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いつもみたいにユリウスを呼んで、寝るまで手を握っていてもらうわけにはいかない。
ユリウスも明日、クイーンズ家を去る。
お父様が彼の意思を尊重し、辞職を認めたからだ。
あのタイミングでアレックスの死の知らせが入ったから、私の気持ちを言うことはできなかった。
でも、それは言い訳で、本当は部屋に戻るタイミングでもよかったし、今だってチャンスはあるということは知っている。
主治医として引き留めず、彼と一緒にいたいなら、残る選択肢は1つしかない。
私がユリウスと結婚することだ。
ユリウスも多分、それを分かっている。
だからこそ、ああして宣言することで、あえて退路を断ったのだ。
一言、言えばいいのだ。私もユリウスが好きだと。
だって、それが本当の気持ちなんだから。
普通なら公爵令嬢と子爵は身分的に結婚できないけど――お父様はきっと認めてくれる。
婚約破棄のいざこざがあった後から気持ちが芽生え始めて、ユリウスが南部から戻ってきたときには、私なりに『好き』を自覚していた。
でも自分の感覚に自信が持てなくて、今の心地のいい関係を変えるのが怖くて……結局、何もしなかった。
「仕方ないよ……」
誰もいない部屋の中で、キングサイズのベッドに寝転がりながら呟く。
だって、私は喪女だもん。今まで誰とも付き合ったことがないんだもん。自信ないもん。
それに、アレックスのときのように、また裏切られたらどうするの?
あのときはユリウスがいたから、血反吐を吐くほどの地獄から何とか立ち直ることができた。
それでも、もう二度と、あんな苦しい思いはしたくない。それぐらい辛かった。
ユリウスに裏切られたら、きっと、それどころの傷ではすまない。
だって、好きの度合いが違う。それに、助けてくれる人もいない。
きっと……正気を失うか、死を選ぶか、二つに一つしかないっていう気がする。
メンヘラでごめん。でも、それが本音だ。
そんな怖い賭けをする勇気、私にはないよ……。
だったら諦めて、このままユリウスを想って一生独身でいたほうが、まだいい。
実ることのない恋は、失うこともないのだから。
ユリウスも明日、クイーンズ家を去る。
お父様が彼の意思を尊重し、辞職を認めたからだ。
あのタイミングでアレックスの死の知らせが入ったから、私の気持ちを言うことはできなかった。
でも、それは言い訳で、本当は部屋に戻るタイミングでもよかったし、今だってチャンスはあるということは知っている。
主治医として引き留めず、彼と一緒にいたいなら、残る選択肢は1つしかない。
私がユリウスと結婚することだ。
ユリウスも多分、それを分かっている。
だからこそ、ああして宣言することで、あえて退路を断ったのだ。
一言、言えばいいのだ。私もユリウスが好きだと。
だって、それが本当の気持ちなんだから。
普通なら公爵令嬢と子爵は身分的に結婚できないけど――お父様はきっと認めてくれる。
婚約破棄のいざこざがあった後から気持ちが芽生え始めて、ユリウスが南部から戻ってきたときには、私なりに『好き』を自覚していた。
でも自分の感覚に自信が持てなくて、今の心地のいい関係を変えるのが怖くて……結局、何もしなかった。
「仕方ないよ……」
誰もいない部屋の中で、キングサイズのベッドに寝転がりながら呟く。
だって、私は喪女だもん。今まで誰とも付き合ったことがないんだもん。自信ないもん。
それに、アレックスのときのように、また裏切られたらどうするの?
あのときはユリウスがいたから、血反吐を吐くほどの地獄から何とか立ち直ることができた。
それでも、もう二度と、あんな苦しい思いはしたくない。それぐらい辛かった。
ユリウスに裏切られたら、きっと、それどころの傷ではすまない。
だって、好きの度合いが違う。それに、助けてくれる人もいない。
きっと……正気を失うか、死を選ぶか、二つに一つしかないっていう気がする。
メンヘラでごめん。でも、それが本音だ。
そんな怖い賭けをする勇気、私にはないよ……。
だったら諦めて、このままユリウスを想って一生独身でいたほうが、まだいい。
実ることのない恋は、失うこともないのだから。
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