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5-7 性別の垣根を超えて*
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「そうそう、飲み込みが早いな」
手と手を取り合い、ひとしきり踊り明かしたところで、ラザレスはブレアの腕を引いた。その場でつんのめり、ブレアはラザレスの胸板に倒れ込む。
「こ、光栄です……」
軽く息を弾ませ、謙遜する。高鳴る鼓動は軽い運動によるものか、それとも気恥ずかしさゆえか、区別がつかない。
「また敬語」
ラザレスは指先でブレアの額をつつき、口を尖らせた。ステップの踏み方を教えてもらう折、友人のように接するよう指摘されたばかりだ。
ブレアは決まり悪そうに視線を逸らし、「でも……」と言葉を濁した。そうした素振りに苦笑しつつ、ラザレスは応酬する。
「堅苦しいのは好きじゃない。おまえとは気心知れた仲でいたいんだ」
星のような碧眼に見つめられ、ブレアは「わ、わかった……」と口ごもった。赤みを帯びていた頬が、よりいっそう熱くなる。
それを見つめ、ラザレスは満足そうに片頬を上げた。ブレアの前髪を掻き分けて額にくちびるを落とし、次いで彼女の痩躯を抱きしめる。
「はは、欲しくなってきた……」
乾いた声で笑い、彼は熱く湿った息を吐いた。
ドレス越しに伝わってくる手の感触に、ブレアは言わんとする意味を察する。男らしいごつごつとした手のひらが、背中や腰、臀部を揉みしだくように這っている。
「あっ……! ラザ、レス……」
途端に体の力が入らなくなり、ブレアは声を上擦らせた。形式ばった敬称を散々注意されたため、逡巡しつつも彼の名を呼ぶ。そうこうしている間にも、下腹は色めき立っていく。
楽しく踊り明かしていたせいですっかり忘れていたが、しばらく前までヒートを発症していたのだ。きっかけさえあればすぐにでも、体の芯が火照ってしまう。
「くす、ぐったい……!」
ビクン、と大仰に背筋を揺らし、ブレアは彼の手から逃げるべく身をよじった。ラザレスは離すまいと腕を絡める。
「嫌か?」
なかば覆いかぶさるように抱きしめ、ラザレスはつぶやいた。懇願するような口ぶりに胸が締め付けられ、ブレアは二の句が継げない。
「……嫌、じゃない」
それを聞くや否や、ラザレスは庭に出たとき同様、ブレアを横抱きにして部屋に戻った。
夜会用とおぼしき靴を煩わしそうに脱ぎ捨て、ブレアをベッドに腰かけさせる。唯一の明かりであるろうそくはぐずぐずに溶け、淫靡な光を灯していた。
「脱がせるぞ」
流れるような身のこなしで背面に回り、ラザレスはドレスの金具に手をかけた。慣れた手つきにどぎまぎしつつ、ブレアは視線を泳がせる。
しゅるしゅるとほどける音がして、体が締め付けから解き放たれていく。圧迫されていた緊張が心地良い疲労に変わり、酔いのような感覚が総身を巡る。
まるで、夢を見ているような心地良さだ。一方、彼の指先が素肌をかすめるたび、胸の奥が切なくなる。
「あっ……!」
上半身を脱がされ、ブレアは堪らず声を漏らした。体をいっぺんに撫でられたような気がして、自ずと息が弾んでしまう。
ヒートがぶり返してしまったせいか、一刻も早く触れ合いたくて堪らない。
わずかな隙間も許さないほど体を密着させ、溶け合いたい――そうしなければ窒息してしまうのではないかというほど、息が苦しくて仕方ない。
「……ラザ、レス…………!」
複雑なドレープに取り掛かるラザレスに対し、ブレアは消え入りそうな声で訴えかけた。
早く、早く、早く――高鳴る鼓動の向こうでは、抑えきれない衝動がもんどり打っている。
そのかたわら、ラザレスは黙々と作業に取り組んでいた。着せるのに時間を要したように、脱がせるのもまた、それなりの手間がかかるのだ。
はだけたドレスの真ん中で、ブレアはこれまでの交わりを頭のなかで反芻させた。
乳房を揉まれ、くちびるを重ね、大事なところを何度も何度も突き上げられる――記憶の断片とは思えない生々しい感触の連なりに、焦りがどんどん降り積もる。まさにこれから、そういう行為に溺れようとしているのだ。
ラザレスはドレスが入っていた簡易クローゼットの扉を開き、脱がせたものを軽く畳んで中に入れた。
雑に扱って壊さないよう、配慮しているのだろう。そうした優しさに舞い上がるも、下腹の疼きは止まらない。むしろ、乱暴に扱ってくれてもいいのに、と泣きじゃくってしまいそうだ。
ややあってシュミーズとショーツを脱がされ、一糸まとわぬ姿となった。並行して自分の装備を外していたらしく、彼も同様の格好だ。
「んっ、んんッ……!」
ブレアは一目散に彼の胸板に飛び込み、膝立ちの状態でラザレスの両頬を押さえつけた。彼はシーツで胡坐をかいているため、目線はこちらのほうがやや上だ。
互いにねっとりとした視線を交わしたのち、ブレアは自身のくちびるを押し付けた。薄く開かれた口の隙間に、おずおずと舌を割り挿れる。
「はッ、あ……フ、んう……」
だんだん夢中になってきて、角度を変えて深く絡めた。散々おあずけされていた犬が餌を貪るように、彼の舌をひたすら舐る。
そうしなければ凍えてしまうと言わんばかりに、ふたりは自分の素肌を押し付けた。互いの熱がこすれ合い、それだけで昇りつめてしまいそうになる。
そうこうしているうちに、固いしこりを下腹に感じた。ブレアは視線を下げ、期待を孕んだ目つきで脂下がる。
「ん、はあっ……! おっき、ぃ……」
そそり立つ陰茎に自身の陰部を押し付け、嬌笑交じりにはにかんだ。
ラザレスは吐息だけで小さく笑い、ブレアの腰に腕を回して押し倒す。膝立ちで彼の頭を抱え込んでいたのが一転、正常位で組み敷かれた。
「足の付け根までぐっしょりだな」
漏れ伝う粘液を指でなぞり、ラザレスは薄く笑った。自身の発情っぷりを突き付けられた気がして、ブレアは決まり悪く顔を背ける。
そうしている間も、淫花はαの精を求めてわなないていた。ドレス越しに体をまさぐられた時からずっと、犯される瞬間に焦がれていたのだ。
触れられたわけでもないのに、ブレアは腰をく、く、く、と小刻みに反らした。
一刻も早くこの切なさを埋めて欲しくて、視界が煽情的に潤んでしまう。腹の奥に眠る快楽の臓器は収斂を繰り返し、虚構の快楽に溺れている。
「もう我慢ならない」という言外の意思を汲んでか、ラザレスは粘膜の縁取りに指を突き立てた。
「あうっ!」
総身を震わせ、ブレアは目を白黒させる。いきなりの侵入に驚き、体が過剰に反応したのだ。しかし、悦びのほうが大きいせいか、次第に表情がゆるんでいく。
「アッ、だめぇっ……!」
好いところを探り当てられ、頭のなかに火花が散った。焦らされたフラストレーションが快感に代わり、理性が多幸感に蹂躙される。
「やっ、やだ……! アアアッ……!」
指を抜き差しされるたび、色白の痩躯がビクン、ビクン、と跳ねあがる。その都度押し出される嬌声に汚辱感を覚え、声を殺すようにくちびるを食む。先ほどからずっと、浅い絶頂が止まらない。
その様を見て、ラザレスは青い双眸をギラギラと光らせた。αの性を彷彿させるような、嗜虐と独占欲にまみれた瞳だ。
手と手を取り合い、ひとしきり踊り明かしたところで、ラザレスはブレアの腕を引いた。その場でつんのめり、ブレアはラザレスの胸板に倒れ込む。
「こ、光栄です……」
軽く息を弾ませ、謙遜する。高鳴る鼓動は軽い運動によるものか、それとも気恥ずかしさゆえか、区別がつかない。
「また敬語」
ラザレスは指先でブレアの額をつつき、口を尖らせた。ステップの踏み方を教えてもらう折、友人のように接するよう指摘されたばかりだ。
ブレアは決まり悪そうに視線を逸らし、「でも……」と言葉を濁した。そうした素振りに苦笑しつつ、ラザレスは応酬する。
「堅苦しいのは好きじゃない。おまえとは気心知れた仲でいたいんだ」
星のような碧眼に見つめられ、ブレアは「わ、わかった……」と口ごもった。赤みを帯びていた頬が、よりいっそう熱くなる。
それを見つめ、ラザレスは満足そうに片頬を上げた。ブレアの前髪を掻き分けて額にくちびるを落とし、次いで彼女の痩躯を抱きしめる。
「はは、欲しくなってきた……」
乾いた声で笑い、彼は熱く湿った息を吐いた。
ドレス越しに伝わってくる手の感触に、ブレアは言わんとする意味を察する。男らしいごつごつとした手のひらが、背中や腰、臀部を揉みしだくように這っている。
「あっ……! ラザ、レス……」
途端に体の力が入らなくなり、ブレアは声を上擦らせた。形式ばった敬称を散々注意されたため、逡巡しつつも彼の名を呼ぶ。そうこうしている間にも、下腹は色めき立っていく。
楽しく踊り明かしていたせいですっかり忘れていたが、しばらく前までヒートを発症していたのだ。きっかけさえあればすぐにでも、体の芯が火照ってしまう。
「くす、ぐったい……!」
ビクン、と大仰に背筋を揺らし、ブレアは彼の手から逃げるべく身をよじった。ラザレスは離すまいと腕を絡める。
「嫌か?」
なかば覆いかぶさるように抱きしめ、ラザレスはつぶやいた。懇願するような口ぶりに胸が締め付けられ、ブレアは二の句が継げない。
「……嫌、じゃない」
それを聞くや否や、ラザレスは庭に出たとき同様、ブレアを横抱きにして部屋に戻った。
夜会用とおぼしき靴を煩わしそうに脱ぎ捨て、ブレアをベッドに腰かけさせる。唯一の明かりであるろうそくはぐずぐずに溶け、淫靡な光を灯していた。
「脱がせるぞ」
流れるような身のこなしで背面に回り、ラザレスはドレスの金具に手をかけた。慣れた手つきにどぎまぎしつつ、ブレアは視線を泳がせる。
しゅるしゅるとほどける音がして、体が締め付けから解き放たれていく。圧迫されていた緊張が心地良い疲労に変わり、酔いのような感覚が総身を巡る。
まるで、夢を見ているような心地良さだ。一方、彼の指先が素肌をかすめるたび、胸の奥が切なくなる。
「あっ……!」
上半身を脱がされ、ブレアは堪らず声を漏らした。体をいっぺんに撫でられたような気がして、自ずと息が弾んでしまう。
ヒートがぶり返してしまったせいか、一刻も早く触れ合いたくて堪らない。
わずかな隙間も許さないほど体を密着させ、溶け合いたい――そうしなければ窒息してしまうのではないかというほど、息が苦しくて仕方ない。
「……ラザ、レス…………!」
複雑なドレープに取り掛かるラザレスに対し、ブレアは消え入りそうな声で訴えかけた。
早く、早く、早く――高鳴る鼓動の向こうでは、抑えきれない衝動がもんどり打っている。
そのかたわら、ラザレスは黙々と作業に取り組んでいた。着せるのに時間を要したように、脱がせるのもまた、それなりの手間がかかるのだ。
はだけたドレスの真ん中で、ブレアはこれまでの交わりを頭のなかで反芻させた。
乳房を揉まれ、くちびるを重ね、大事なところを何度も何度も突き上げられる――記憶の断片とは思えない生々しい感触の連なりに、焦りがどんどん降り積もる。まさにこれから、そういう行為に溺れようとしているのだ。
ラザレスはドレスが入っていた簡易クローゼットの扉を開き、脱がせたものを軽く畳んで中に入れた。
雑に扱って壊さないよう、配慮しているのだろう。そうした優しさに舞い上がるも、下腹の疼きは止まらない。むしろ、乱暴に扱ってくれてもいいのに、と泣きじゃくってしまいそうだ。
ややあってシュミーズとショーツを脱がされ、一糸まとわぬ姿となった。並行して自分の装備を外していたらしく、彼も同様の格好だ。
「んっ、んんッ……!」
ブレアは一目散に彼の胸板に飛び込み、膝立ちの状態でラザレスの両頬を押さえつけた。彼はシーツで胡坐をかいているため、目線はこちらのほうがやや上だ。
互いにねっとりとした視線を交わしたのち、ブレアは自身のくちびるを押し付けた。薄く開かれた口の隙間に、おずおずと舌を割り挿れる。
「はッ、あ……フ、んう……」
だんだん夢中になってきて、角度を変えて深く絡めた。散々おあずけされていた犬が餌を貪るように、彼の舌をひたすら舐る。
そうしなければ凍えてしまうと言わんばかりに、ふたりは自分の素肌を押し付けた。互いの熱がこすれ合い、それだけで昇りつめてしまいそうになる。
そうこうしているうちに、固いしこりを下腹に感じた。ブレアは視線を下げ、期待を孕んだ目つきで脂下がる。
「ん、はあっ……! おっき、ぃ……」
そそり立つ陰茎に自身の陰部を押し付け、嬌笑交じりにはにかんだ。
ラザレスは吐息だけで小さく笑い、ブレアの腰に腕を回して押し倒す。膝立ちで彼の頭を抱え込んでいたのが一転、正常位で組み敷かれた。
「足の付け根までぐっしょりだな」
漏れ伝う粘液を指でなぞり、ラザレスは薄く笑った。自身の発情っぷりを突き付けられた気がして、ブレアは決まり悪く顔を背ける。
そうしている間も、淫花はαの精を求めてわなないていた。ドレス越しに体をまさぐられた時からずっと、犯される瞬間に焦がれていたのだ。
触れられたわけでもないのに、ブレアは腰をく、く、く、と小刻みに反らした。
一刻も早くこの切なさを埋めて欲しくて、視界が煽情的に潤んでしまう。腹の奥に眠る快楽の臓器は収斂を繰り返し、虚構の快楽に溺れている。
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「やっ、やだ……! アアアッ……!」
指を抜き差しされるたび、色白の痩躯がビクン、ビクン、と跳ねあがる。その都度押し出される嬌声に汚辱感を覚え、声を殺すようにくちびるを食む。先ほどからずっと、浅い絶頂が止まらない。
その様を見て、ラザレスは青い双眸をギラギラと光らせた。αの性を彷彿させるような、嗜虐と独占欲にまみれた瞳だ。
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