3 / 10
仲間集め
勇者アラ・ホース 前編
しおりを挟む
王国の片田舎、辺境伯の領地。
魔物国との国境沿いに位置するこの街は、魔物征伐を生業とする冒険者で賑わっていた。
その冒険者の中でも抜群の強さを誇る者は勇者と呼ばれ、アラ・ホースは街随一の勇者で、魔物の討伐数、依頼達成率、噂になった女性の数、どれを取っても街のナンバーワンであった。
「いや最後、勇者と関係あるかなあ?」
「全然ありますぴょん、だって、英雄色を好むってゆうですぴょん」
冒険者組合の受付嬢、兎耳のコラヴィータにそうベタホメされ、勇者アラは苦笑いするしかなかった。
「そんな人気も実力も1番の勇者アラ様に、おりいって頼みがあるですぴょん」
「コラヴィちゃん、ひょっとしてそっちが本題でオレを持ち上げた説?」
「……な、何の事ですぴょん?」
勇者の追求に、受付の兎耳はそっぽを向く。
語るに落ちたとはこの事であるが。
「まあ他ならぬ君の頼みだ、よっぽど無理なお願いじゃなきゃ引き受けるよ」
「流石は勇者様ですぴょん!」
と感激するコラヴィだったが。
「ただ、流石の勇者様も今回は苦戦するかもですぴょん。
と言うのも敵を倒すとか何かを取ってくるとかの類ではなく、組合の今後に関する相談ですぴょん」
「ほう」
と勇者アラは、コラヴィの話に声をあげる。確かに今までの依頼とは毛色が違うようだ。
「実は皆さんがお持ちの冒険者カードに、新機能が追加されたですぴょん」
冒険者になると、組合から誰でも冒険者カードを手渡される。
それはカードと言うよりはこちらの世界でいうところのスマホに近い。
冒険者としての自分の強さを閲覧出来るのは当然として、採取の際に現物にかざして鑑定したり、また組合の依頼達成時にポイントが振り込またり、更にそのポイントで街で買い物が出来たりと、冒険者にとってはなくてはならない、本当に万能な機能を持っていた。
そこに新たな機能が増える。
それだけでも勇者アラはワクワクするのを感じたが。
「ところが満を辞して追加したこの機能が、あまり評判が良くないと言うか利用されてないですぴょん」
そもそも新機能が増えた事すら、勇者アラには初耳である。
つまり告知が上手くいってないのだろう。
「というか、まさに追加したのがその告知機能なんですぴょん」
「え?
そんなのあった……わ」
よーく見ると冒険者カードの1番下に、本当に小さい文字で「お知らせ」と言う文字が点滅していたのだった。
魔物国との国境沿いに位置するこの街は、魔物征伐を生業とする冒険者で賑わっていた。
その冒険者の中でも抜群の強さを誇る者は勇者と呼ばれ、アラ・ホースは街随一の勇者で、魔物の討伐数、依頼達成率、噂になった女性の数、どれを取っても街のナンバーワンであった。
「いや最後、勇者と関係あるかなあ?」
「全然ありますぴょん、だって、英雄色を好むってゆうですぴょん」
冒険者組合の受付嬢、兎耳のコラヴィータにそうベタホメされ、勇者アラは苦笑いするしかなかった。
「そんな人気も実力も1番の勇者アラ様に、おりいって頼みがあるですぴょん」
「コラヴィちゃん、ひょっとしてそっちが本題でオレを持ち上げた説?」
「……な、何の事ですぴょん?」
勇者の追求に、受付の兎耳はそっぽを向く。
語るに落ちたとはこの事であるが。
「まあ他ならぬ君の頼みだ、よっぽど無理なお願いじゃなきゃ引き受けるよ」
「流石は勇者様ですぴょん!」
と感激するコラヴィだったが。
「ただ、流石の勇者様も今回は苦戦するかもですぴょん。
と言うのも敵を倒すとか何かを取ってくるとかの類ではなく、組合の今後に関する相談ですぴょん」
「ほう」
と勇者アラは、コラヴィの話に声をあげる。確かに今までの依頼とは毛色が違うようだ。
「実は皆さんがお持ちの冒険者カードに、新機能が追加されたですぴょん」
冒険者になると、組合から誰でも冒険者カードを手渡される。
それはカードと言うよりはこちらの世界でいうところのスマホに近い。
冒険者としての自分の強さを閲覧出来るのは当然として、採取の際に現物にかざして鑑定したり、また組合の依頼達成時にポイントが振り込またり、更にそのポイントで街で買い物が出来たりと、冒険者にとってはなくてはならない、本当に万能な機能を持っていた。
そこに新たな機能が増える。
それだけでも勇者アラはワクワクするのを感じたが。
「ところが満を辞して追加したこの機能が、あまり評判が良くないと言うか利用されてないですぴょん」
そもそも新機能が増えた事すら、勇者アラには初耳である。
つまり告知が上手くいってないのだろう。
「というか、まさに追加したのがその告知機能なんですぴょん」
「え?
そんなのあった……わ」
よーく見ると冒険者カードの1番下に、本当に小さい文字で「お知らせ」と言う文字が点滅していたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる