結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子

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執事にとりついでもらって、お父様の部屋に入ると、珍しくお母様も一緒だった。

「おう、よく来たな」

茶髪のチョイ悪イケメンが、レオナルド・クイーンズ公爵。

まだ36、7歳ぐらいだっけ? お父さんとは思えないぐらい若くて、男の色気に溢れている。

「こんばんは、ローラちゃん」

そして、隣でにこにこしている超絶美人が、ローズ公爵夫人。私のお母さん。

私のひまわり色の髪と、緑色の瞳は、この人から受け継いだ。

「こんばんは、お父様、お母様。ご機嫌うるわしゅう存じます」

着がえる暇もなかったので、ウエディングドレスを着たままの私は、裾をつまんでお辞儀をしてみせた。

「こんな夜ふけに、いきなりごめんなさい。実は……」

「まあ座れや。ユリウスも一緒に」

「そうね。みんなでお茶にしましょう」

「ワインでも空けようぜ。な?ユリウス」

「いえ、俺は結構です」

ユリウスは公爵が相手でも、マイペースを崩さない。

「ユリウス。あなたは我が家の主治医だから、レオ様がお酒を飲みすぎたら、遠慮なく取り上げてくださいね。私が許します」

「おいおい、それはないぜローズ~」

軽いノリでの夫婦いちゃいちゃ漫才、これもいつものことなので慣れている。

とはいえ、婚約破棄された身としては、何とも居たたまれない気分なのだけれど。

ソファーのサイドテーブルにお茶やケーキ・マカロン・サンドイッチといった軽食と、ワインにチーズが用意されると、お父様は切り出した。

「話は大体聞いてる。ナイト家の分際で、アレックスの阿呆が婚約破棄とか言ってきたんだろ?」

私はびっくりして、目を丸くした。
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