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その後、お父様はナイト家に対し、一連の件について正式な抗議文と絶縁状を送った。
相手からは、それに対して長い手紙が来たり、使者が送られてきたりしたけれど、一切受け付けなかった。
今までクイーンズ家が、どれぐらいナイト家に金銭的援助やアドバイスをしていたかは分からない。
ナイト家の領地はクイーンズ家の四分の一程度だし、産業もこれといって盛んなものがないから、技術者の養成や交換留学も盛んだったと思うけど、そういったことも今後はなくなるのだろう。
「今ごろになって、どれほどクイーンズ家の力を借りていたか分かったんでしょうね。使者の方が毎日青ざめた顔でやってきますよ」
窓の外を見下ろして、ユリウスは淡々と言う。
まあ、仕方ないよね……。婚約破棄を言い出したのは相手のほうなんだし。
「今日の晩餐会なんだけど、アンナも来るのかな?」
黒のイブニングドレスに着替えた私は、鏡の前で服装を確認した。
体の線が出るマーメイドタイプのドレスで、髪も結い上げていて、我ながらちょっと色っぽい。
「いらっしゃるんじゃないですか?結婚式は三日後で、形式上はまだクイーンズ家の方ですから」
「そうだよね……」
「気が進みませんか」
「さすがに気まずいよね。アンナも私に会いたくないだろうし」
「俺は、どの面下げてくるんだろうと思って楽しみですけどね」
「……ははは」
真顔で言われると、冗談なのか本気なのか判断しづらいものがある。
「結婚式のときみたいに、強く反対しないんだね」
「あなたは何を言っても行くときは行く方だと学びましたので。俺は、何があってもそばにいるだけです」
今日のユリウスはタキシード姿で、髪もオールバックにまとめている。
晩餐会など、夕方以降に行われるイベントは、正装を求められるからだ。
「ナサニエル殿下のお話、どうされるかお決めになったんですか?」
「ん……まだ迷ってる」
私は呟いた。
王子と結婚間近なんて噂が流れて、結局結婚しませんでした……となると、また今回みたいな婚約破棄騒動が起こって、噂の渦中に投げ込まれる。
さすがに、もう二度とこんな思いはしたくない。
「ローラ様!」
ばたばたと足音が響き、ノックとほぼ同時にドアが開いた。
相手からは、それに対して長い手紙が来たり、使者が送られてきたりしたけれど、一切受け付けなかった。
今までクイーンズ家が、どれぐらいナイト家に金銭的援助やアドバイスをしていたかは分からない。
ナイト家の領地はクイーンズ家の四分の一程度だし、産業もこれといって盛んなものがないから、技術者の養成や交換留学も盛んだったと思うけど、そういったことも今後はなくなるのだろう。
「今ごろになって、どれほどクイーンズ家の力を借りていたか分かったんでしょうね。使者の方が毎日青ざめた顔でやってきますよ」
窓の外を見下ろして、ユリウスは淡々と言う。
まあ、仕方ないよね……。婚約破棄を言い出したのは相手のほうなんだし。
「今日の晩餐会なんだけど、アンナも来るのかな?」
黒のイブニングドレスに着替えた私は、鏡の前で服装を確認した。
体の線が出るマーメイドタイプのドレスで、髪も結い上げていて、我ながらちょっと色っぽい。
「いらっしゃるんじゃないですか?結婚式は三日後で、形式上はまだクイーンズ家の方ですから」
「そうだよね……」
「気が進みませんか」
「さすがに気まずいよね。アンナも私に会いたくないだろうし」
「俺は、どの面下げてくるんだろうと思って楽しみですけどね」
「……ははは」
真顔で言われると、冗談なのか本気なのか判断しづらいものがある。
「結婚式のときみたいに、強く反対しないんだね」
「あなたは何を言っても行くときは行く方だと学びましたので。俺は、何があってもそばにいるだけです」
今日のユリウスはタキシード姿で、髪もオールバックにまとめている。
晩餐会など、夕方以降に行われるイベントは、正装を求められるからだ。
「ナサニエル殿下のお話、どうされるかお決めになったんですか?」
「ん……まだ迷ってる」
私は呟いた。
王子と結婚間近なんて噂が流れて、結局結婚しませんでした……となると、また今回みたいな婚約破棄騒動が起こって、噂の渦中に投げ込まれる。
さすがに、もう二度とこんな思いはしたくない。
「ローラ様!」
ばたばたと足音が響き、ノックとほぼ同時にドアが開いた。
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