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仲間集め
イエローゴリラ 前編
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「荒馬っ!」
「メリーランド!」
「「二人そろって、コロラドです!」」
毎週海曜日に冒険者向けに配信される勇者アラの動画は、いくつかリニューアルした。
まずメリーランド紹介の商会長、ボクガ・メリーランドが勇者アラとの配信メンバーに加入。
それに伴い前世と同じく勇者アラが荒馬を、そしてコロラドというグループ名を名乗る事になった。
そしてコンビニ並みに世界中に支店を持つメリーランド商会、その店内に置かれた広告用の画面でも動画配信が見られるようになったのだった。
「さて、本日の配信にはゲストを呼んでいます。さ、コラヴィ自己紹介を」
「え、ええと……ヘンキョー村の冒険者組合の受付やってますコラヴィータと申しますぴょん」
「いや、固いなあコラヴィ。
もっとリラックスするぴょん」
「動画慣れしてる勇者様と一緒にするなぴょん。
……あと、ドサクサに紛れて口調を取るなぴょん!」
「えー、別に減るもんじゃないし使わせてくれぴょん。
なあメリーランド?」
「同感だぴょん」
「マジ辞めて欲しいぴょん!
何か自分の存在がゴリゴリ削られていく気がするぴょん」
二人の言葉に頭を抱える、兎耳受付嬢。
「それより、私はゲストとして何をしたら良いぴょん?」
「そうだなあ……コラヴィは当然オレたちの配信はよく見てくれてるよね?」
「当然ですぴょん!
もはや視聴者代表と言っても過言ではないですぴょん」
勇者アラこと荒馬の問いに、即答するコラヴィ。
「だったら今までの配信での疑問点や、反省点なりを指摘して欲しいんだ」
とメリーランド。
「反省点……はよく分からないですが、疑問ならいっぱいあるですぴょん!」
「ほほう?」
「勇者様と商会長の関係とか、そもそもコロラドってグループ名の由来とか」
その疑問はもっともだと思ったが……と、ここで荒馬とメリーランドが顔を見合わせる。
『前世の事って秘密にしといた方がいいかねメリーランド?』
『この世界で転生者の話をあまり聞かない以上、その方が良いだろうね』
コロラドの二人がヒソヒソ声でそう言う。
「何をコソコソ話してるぴょん!」
「ああごめんコラヴィ、ちょっとした打ち合わせだ」
「そう言うのは事前にやっておくもんだぴょん」
「確かにそうなんだけど……一応ボク達にも答えられない質問とかあってね」
「う……ひょっとして私、商会長と勇者様の地雷を踏んでしまったぴょん?」
「いや大丈夫だ、コラヴィ。
という事で説明頼んだメリーランド」
「ええっ!?
そこでボクに無茶振りかい荒馬くん」
目を丸くする商会長。
「……まあ良いけどさ。
ええと元々コロラドは五人組でね、それぞれの呼び名は船の名前が由来になってる」
「船、ですぴょん?」
「うん、アメリカ海軍が就役させた超弩級戦艦の艦級だね」
「は、はあ……カンキュウ、ですか」
メリーランドの言葉にコラヴィータが首を捻る。
視聴者代表を自称する一般人枠の兎耳受付嬢がコレであるから、他の視聴者もさらに意味不明な事だろう。
がしかし、今回の配信に関してはそれで問題なかった。何故なら再生数よりも、世界の何処かにいる他のコロラドメンバーへの呼びかけが目的であったからだ。
『という訳で他のコロラドメンバーは、これを見たらすぐ連絡するように。
特にイエローゴリラ!』
「誰がイエローゴリラだ種馬男!」
店内で動画を見た、金髪で筋骨隆々の男がそうツッコミをするのだった。
「メリーランド!」
「「二人そろって、コロラドです!」」
毎週海曜日に冒険者向けに配信される勇者アラの動画は、いくつかリニューアルした。
まずメリーランド紹介の商会長、ボクガ・メリーランドが勇者アラとの配信メンバーに加入。
それに伴い前世と同じく勇者アラが荒馬を、そしてコロラドというグループ名を名乗る事になった。
そしてコンビニ並みに世界中に支店を持つメリーランド商会、その店内に置かれた広告用の画面でも動画配信が見られるようになったのだった。
「さて、本日の配信にはゲストを呼んでいます。さ、コラヴィ自己紹介を」
「え、ええと……ヘンキョー村の冒険者組合の受付やってますコラヴィータと申しますぴょん」
「いや、固いなあコラヴィ。
もっとリラックスするぴょん」
「動画慣れしてる勇者様と一緒にするなぴょん。
……あと、ドサクサに紛れて口調を取るなぴょん!」
「えー、別に減るもんじゃないし使わせてくれぴょん。
なあメリーランド?」
「同感だぴょん」
「マジ辞めて欲しいぴょん!
何か自分の存在がゴリゴリ削られていく気がするぴょん」
二人の言葉に頭を抱える、兎耳受付嬢。
「それより、私はゲストとして何をしたら良いぴょん?」
「そうだなあ……コラヴィは当然オレたちの配信はよく見てくれてるよね?」
「当然ですぴょん!
もはや視聴者代表と言っても過言ではないですぴょん」
勇者アラこと荒馬の問いに、即答するコラヴィ。
「だったら今までの配信での疑問点や、反省点なりを指摘して欲しいんだ」
とメリーランド。
「反省点……はよく分からないですが、疑問ならいっぱいあるですぴょん!」
「ほほう?」
「勇者様と商会長の関係とか、そもそもコロラドってグループ名の由来とか」
その疑問はもっともだと思ったが……と、ここで荒馬とメリーランドが顔を見合わせる。
『前世の事って秘密にしといた方がいいかねメリーランド?』
『この世界で転生者の話をあまり聞かない以上、その方が良いだろうね』
コロラドの二人がヒソヒソ声でそう言う。
「何をコソコソ話してるぴょん!」
「ああごめんコラヴィ、ちょっとした打ち合わせだ」
「そう言うのは事前にやっておくもんだぴょん」
「確かにそうなんだけど……一応ボク達にも答えられない質問とかあってね」
「う……ひょっとして私、商会長と勇者様の地雷を踏んでしまったぴょん?」
「いや大丈夫だ、コラヴィ。
という事で説明頼んだメリーランド」
「ええっ!?
そこでボクに無茶振りかい荒馬くん」
目を丸くする商会長。
「……まあ良いけどさ。
ええと元々コロラドは五人組でね、それぞれの呼び名は船の名前が由来になってる」
「船、ですぴょん?」
「うん、アメリカ海軍が就役させた超弩級戦艦の艦級だね」
「は、はあ……カンキュウ、ですか」
メリーランドの言葉にコラヴィータが首を捻る。
視聴者代表を自称する一般人枠の兎耳受付嬢がコレであるから、他の視聴者もさらに意味不明な事だろう。
がしかし、今回の配信に関してはそれで問題なかった。何故なら再生数よりも、世界の何処かにいる他のコロラドメンバーへの呼びかけが目的であったからだ。
『という訳で他のコロラドメンバーは、これを見たらすぐ連絡するように。
特にイエローゴリラ!』
「誰がイエローゴリラだ種馬男!」
店内で動画を見た、金髪で筋骨隆々の男がそうツッコミをするのだった。
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