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「ローラ!!!!!会いたかったわ!!!!」
翌日、学校に行くと、制服姿のマリーが長い銀髪をなびかせて私にタックル……もとい熱い抱擁をしてきた。
「ぐはっ!お、おはよう、マリー。相変わらず全力ね」
「あら、ごめんなさい。私としたことが、つい愛が溢れちゃって」
テセオニア王立学院は、貴族のみが通っている名門学校だ。
平民の方も入れるんだけど、何せ入学料や授業日がバカ高いので、なかなか手が届かないレベルでもある。
それに学ぶことも、高校から大学ぐらいに学ぶような難易度の高い内容が多くて、どちらかというと教養に近い。
この世界だと子供は大体親の後を継ぐことが多いから、お家が商売をしていたり、農業をしている子たちは、市民学校を卒業すると、そのまま親の手伝いをして仕事につくことが多い。
お金にならない勉強ができる私たちは、とても贅沢ってこと。ありがたいよね。
「元気にしてた?もっとよく顔を見せて」
「い、いひゃい……」
ほっぺたを両手ではさまれ、思いっきり顔を近づけられる。相変わらず迫力のある美人だ。
私は両手をとって握りしめると、少し声を落として言った。
「しばらくうちに遊びに来てくれるのよね。お父様やお母様はいいっておっしゃってた?」
「ええ、もちろんよ。この機会にお前もローラ様を見習って、立派な令嬢になりなさいって。何ヶ月でも行ってきていって言ってたわ」
「いや、多分1週間ぐらいだと思うけどね」
と答えながらも、私は周囲から思いっきり視線が注がれているのを感じていた。
そりゃあそうよね。学校に来るのは久しぶりだもん。
「ごきげんよう、ローラ様」
「ごきげんよう」
後輩の少女たちがお辞儀をしていく姿は可憐で、私は手を振ったりにっこり微笑んだりして忙しかった。
テセオニア王立学院は、広大な敷地の中にお城があって、その中に教室や運動場や食堂がある。
とりあえず、私たちは噴水のある前庭から教室に向かうことにした。
翌日、学校に行くと、制服姿のマリーが長い銀髪をなびかせて私にタックル……もとい熱い抱擁をしてきた。
「ぐはっ!お、おはよう、マリー。相変わらず全力ね」
「あら、ごめんなさい。私としたことが、つい愛が溢れちゃって」
テセオニア王立学院は、貴族のみが通っている名門学校だ。
平民の方も入れるんだけど、何せ入学料や授業日がバカ高いので、なかなか手が届かないレベルでもある。
それに学ぶことも、高校から大学ぐらいに学ぶような難易度の高い内容が多くて、どちらかというと教養に近い。
この世界だと子供は大体親の後を継ぐことが多いから、お家が商売をしていたり、農業をしている子たちは、市民学校を卒業すると、そのまま親の手伝いをして仕事につくことが多い。
お金にならない勉強ができる私たちは、とても贅沢ってこと。ありがたいよね。
「元気にしてた?もっとよく顔を見せて」
「い、いひゃい……」
ほっぺたを両手ではさまれ、思いっきり顔を近づけられる。相変わらず迫力のある美人だ。
私は両手をとって握りしめると、少し声を落として言った。
「しばらくうちに遊びに来てくれるのよね。お父様やお母様はいいっておっしゃってた?」
「ええ、もちろんよ。この機会にお前もローラ様を見習って、立派な令嬢になりなさいって。何ヶ月でも行ってきていって言ってたわ」
「いや、多分1週間ぐらいだと思うけどね」
と答えながらも、私は周囲から思いっきり視線が注がれているのを感じていた。
そりゃあそうよね。学校に来るのは久しぶりだもん。
「ごきげんよう、ローラ様」
「ごきげんよう」
後輩の少女たちがお辞儀をしていく姿は可憐で、私は手を振ったりにっこり微笑んだりして忙しかった。
テセオニア王立学院は、広大な敷地の中にお城があって、その中に教室や運動場や食堂がある。
とりあえず、私たちは噴水のある前庭から教室に向かうことにした。
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