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第一話
対価履御と厄令嬢
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「タイカリオンもパーレディも、簡素型の騎兵が作られる前の特段騎兵と呼ばれる機体。
文字通り特段な能力を有しています。
タイカリオンの特段は相手の弱体化」
甲冑に着替え終わったミレ王女がそう言いながら、自らの騎兵であるパーレディに乗り込む。
一方戦場では焦って滅多矢鱈に槍を振り回す一本角敵の騎兵コロス・ケイだが、その攻撃の勢いはタイカリオンに届く前に減衰し、軽々と避けられる。
「どいてろ、《初接吻》!」
そう言って空中の《大百科《エンサイクロペディア》》の騎兵、キテレッツが手にした銃を打ち込むが、放たれた実弾がタイカリオンに届く前に減速し、地面に落ちる。
「これもダメなのかっ!?」
落胆の声をあげるキテレッツ。
「しかし、いくら相手の攻撃を弱体化する事が出来たとして」
スニォールが、いつもの闘技場での実況のような口調で言い、更に言葉を続ける。
「肝心のタイカリオンの攻撃力がそのままでは、相手にダメージを与えられない!
果たしてミレ王女の騎兵、パーレディはどんな奇策を用意しているのか!」
「奇策とはずいぶんな言い方ね。
まあ間違ってもいないけど?」
ミレ王女の騎兵パーレディがそう言い、更に言葉を紡ぐ。
「パーレディの特段、それは『騎兵の連敗分だけレベルを上げる』です」
ミレ王女の放った言葉に、そのにいたその他大勢一同が凍りつく。
「いや、ちょっと待て!」
「その機体の連敗数は……まさか」
「さあ行きなさいタイカリオン!」
パーレディはタイカリオンの顔に平手打ちを放つ。
それが特段発動の引金で、タイカリオンが白い光に包まれる。
「タイカリオンの騎兵レベルの数値がぐんぐん上がっていく!
10……100……レベル1008!?」
未だ見た事もない数値に驚愕するスニォール。
「ありがとうミレ!
じゃあ行くわよ、ヴィータ」
「ああ、今なら負ける気がしない」
ミナとヴィータがそう言い、次の瞬間、視界からタイカリオンの姿が消えた。
レベル1000超えの余りの速さに、視界で追い切れないのだ!
「何処に行っ……グァッ!」
困惑するコロス・ケイは突如現れたタイカリオンの殴打に吹き飛ばされ!
「おいこっち来んな……ガギャ!?」
その勢いで空中にいたキテレッツに衝突し、二体まとめて地面に落下する。
「ぐぎぎ……」
「んごご……」
大破した騎兵から、這う這うの体で脱出する二人の魔族。
と、そこに。
「おい、さっきは良くもやってくれたな?」
とボロボロの軍服に身を包んだ血まみれのゴーダ・ゴウが仁王立ちで立っていて。
怪我人とは思えない拳と蹴りで、角の生えた魔族達を気絶するまでボコボコにするのだった。
文字通り特段な能力を有しています。
タイカリオンの特段は相手の弱体化」
甲冑に着替え終わったミレ王女がそう言いながら、自らの騎兵であるパーレディに乗り込む。
一方戦場では焦って滅多矢鱈に槍を振り回す一本角敵の騎兵コロス・ケイだが、その攻撃の勢いはタイカリオンに届く前に減衰し、軽々と避けられる。
「どいてろ、《初接吻》!」
そう言って空中の《大百科《エンサイクロペディア》》の騎兵、キテレッツが手にした銃を打ち込むが、放たれた実弾がタイカリオンに届く前に減速し、地面に落ちる。
「これもダメなのかっ!?」
落胆の声をあげるキテレッツ。
「しかし、いくら相手の攻撃を弱体化する事が出来たとして」
スニォールが、いつもの闘技場での実況のような口調で言い、更に言葉を続ける。
「肝心のタイカリオンの攻撃力がそのままでは、相手にダメージを与えられない!
果たしてミレ王女の騎兵、パーレディはどんな奇策を用意しているのか!」
「奇策とはずいぶんな言い方ね。
まあ間違ってもいないけど?」
ミレ王女の騎兵パーレディがそう言い、更に言葉を紡ぐ。
「パーレディの特段、それは『騎兵の連敗分だけレベルを上げる』です」
ミレ王女の放った言葉に、そのにいたその他大勢一同が凍りつく。
「いや、ちょっと待て!」
「その機体の連敗数は……まさか」
「さあ行きなさいタイカリオン!」
パーレディはタイカリオンの顔に平手打ちを放つ。
それが特段発動の引金で、タイカリオンが白い光に包まれる。
「タイカリオンの騎兵レベルの数値がぐんぐん上がっていく!
10……100……レベル1008!?」
未だ見た事もない数値に驚愕するスニォール。
「ありがとうミレ!
じゃあ行くわよ、ヴィータ」
「ああ、今なら負ける気がしない」
ミナとヴィータがそう言い、次の瞬間、視界からタイカリオンの姿が消えた。
レベル1000超えの余りの速さに、視界で追い切れないのだ!
「何処に行っ……グァッ!」
困惑するコロス・ケイは突如現れたタイカリオンの殴打に吹き飛ばされ!
「おいこっち来んな……ガギャ!?」
その勢いで空中にいたキテレッツに衝突し、二体まとめて地面に落下する。
「ぐぎぎ……」
「んごご……」
大破した騎兵から、這う這うの体で脱出する二人の魔族。
と、そこに。
「おい、さっきは良くもやってくれたな?」
とボロボロの軍服に身を包んだ血まみれのゴーダ・ゴウが仁王立ちで立っていて。
怪我人とは思えない拳と蹴りで、角の生えた魔族達を気絶するまでボコボコにするのだった。
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