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5-8 性別の垣根を超えて*
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「ほら、ここだろ?」
そう言って、ラザレスは他と異なるあわいを突き上げる。一番弱いところを遠慮なく刺激され、ブレアは「やっ!?」とまなじりを決する。
「『やだ』じゃなくて、『気持ちいい』って言えよ」
意地悪く口元を歪め、ラザレスは言葉を継いだ。
急な指摘にブレアは顔を赤らめるも、快楽に圧されて二の句が継げない。
「ア、んっ……! ひっ、あああ……!」
被虐感に背筋をわななかせ、ブレアはシーツを握りしめた。屈辱を紛らわそうと堪えるも、体は悦びを隠せない。
ラザレスは指の角度を変え、先ほどよりもまったりとした動きで抽送を続けた。ゆるゆるとした刺激に意識がとろけ、ブレアはしどけない表情で口角を上げる。
脱ぎ捨てられた真っ赤なドレス、星空の下で踊る二人、舞踏会そっちのけで駆けつけてくれた彼。
ひとつひとつの事柄が頭のなかで混ざり合い、胸の芯が熱くなる。自分はこんなにも愛されている――そう思うと、溢れる感情が止まらない。
「きもち、い……」
そっぽを向いたまま、ブレアは蚊の鳴く声で応じた。
面映ゆさが勝ってか、ラザレスの顔を見ることができない。心臓は壊れてしまいそうなほど、早鐘を打ち鳴らしてる。
「こっちみて」
ずいっと顔を寄せ、ラザレスはブレアの手を強く握った。反射的に「いやだ」と言いかけ、口をつぐむ。
確かに、嫌がるくらいなら素直に「気持ちいい」と伝えたい。
鼻にかかった声でヒイヒイ鳴きつつも、ブレアは恐る恐る目線を向けた。欲情した青い瞳が、安堵するかのように細くなる。その表情に、胸の奥処が締め付けられた。
――自分だけじゃないんだ。
どこからともなく、声が聞こえた。
Ωの本能に戸惑いを覚えているのも、体を繋げることにためらいを感じているのも、自分だけではない。
ブレアがΩ性に翻弄されているように、ラザレスもまた、αの本能に逡巡している。そのうえで、好意を示しているのだとしたら。
「あ、きもちい…………」
考えるより先に、甘い声が口からこぼれた。ブレアは目を逸らすことなく、青い瞳をじっと見つめる。ラザレスは虚を突かれたような顔になるも、満足そうに口角を上げた。
まるで、母親に褒められた子どものようだ。指の抽送が激しさを増し、ブレアは「ひい」と甲走った声を上げる。
「あ、そこぉ……!」
「うん」
「ら、らざれす……もう、いく……!」
「嬉しいよ、ブレア」
上気する頬にくちびるを落とし、ラザレスはうっとりと目を細めた。次いで耳朶を軽く食み、甘い声で「ブレア」とささやきかける。
「すき」
低い小声が耳のなかでこだまする。
顔を上げると、青い瞳が照れくさそうに微笑んだ。五年前よりも大人びた表情をしているものの、笑い方そのものはあの時と変わらない。
「あっ、イク、イクうううう――――ッ!」
嬌声を上げ、ブレアは総身をわななかせた。同時に、さらさらとした体液が股間から吹き出す。
絶頂の余波に身悶えしながら、ブレアはぼんやりと視線を漂わせた。ラザレスは指を引き抜き、震える痩躯を抱きしめる。
「かわいかった」
慰撫するように耳元でささやかれ、ブレアはへらり、と相好を崩した。
以前であれば屈辱の塊だったこの行為を、受け入れつつある自分に驚かされる。女であり、Ωでもある事実を突きつけられている気がして、心のどこかで嫌悪していたのに。
「挿れるぞ」
充血した淫花に自身の楔あてがい、ラザレスは熱く湿った息を吐いた。変わらず、正常位で向かい合う格好だ。
入り口が押し広げられ、圧迫感が下腹を襲った。散々ほぐされたこともあり、痛むことなくすんなり入った。
「……ラザ、レス…………」
ブレアはねだるように両腕を広げ、ぎこちない笑みで投げかけた。少年のように薄っぺらな痩躯が、ろうそくの光に照らされている。薄紅色に染まった柔肌は赤い炎によるものか、欲情のせいか、区別がつかない。
ラザレスは目だけでうなずき、互いの体を隙間なく密着させた。汗ばんだ皮膚が絡み合い、ひんやりとした感触を交えながらぬくもっていく。
「きもち、いい……」
体内に埋められた彼の形を噛みしめるように目を細め、ブレアは切れ切れにつぶやいた。はじめは異物のように感じられた陰茎も、今では自身の一部のように馴染んでいる。
次第にもどかしくなってきて、ブレアは彼の背に腕を回した。二人分の呼吸の間で、衣擦れの音が大仰に聞こえる。それらに羞恥を煽られつつも、ブレアは「きて」とつぶやいた。
「――んあああッ!」
刹那、下腹を突き上げられ、自分のものとは思えない嬌声が飛び出した。
予想以上の激しさに息をすることすらままならず、ブレアはラザレスにしがみつく。
「もっと、ゆっくりぃ……!」
荒れ狂う抽送に気圧され、生理的な涙がぽろぽろこぼれた。そのうち胸の奥まで苦しくなり、ブレアは自分の感情が分からなくなってくる。
嬉しくて、苦しくて、切ない――それらすべてが当てはまるような気もするし、的外れにも感じた。
こんなにも深く愛し合っているのに、快楽に押し潰されそうなのに、胸が痛むのはなぜだろう。
身悶えするブレアを見つめ、ラザレスは苦しげに微笑んだ。腰の動きを少しだけゆるめ、くちびるを重ねる。ブレアは呻吟しつつ、鼻息を漏らした。
「んっ、ふ……!」
半開きの口に舌を割り入れられ、粘膜のなかを撹拌される。卑猥な水音が頭いっぱいに鳴り響き、どちらのものともつかない唾液がつう、と漏れる。
もつれ合う舌の動きと、膣内を押し上げられる心地良さに、ブレアはうっとりと目を細めた。
気持ちいいと思えるところが全部、触れ合っているのだ。体内で膨れ上がっていく陰茎に、呼吸が荒くなってくる。
「んッ、ンううっ……! ンン、ん、ぐ……!」
あたたかな快感が下腹からせり上がり、ブレアは余裕無げに喘いだ。
過剰な快楽を逃がそうとするも、ラザレスに圧し掛かられているため身動きが取れない。
ラザレスは腕を回し、ブレアの頭を包み込むように抱きしめた。後頭部と頭頂を押さえられた状態で舌を絡められ、体の自由が利かない。
こすれ合う粘膜と、とろけるような口の感覚――ふたつの刺激が相まって、絶頂の二文字が見えてくる。ブレアは必死に叫ぶも、それすらも彼に舐られてしまう。
「うう、んんん゛――――ッ!」
特大の快感が総身を駆け抜け、釣り上げられた魚のように身体が跳ねた。陰茎の切っ先を子宮口に押し込まれ、快楽の渦は青天井に続いていく。
「んう゛ッ……! ぐ、うう……!」
絶頂の大波が過ぎ去った後も、ラザレスは執拗に最奥を責めた。
そのたびに余波が繰り返しブレアを襲い、果てているのかすらも分からなくなってくる。これ以上気持ち良くなりようがないのに、もっともっと感じてしまう。
「あ、ん……! らざれす、きもちい……! きもちい……!」
ラザレスが腰の動きを止めた後も、ブレアはぎこちなく腰を振り続けた。
まるで圧倒的な多幸感を前に、理性が掻き消えてしまったかのようだ。それしか言えなくなったみたいに、ブレアは「きもちい、きもちい」と繰り返す。
その言葉を受け、ラザレスは「かわいい」と微笑んだ。快楽に震える痩躯を掻き抱き、青い瞳を光らせる。
「……俺のものだ。誰にも渡さない」
切羽詰まった口調でつぶやき、彼は自身の陰茎を引き抜いた。有無を言わさずブレアの体をひっくり返し、うつぶせにした状態で再度挿入する。
そう言って、ラザレスは他と異なるあわいを突き上げる。一番弱いところを遠慮なく刺激され、ブレアは「やっ!?」とまなじりを決する。
「『やだ』じゃなくて、『気持ちいい』って言えよ」
意地悪く口元を歪め、ラザレスは言葉を継いだ。
急な指摘にブレアは顔を赤らめるも、快楽に圧されて二の句が継げない。
「ア、んっ……! ひっ、あああ……!」
被虐感に背筋をわななかせ、ブレアはシーツを握りしめた。屈辱を紛らわそうと堪えるも、体は悦びを隠せない。
ラザレスは指の角度を変え、先ほどよりもまったりとした動きで抽送を続けた。ゆるゆるとした刺激に意識がとろけ、ブレアはしどけない表情で口角を上げる。
脱ぎ捨てられた真っ赤なドレス、星空の下で踊る二人、舞踏会そっちのけで駆けつけてくれた彼。
ひとつひとつの事柄が頭のなかで混ざり合い、胸の芯が熱くなる。自分はこんなにも愛されている――そう思うと、溢れる感情が止まらない。
「きもち、い……」
そっぽを向いたまま、ブレアは蚊の鳴く声で応じた。
面映ゆさが勝ってか、ラザレスの顔を見ることができない。心臓は壊れてしまいそうなほど、早鐘を打ち鳴らしてる。
「こっちみて」
ずいっと顔を寄せ、ラザレスはブレアの手を強く握った。反射的に「いやだ」と言いかけ、口をつぐむ。
確かに、嫌がるくらいなら素直に「気持ちいい」と伝えたい。
鼻にかかった声でヒイヒイ鳴きつつも、ブレアは恐る恐る目線を向けた。欲情した青い瞳が、安堵するかのように細くなる。その表情に、胸の奥処が締め付けられた。
――自分だけじゃないんだ。
どこからともなく、声が聞こえた。
Ωの本能に戸惑いを覚えているのも、体を繋げることにためらいを感じているのも、自分だけではない。
ブレアがΩ性に翻弄されているように、ラザレスもまた、αの本能に逡巡している。そのうえで、好意を示しているのだとしたら。
「あ、きもちい…………」
考えるより先に、甘い声が口からこぼれた。ブレアは目を逸らすことなく、青い瞳をじっと見つめる。ラザレスは虚を突かれたような顔になるも、満足そうに口角を上げた。
まるで、母親に褒められた子どものようだ。指の抽送が激しさを増し、ブレアは「ひい」と甲走った声を上げる。
「あ、そこぉ……!」
「うん」
「ら、らざれす……もう、いく……!」
「嬉しいよ、ブレア」
上気する頬にくちびるを落とし、ラザレスはうっとりと目を細めた。次いで耳朶を軽く食み、甘い声で「ブレア」とささやきかける。
「すき」
低い小声が耳のなかでこだまする。
顔を上げると、青い瞳が照れくさそうに微笑んだ。五年前よりも大人びた表情をしているものの、笑い方そのものはあの時と変わらない。
「あっ、イク、イクうううう――――ッ!」
嬌声を上げ、ブレアは総身をわななかせた。同時に、さらさらとした体液が股間から吹き出す。
絶頂の余波に身悶えしながら、ブレアはぼんやりと視線を漂わせた。ラザレスは指を引き抜き、震える痩躯を抱きしめる。
「かわいかった」
慰撫するように耳元でささやかれ、ブレアはへらり、と相好を崩した。
以前であれば屈辱の塊だったこの行為を、受け入れつつある自分に驚かされる。女であり、Ωでもある事実を突きつけられている気がして、心のどこかで嫌悪していたのに。
「挿れるぞ」
充血した淫花に自身の楔あてがい、ラザレスは熱く湿った息を吐いた。変わらず、正常位で向かい合う格好だ。
入り口が押し広げられ、圧迫感が下腹を襲った。散々ほぐされたこともあり、痛むことなくすんなり入った。
「……ラザ、レス…………」
ブレアはねだるように両腕を広げ、ぎこちない笑みで投げかけた。少年のように薄っぺらな痩躯が、ろうそくの光に照らされている。薄紅色に染まった柔肌は赤い炎によるものか、欲情のせいか、区別がつかない。
ラザレスは目だけでうなずき、互いの体を隙間なく密着させた。汗ばんだ皮膚が絡み合い、ひんやりとした感触を交えながらぬくもっていく。
「きもち、いい……」
体内に埋められた彼の形を噛みしめるように目を細め、ブレアは切れ切れにつぶやいた。はじめは異物のように感じられた陰茎も、今では自身の一部のように馴染んでいる。
次第にもどかしくなってきて、ブレアは彼の背に腕を回した。二人分の呼吸の間で、衣擦れの音が大仰に聞こえる。それらに羞恥を煽られつつも、ブレアは「きて」とつぶやいた。
「――んあああッ!」
刹那、下腹を突き上げられ、自分のものとは思えない嬌声が飛び出した。
予想以上の激しさに息をすることすらままならず、ブレアはラザレスにしがみつく。
「もっと、ゆっくりぃ……!」
荒れ狂う抽送に気圧され、生理的な涙がぽろぽろこぼれた。そのうち胸の奥まで苦しくなり、ブレアは自分の感情が分からなくなってくる。
嬉しくて、苦しくて、切ない――それらすべてが当てはまるような気もするし、的外れにも感じた。
こんなにも深く愛し合っているのに、快楽に押し潰されそうなのに、胸が痛むのはなぜだろう。
身悶えするブレアを見つめ、ラザレスは苦しげに微笑んだ。腰の動きを少しだけゆるめ、くちびるを重ねる。ブレアは呻吟しつつ、鼻息を漏らした。
「んっ、ふ……!」
半開きの口に舌を割り入れられ、粘膜のなかを撹拌される。卑猥な水音が頭いっぱいに鳴り響き、どちらのものともつかない唾液がつう、と漏れる。
もつれ合う舌の動きと、膣内を押し上げられる心地良さに、ブレアはうっとりと目を細めた。
気持ちいいと思えるところが全部、触れ合っているのだ。体内で膨れ上がっていく陰茎に、呼吸が荒くなってくる。
「んッ、ンううっ……! ンン、ん、ぐ……!」
あたたかな快感が下腹からせり上がり、ブレアは余裕無げに喘いだ。
過剰な快楽を逃がそうとするも、ラザレスに圧し掛かられているため身動きが取れない。
ラザレスは腕を回し、ブレアの頭を包み込むように抱きしめた。後頭部と頭頂を押さえられた状態で舌を絡められ、体の自由が利かない。
こすれ合う粘膜と、とろけるような口の感覚――ふたつの刺激が相まって、絶頂の二文字が見えてくる。ブレアは必死に叫ぶも、それすらも彼に舐られてしまう。
「うう、んんん゛――――ッ!」
特大の快感が総身を駆け抜け、釣り上げられた魚のように身体が跳ねた。陰茎の切っ先を子宮口に押し込まれ、快楽の渦は青天井に続いていく。
「んう゛ッ……! ぐ、うう……!」
絶頂の大波が過ぎ去った後も、ラザレスは執拗に最奥を責めた。
そのたびに余波が繰り返しブレアを襲い、果てているのかすらも分からなくなってくる。これ以上気持ち良くなりようがないのに、もっともっと感じてしまう。
「あ、ん……! らざれす、きもちい……! きもちい……!」
ラザレスが腰の動きを止めた後も、ブレアはぎこちなく腰を振り続けた。
まるで圧倒的な多幸感を前に、理性が掻き消えてしまったかのようだ。それしか言えなくなったみたいに、ブレアは「きもちい、きもちい」と繰り返す。
その言葉を受け、ラザレスは「かわいい」と微笑んだ。快楽に震える痩躯を掻き抱き、青い瞳を光らせる。
「……俺のものだ。誰にも渡さない」
切羽詰まった口調でつぶやき、彼は自身の陰茎を引き抜いた。有無を言わさずブレアの体をひっくり返し、うつぶせにした状態で再度挿入する。
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