチビ」

レッドは長い腕をフィンの首に回すと、はがいじめにする格好で引き寄せた。

「さっきは面白いもんを見せてくれたじゃねえの、え?馬鹿は怖いもの知らずでいいな」

「レッド!いい加減にしないか」

ユリシスは強い口調で叱りつけると、すぐに二人を引き離した。
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