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仲間集め
スポンサーの商会長 前編
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「ちょっと勇者様!今週のアレは何なんですぴょん?!」
と抗議の声をあげるのは、兎耳受付嬢のコラヴィータ。
「うん?再生回数は今回も上々だったろう」
それに対して済ました顔で返答する勇者アラ。
スマホ並の万能アイテム、冒険者カードに勇者の要望で追加された新機能。
それは動画配信であった。
とは言っても誰もが自由に配信出来る訳ではなく、冒険者組合が選んだ人間が曜日ごとに配信を担当する、テレビ番組に似たシステムであった。
この異世界はこちらと同じ七つの曜日で構成されていたが一部名前が異なり、水曜日の代わりに海曜日、土曜日の代わりに山曜日が存在した。
順番に並べると、
月 火 海 木 金 山 日
であり、つまりウサ耳受付嬢コラヴィータは。
「まあまあ、落ち着いてよ金木ちゃん」
「誰が金木ちゃんですかぴょん!」
冒険者カードの配信動画で、シー曜日の担当になった勇者アラ。
最初の方こそ勇者らしく、冒険の心得を語るなど真面目な内容であったものの、そこは元人気動画配信者のコロラドのリーダーである荒馬の前世を持つ彼。
次第に内容がネタに走るようになり。
「何ですぴょん、街で見かけた美女トップ10って!?
しかも何で私が3位に入ってるですぴょん!!」
「あれぇ、嬉しくなかった?」
「いやまあその……正直少し、と言うか、わりと嬉しかったですぴょん」
と兎耳受付嬢は顔を赤らめるが。
「……って、そう言う問題じゃないですぴょん!」
すぐに思い直して、説教モードに復帰した。
「いいですか勇者様、前にも言いましたが冒険者カードはこの街有数の商会様の後楯で成り立っています。
不真面目な内容でもし商会様の機嫌を損ねる事があれば、当事者の処罰だけでなく最悪冒険者組合の取り潰しも……」
「なんだそんな事か、なら心配いらないって」
そう言って勇者アラはニヤリと笑った。
「いやいや勇者様!
その自信はどこから出てくるですぴょん!?」
「んー説明が難しいが、あえて言うなら商会の名前?」
「どう言う事ですぴょん??」
「おお、ちょうど良い所に来ておったようじゃなアラ・ホース」
「ん、どうしたクラゲちゃん?」
「クラゲっ……全く、ワシをそう呼ぶのはお前だけじゃぞ?」
呆れ顔を浮かべるのは冒険者組合長、
海月・アリッサ。
海月はクラゲとも読めるため、勇者アラはクラゲちゃんと呼んでいる。
彼女は見た目は年端もいかない幼女だが、齢500年を超える妖精亜人であった。
「例の商会長が待合室に来ておってな、勇者を呼んでこいと言う話でな」
「あわわわ、ほら言わんこっちゃないですぴょん!
コレ絶対怒られる奴ですぴょん」
ギルドマスターの言葉にビクビク怯えるコラヴィだったが。
「んー、分かった。ちょっと言ってくるわ」
全く平気な様子で、勇者アラはそこへ向かうのだった。
と抗議の声をあげるのは、兎耳受付嬢のコラヴィータ。
「うん?再生回数は今回も上々だったろう」
それに対して済ました顔で返答する勇者アラ。
スマホ並の万能アイテム、冒険者カードに勇者の要望で追加された新機能。
それは動画配信であった。
とは言っても誰もが自由に配信出来る訳ではなく、冒険者組合が選んだ人間が曜日ごとに配信を担当する、テレビ番組に似たシステムであった。
この異世界はこちらと同じ七つの曜日で構成されていたが一部名前が異なり、水曜日の代わりに海曜日、土曜日の代わりに山曜日が存在した。
順番に並べると、
月 火 海 木 金 山 日
であり、つまりウサ耳受付嬢コラヴィータは。
「まあまあ、落ち着いてよ金木ちゃん」
「誰が金木ちゃんですかぴょん!」
冒険者カードの配信動画で、シー曜日の担当になった勇者アラ。
最初の方こそ勇者らしく、冒険の心得を語るなど真面目な内容であったものの、そこは元人気動画配信者のコロラドのリーダーである荒馬の前世を持つ彼。
次第に内容がネタに走るようになり。
「何ですぴょん、街で見かけた美女トップ10って!?
しかも何で私が3位に入ってるですぴょん!!」
「あれぇ、嬉しくなかった?」
「いやまあその……正直少し、と言うか、わりと嬉しかったですぴょん」
と兎耳受付嬢は顔を赤らめるが。
「……って、そう言う問題じゃないですぴょん!」
すぐに思い直して、説教モードに復帰した。
「いいですか勇者様、前にも言いましたが冒険者カードはこの街有数の商会様の後楯で成り立っています。
不真面目な内容でもし商会様の機嫌を損ねる事があれば、当事者の処罰だけでなく最悪冒険者組合の取り潰しも……」
「なんだそんな事か、なら心配いらないって」
そう言って勇者アラはニヤリと笑った。
「いやいや勇者様!
その自信はどこから出てくるですぴょん!?」
「んー説明が難しいが、あえて言うなら商会の名前?」
「どう言う事ですぴょん??」
「おお、ちょうど良い所に来ておったようじゃなアラ・ホース」
「ん、どうしたクラゲちゃん?」
「クラゲっ……全く、ワシをそう呼ぶのはお前だけじゃぞ?」
呆れ顔を浮かべるのは冒険者組合長、
海月・アリッサ。
海月はクラゲとも読めるため、勇者アラはクラゲちゃんと呼んでいる。
彼女は見た目は年端もいかない幼女だが、齢500年を超える妖精亜人であった。
「例の商会長が待合室に来ておってな、勇者を呼んでこいと言う話でな」
「あわわわ、ほら言わんこっちゃないですぴょん!
コレ絶対怒られる奴ですぴょん」
ギルドマスターの言葉にビクビク怯えるコラヴィだったが。
「んー、分かった。ちょっと言ってくるわ」
全く平気な様子で、勇者アラはそこへ向かうのだった。
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