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6-1 騎士の功罪
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舞踏会の翌日、ブレアは日課である庭の草むしりを片付け、ベッドのふちに腰を下ろした。
クラリスが運んできた昼食を既に平らげ、なにもすることがない状態だ。バケットとチーズが乗っていた白い皿の上には、銀のナイフとフォークが転がっている。
ブレアは手持ち無沙汰にそれらを眺め、ポケットの中へ手を伸ばした。取りだした金のメダルに視線を落とし、シーツの上に倒れ込む。
――なぜ、怖がってしまったのだろう。
視界の端に映り込む赤いドレスを一瞥し、自問を繰り返す。
昨夜、ラザレスと身体を重ねた時のことだ。うなじを噛もうとする彼を受け入れられず、行為を中断させてしまった。
当時のことを頭のなかで反芻しながら、ブレアは手中のメダルを握りしめる。
ラザレスのことは好きだ。その感情がかつての忠誠とは異なることも自覚している。女として生まれたからこそ、体を重ねる関係になったし、Ωが発覚したからこそ、再会に至った。
騎士としての約束は果たせずとも、子を成すことで彼の役に立つことはできる。なのにどうして、受け入れられないのか。
ベッドに横たわり、長大息をついた。暇すぎるあまり、思考が後ろ向きになってしまう。
自分はこんなにも面倒な性格だったか――物思いに耽っていると、かすかな物音に体が跳ねた。
足音だ。廊下から聞こえてくる。
クラリスでも、ラザレスでもない。複数人ではなく、ひとり。意図的に気配を消しているような、剣呑とした雰囲気だ。
考えるより先にメダルを自身の脇に置き、カトラリーに持ち替えた。
長年従軍した経験が、「逃げろ」と警鐘を鳴らしている。装備は女物の普段着と食事用のナイフ一本。真っ向勝負は不可能だ。
近付いてくる足音に耳をそばだて、ブレアは周囲を見渡した。
庭に出るのは悪手だろう。運よく逃げ込んだところで、しらみつぶしに探されれば勝ち目はない。塀を超えて後宮の敷地を出るという手もあるが、この距離では登る前に追いつかれる。かといって、室内に身を隠せる場所はない。
一歩、また一歩と靴音が近付くにつれ、ナイフを持つ手が強張った。
この部屋は隠し通路を抜けた先に存在しているため、叫んだところで助けは来ない。
考えあぐねていると、視界の端に引っかかりを感じた。導かれるままに振り返り、備え付けのチェストを目指す。
――後宮に続く隠し通路が存在するなら、脱出用の『抜け道』も用意されているはず。
思いついた仮説を頼りに、チェストを押した。
そもそも、後宮は高貴な身分のαが人目を盗んで子作りをする場所だ。人目のつかない密室という特性上、警備の類は皆無に近い。これでは「暗殺してください」と言っているようなものではないか。
木箱をずらすと、壁に大穴が現れた。ブレアは考えるより先に体を押し込め、元の位置にチェストを戻す。
同時に、扉がバンと開け放たれた。急に大きい音を立て、相手が怯んでいる隙に襲う気でいたのだろう。暗殺の常套手段だ。
「……いない」
暗闇のなか、若い男の声がした。ブレアは音もなく立ち上がり、覗き穴に顔を寄せる。
男はベッドへ向かい、乱れたシーツに触れた。まだ体温が残っているのを確認し、周囲を見渡す。窓や勝手口を注意深く眺めていることから、庭に出ていないことは察しただろう。
ブレアはナイフを握り、息をひそめた。胸の早鐘が伝搬してか、銀色のナイフが震えている。
見たところ、相手の武器は腰の短刀のみ。歳は三十前後。体の線は細いが、武術の心得はありそうだ。
――暗殺の対象はラザレスか。それともΩであるこの私か。
眉間にしわを寄せ、ブレアは暗殺者風の男を睥睨した。理由はどうあれ、危害を加えようとしていることに変わりはない。
考えあぐねていると、男はおもむろに振り返った。自身と同じ、オリーブ色の瞳。そのことに衝撃を覚え、ブレアははっと息を飲む。
「そこにいるんだろ? ブレア・ウィズレー・タウンゼント=アーカスター」
シーツに投げ出された金色のメダルに手を伸ばし、男はゆったりと両目を細めた。
五年前に開催された、従騎士向け武道大会の優勝メダルだ。持ち主は当然、騎士に限られる。
ブレアはまなじりを決し、口元を押えた。確信はないものの、直感が己に訴えかける。
十五年前に行方知れずとなった実の兄・ライオットその人だ。父・スタンレーとの絶縁を機に、姿をくらませたと聞いている。
「男として生きていると聞いていたが、まさか後宮に身を堕としていたとは」
手中のメダルを矯めつ眇めつしつつ、ライオットは薄く笑った。
ブレアは手汗で滑り落ちそうになったナイフを握り直し、わずかな隙間を覗き込んだ。向こうは余裕しゃくしゃくの表情で、ベッドにどっかりと腰を下ろした。
「真面目なおまえのことだから、壁の向こうでこっちを見張っているんだろ? 入り口はおそらく、チェストの裏かな? 近付こうものなら、ナイフで刺すつもりだろう?」
パンくずが散った皿を一瞥し、ライオットは嘲笑交じりに鼻を鳴らした。
皿にフォークしかないことに気付き、こちらの魂胆に気付いたのだろう。通常、フォークとナイフはセットで用いる。
手の内が読まれていることを知り、ブレアは人知れず歯を喰い締めた。この隠し通路は入り口が狭いため、体を屈める必要がある。そこをナイフで一突きすれば、こちらにも勝機はあると踏んでいたのだが。
ライオットはお見通しとばかりに嘆息し、ブレアと同じ栗色の髪を掻き上げる。
「ちくしょう、もう少し武装するべきだった。Ωを仕留めるなら、これで充分だと思っていたのに」
吐き捨てるように言い、舌打ちをする。
まさか腕利きの実妹が後宮に幽閉されているなんて、思いもしなかったのだろう。その辺の令嬢ならまだしも、ブレアはアーカスターきっての剣豪だ。
「まあいい、他にも方法はある。俺はただ、この国に復讐を果たせればいい」
手にしたメダルを胸ポケットに押し込み、ライオットはやおら立ち上がった。その動きに合わせ、上着に取り付けられたエンブレムがきらり、と光る。
見覚えのある紋章に、ブレアはまたしても目を見張った。薔薇の花が特徴的なその印は、オルレイユ西方貴族を意味するものだ。
Ωの暗殺計画、敵に寝返った兄、復讐――断片的な情報が、頭のなかでひとつの解を導き出した。ブレアは扉の向こうへ消えていくライオットの背を眺め、蒼褪める。
――兄上はこの地で戦争を繰り広げるつもりだ。
ライオットの気配が完全に消えたことを確認し、ブレアは隠し通路から部屋に戻った。
レンジイトンに復讐を果たすため、ヴェリオ奪還を掲げるオルレイユ西方の貴族に手を貸したのだ。王都をはじめとする本島は物資をフォルルーゼ港の交易で賄っているため、甚大な被害になることは想像がつく。
海路からフォルルーゼに奇襲をかけることで目と鼻の先にある城下を攻め、統治者であるラザレスを討つ――そうすることにより、港の交易権を奪い返す算段に違いない。
「ラザレスに知らせなくては……!」
誰に言うでもなく独りごち、ベッドのふちに腰かけた。不安を紛らわすべく、シーツのメダルを探る。
ライオットから逃げる直前、置きっぱなしにしていたのだ。そのことを思い出しながら手を伸ばすも、指先が空を切る。
「……ない」
なにもない寝具を見つめ、ブレアは誰に聞かせるでもなく独りごちた。壁の隙間から見た、ライオットの姿が脳裏をよぎる。
部屋を立ち去る際、彼はメダルを持ち去った。きっと、後宮にブレアがいることを示す証拠として使うのだろう。
奪われた――そう考えるより先に激しい動悸がして、ブレアは胸を押さえてうずくまった。肌身離さず持ち歩いていたこともあり、そばにないと落ち着かない。
おまえはもう、騎士ではない――切羽詰まった呼吸音のかたわら、冷たい声が耳底に響いた。
ヴェリオを――ラザレスを守ろうと策を巡らせるも、メダルを失ったという事実が重く圧し掛かる。
卑しいΩにできることなんてない――耳を塞いでかぶりを振るも、声はブレアを追いかける。
クラリスが運んできた昼食を既に平らげ、なにもすることがない状態だ。バケットとチーズが乗っていた白い皿の上には、銀のナイフとフォークが転がっている。
ブレアは手持ち無沙汰にそれらを眺め、ポケットの中へ手を伸ばした。取りだした金のメダルに視線を落とし、シーツの上に倒れ込む。
――なぜ、怖がってしまったのだろう。
視界の端に映り込む赤いドレスを一瞥し、自問を繰り返す。
昨夜、ラザレスと身体を重ねた時のことだ。うなじを噛もうとする彼を受け入れられず、行為を中断させてしまった。
当時のことを頭のなかで反芻しながら、ブレアは手中のメダルを握りしめる。
ラザレスのことは好きだ。その感情がかつての忠誠とは異なることも自覚している。女として生まれたからこそ、体を重ねる関係になったし、Ωが発覚したからこそ、再会に至った。
騎士としての約束は果たせずとも、子を成すことで彼の役に立つことはできる。なのにどうして、受け入れられないのか。
ベッドに横たわり、長大息をついた。暇すぎるあまり、思考が後ろ向きになってしまう。
自分はこんなにも面倒な性格だったか――物思いに耽っていると、かすかな物音に体が跳ねた。
足音だ。廊下から聞こえてくる。
クラリスでも、ラザレスでもない。複数人ではなく、ひとり。意図的に気配を消しているような、剣呑とした雰囲気だ。
考えるより先にメダルを自身の脇に置き、カトラリーに持ち替えた。
長年従軍した経験が、「逃げろ」と警鐘を鳴らしている。装備は女物の普段着と食事用のナイフ一本。真っ向勝負は不可能だ。
近付いてくる足音に耳をそばだて、ブレアは周囲を見渡した。
庭に出るのは悪手だろう。運よく逃げ込んだところで、しらみつぶしに探されれば勝ち目はない。塀を超えて後宮の敷地を出るという手もあるが、この距離では登る前に追いつかれる。かといって、室内に身を隠せる場所はない。
一歩、また一歩と靴音が近付くにつれ、ナイフを持つ手が強張った。
この部屋は隠し通路を抜けた先に存在しているため、叫んだところで助けは来ない。
考えあぐねていると、視界の端に引っかかりを感じた。導かれるままに振り返り、備え付けのチェストを目指す。
――後宮に続く隠し通路が存在するなら、脱出用の『抜け道』も用意されているはず。
思いついた仮説を頼りに、チェストを押した。
そもそも、後宮は高貴な身分のαが人目を盗んで子作りをする場所だ。人目のつかない密室という特性上、警備の類は皆無に近い。これでは「暗殺してください」と言っているようなものではないか。
木箱をずらすと、壁に大穴が現れた。ブレアは考えるより先に体を押し込め、元の位置にチェストを戻す。
同時に、扉がバンと開け放たれた。急に大きい音を立て、相手が怯んでいる隙に襲う気でいたのだろう。暗殺の常套手段だ。
「……いない」
暗闇のなか、若い男の声がした。ブレアは音もなく立ち上がり、覗き穴に顔を寄せる。
男はベッドへ向かい、乱れたシーツに触れた。まだ体温が残っているのを確認し、周囲を見渡す。窓や勝手口を注意深く眺めていることから、庭に出ていないことは察しただろう。
ブレアはナイフを握り、息をひそめた。胸の早鐘が伝搬してか、銀色のナイフが震えている。
見たところ、相手の武器は腰の短刀のみ。歳は三十前後。体の線は細いが、武術の心得はありそうだ。
――暗殺の対象はラザレスか。それともΩであるこの私か。
眉間にしわを寄せ、ブレアは暗殺者風の男を睥睨した。理由はどうあれ、危害を加えようとしていることに変わりはない。
考えあぐねていると、男はおもむろに振り返った。自身と同じ、オリーブ色の瞳。そのことに衝撃を覚え、ブレアははっと息を飲む。
「そこにいるんだろ? ブレア・ウィズレー・タウンゼント=アーカスター」
シーツに投げ出された金色のメダルに手を伸ばし、男はゆったりと両目を細めた。
五年前に開催された、従騎士向け武道大会の優勝メダルだ。持ち主は当然、騎士に限られる。
ブレアはまなじりを決し、口元を押えた。確信はないものの、直感が己に訴えかける。
十五年前に行方知れずとなった実の兄・ライオットその人だ。父・スタンレーとの絶縁を機に、姿をくらませたと聞いている。
「男として生きていると聞いていたが、まさか後宮に身を堕としていたとは」
手中のメダルを矯めつ眇めつしつつ、ライオットは薄く笑った。
ブレアは手汗で滑り落ちそうになったナイフを握り直し、わずかな隙間を覗き込んだ。向こうは余裕しゃくしゃくの表情で、ベッドにどっかりと腰を下ろした。
「真面目なおまえのことだから、壁の向こうでこっちを見張っているんだろ? 入り口はおそらく、チェストの裏かな? 近付こうものなら、ナイフで刺すつもりだろう?」
パンくずが散った皿を一瞥し、ライオットは嘲笑交じりに鼻を鳴らした。
皿にフォークしかないことに気付き、こちらの魂胆に気付いたのだろう。通常、フォークとナイフはセットで用いる。
手の内が読まれていることを知り、ブレアは人知れず歯を喰い締めた。この隠し通路は入り口が狭いため、体を屈める必要がある。そこをナイフで一突きすれば、こちらにも勝機はあると踏んでいたのだが。
ライオットはお見通しとばかりに嘆息し、ブレアと同じ栗色の髪を掻き上げる。
「ちくしょう、もう少し武装するべきだった。Ωを仕留めるなら、これで充分だと思っていたのに」
吐き捨てるように言い、舌打ちをする。
まさか腕利きの実妹が後宮に幽閉されているなんて、思いもしなかったのだろう。その辺の令嬢ならまだしも、ブレアはアーカスターきっての剣豪だ。
「まあいい、他にも方法はある。俺はただ、この国に復讐を果たせればいい」
手にしたメダルを胸ポケットに押し込み、ライオットはやおら立ち上がった。その動きに合わせ、上着に取り付けられたエンブレムがきらり、と光る。
見覚えのある紋章に、ブレアはまたしても目を見張った。薔薇の花が特徴的なその印は、オルレイユ西方貴族を意味するものだ。
Ωの暗殺計画、敵に寝返った兄、復讐――断片的な情報が、頭のなかでひとつの解を導き出した。ブレアは扉の向こうへ消えていくライオットの背を眺め、蒼褪める。
――兄上はこの地で戦争を繰り広げるつもりだ。
ライオットの気配が完全に消えたことを確認し、ブレアは隠し通路から部屋に戻った。
レンジイトンに復讐を果たすため、ヴェリオ奪還を掲げるオルレイユ西方の貴族に手を貸したのだ。王都をはじめとする本島は物資をフォルルーゼ港の交易で賄っているため、甚大な被害になることは想像がつく。
海路からフォルルーゼに奇襲をかけることで目と鼻の先にある城下を攻め、統治者であるラザレスを討つ――そうすることにより、港の交易権を奪い返す算段に違いない。
「ラザレスに知らせなくては……!」
誰に言うでもなく独りごち、ベッドのふちに腰かけた。不安を紛らわすべく、シーツのメダルを探る。
ライオットから逃げる直前、置きっぱなしにしていたのだ。そのことを思い出しながら手を伸ばすも、指先が空を切る。
「……ない」
なにもない寝具を見つめ、ブレアは誰に聞かせるでもなく独りごちた。壁の隙間から見た、ライオットの姿が脳裏をよぎる。
部屋を立ち去る際、彼はメダルを持ち去った。きっと、後宮にブレアがいることを示す証拠として使うのだろう。
奪われた――そう考えるより先に激しい動悸がして、ブレアは胸を押さえてうずくまった。肌身離さず持ち歩いていたこともあり、そばにないと落ち着かない。
おまえはもう、騎士ではない――切羽詰まった呼吸音のかたわら、冷たい声が耳底に響いた。
ヴェリオを――ラザレスを守ろうと策を巡らせるも、メダルを失ったという事実が重く圧し掛かる。
卑しいΩにできることなんてない――耳を塞いでかぶりを振るも、声はブレアを追いかける。
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