16 / 37
4-4 憧れだけでよかった
しおりを挟む
「殿下、おっしゃる意味が……」
視線を左右に泳がせ、ブレアは声を震わせた。
ラザレスは窓枠に足をかけ、蹴立てて部屋から外に出る。前回の来訪同様、比較的動きやすい服装だ。
「――『剣を取れ』と言った」
地面に突き刺さった刃をあごでしゃくり、ラザレスは苛立たしげに帯剣に触れた。殺気立った表情から察するに、話し合いの余地はなさそうだ。
冷たい汗が背筋を伝い、ブレアは顔をこわばらせた。勘違いしているだけ――そのわずかな可能性に賭け、自身はブレンダであることを主張する。
「そうおっしゃいましても、私は騎士ではございません。しがない庶子の娘です。それに異母兄は先月、流行り病で亡くなりました」
そう言って、じりじりと後退る。雨水を溜めておく巨大な水瓶が、かかとに当たって行く手を拒んだ。ひんやりとした陶器の感触が、スカート越しに伝わる。
「白々しい嘘はよせ」
ラザレスはこちらを睥睨したまま、ゆっくりと剣を引き抜いた。さんさんと照り付ける日の光を受け、白銀の刃がギラリと光る。
「話を聞いてください、殿下……! きっと、なにか誤解なさっているのです……!」
「とぼけるな」
異を唱えるも、すかさず遮られた。焦燥のあまり、二の句が継げない。
なぜ、ばれたのか――自問を繰り返すも答えは一向に出てこない。
ブレアが『ブレンダ』を装っている事実を知るのは、父であるスタンレーと乳母のクラリスくらいだ。タウンゼント家の人間である彼らが、ブレアの経歴詐称を打ち明けるとは思えない。
思考を巡らせつつも、数日前の同衾を振り返った。事後、件のメダルを床に落としていたことを思い出す。もし、あれを見られたのだとしたら。
そこまで考え、ブレアは眉間にしわを寄せた。それはない――異を唱える声が耳底に響く。
部屋は充分暗かった。つま先に当たった物体が、五年前のメダルかどうか判別するなんて不可能だ。そもそも、ラザレスが当時のことを覚えている確証はない。
――やはり、情報が漏れたのだろうか。だとしたら、どうやって。
逡巡しつつ、ブレアはラザレスを見つめ返した。剣呑とした雰囲気から察するに、当てずっぽうではなさそうだ。なにかしらの確証をつかんでいるのだろう。
「時間の無駄だ」
ラザレスは剣を構え、鼻を鳴らした。嘲笑するその表情に悪い予感がして、ブレアは口を引き結ぶ。それを見て、彼はいびつに口角を持ち上げた。
「おまえの正体なんて、墓を暴けば分かる。どうせ空の棺を埋めたんだろう? 騎士の誇りが傷つくことを恐れ、おまえは自分の死を偽装したんだ。女であり、Ωでもあることがばれたら、周囲に示しがつかないからな」
ラザレスの指摘に、喉笛がヒュウと鳴る。図星を指され、返す言葉が見つからない。ブレアは切羽詰まった表情で、「待ってください……!」と声を震わせた。
「どうした? おまえが本当にブレンダなら、異母兄の墓なんてどうでもいいだろう?」
「そ、それは……」
言葉を濁すブレアに対し、ラザレスは剣を振りかぶった。実戦用の真剣だ。今すぐ応戦しなければ、致命傷は免れない。地面に突き刺さったもう一本の刃が、視界の端でまぶしく光る。
「そんなにしらを切りたいなら、続きはあの世でやるんだな……!」
天高く上った太陽を背に、ラザレスは吠えたてた。
逃げ場のない危機的状況を前に、ブレアは反射的に腕を伸ばした。地面に突き立てられた大ぶりの剣が、呼応するかのようにぎらり、と輝く。
この場を上手く収めなければ、タウンゼント家にも嫌疑がかかる。
のっぴきならない事情があるにせよ、正体を偽って後宮に入ったのだ。領主であるスタンレーに責任が及んでも不思議ではない。
すかさず剣を引き抜き、迫りくる刃を弾き返した。ラザレスはたたらを踏み、次なる一撃を繰り広げる。
「この太刀筋……とうとう尻尾を出したな!」
獣のように吠え、彼はブレアに斬撃を浴びせた。息をつく暇すらない猛攻だ。受け流すだけでも、額に汗がにじんでくる。
「ずっとこの時を夢見てきた……! おまえと剣を交える瞬間を……!」
晴天を思わせるαの碧眼が、嗜虐的な輝きをみせる。
目の焦点が定まらないその姿は、血に飢えた獅子を彷彿させた。戦うことに興奮しているのか、隆起した頬はねっとりとした赤みを帯びている。
「待ってください……! 話を……!」
四方から繰り出される剣戟に翻弄されつつ、ブレアは弁解を試みた。その声が届くことなく、更なる追撃が降り注ぐ。
「ぐっ……!」
じりじりと圧され、次第に逃げ場がなくなっていく。ローブのスカートが揺れるたび、ポケットにしまったメダルが揺れる。
五年前のあの日、ラザレスは再戦を望んでいると言った。ブレアもそのことは記憶している。
彼の気持ちに応えなかったのは、自身の正体を気取らせないためだ。
しかし、それだけが理由ではない。「どうせ、社交辞令だろう」と遠慮する気持ちがあったのもまた、事実だった。
ラザレスの重い一打を受け、ブレアは表情を歪ませた。
あまりにも力が強すぎて、手元がわなわなと震えてしまう。それでもなんとか弾き返し、反撃とばかりに剣を振るった。
彼がここまで自分との再戦にこだわっていただなんて、ブレアは予想すらしていなかった。こちらが勝手に忠誠を誓い、慕っているだけだと思い込んでいたのだ。
「ようやくその気になったようだな!」
攻めの姿勢に転じるブレアを前に、ラザレスは嬉々とした口調で叫んだ。こちらの反撃によろけながらも、青い双眸は闘志に燃えている。
ブレアは「ヤッ」と威勢のいい声を発し、相手の懐に踏み込んだ。
二つの白刃は火花を散らし、風切り音が後に続く。うららかな昼下がり、そよ風に揺れる洗いざらしのシーツが、決闘の行く末を静観している。
実力と経験の差でラザレスを追いつめるかたわら、ブレアは思案に暮れた。
本物の剣で闘っている以上、降せば相手を負傷させかねない。レンジイトンの第二皇太子ともあろう人物に怪我でもさせたら、経歴詐称どころではない大騒ぎだ。
ふうふうと肩で息をするラザレスを一瞥し、ブレアは剣を振るった。
相手は既に消耗しきっているせいか、体の軸がぶれている。そろそろ勝敗がつく頃合いだろう。
ブレアは隙をうかがうも、タイミングがつかめずにいた。ラザレスがしぶとく食いついてくるため、致命傷を回避した決定打を出せずにいるのだ。互いに甲冑を装着していないことが悔やまれる。
膠着状態に転じつつある戦況で、洗いざらしのシーツが視界をよぎった。先ほど自分で洗濯したものだ。手を伸ばして引っ張れば、目くらましくらいにはなるだろう。
そう考えるより先に、ブレアは勢いよくシーツを引いた。
視界を奪われ硬直するラザレスのみぞおち目掛け、肘鉄を喰らわせる。
「ぐあッ……!」
急所に入ったのか、ラザレスは剣を落としてくずおれた。
ブレアはすかさず彼の剣を蹴り飛ばし、手が届かない場所へ追い払う。全身にシーツがかかっている状態のため、相手の表情はうかがえない。
「ご無礼、お許しください」
ブレアは手中の剣を地面に突き刺し、凛とした声で頭を下げた。ひとまず一件落着か――声に出さず独りごち、愁眉を開く。
これでは自ら正体をばらしたようなものだが、気の良いラザレスのことだから、事情を話せばきっと理解してくれるだろう。
そんなことを考えていると、突如、目の前の白布がひるがえった。
「――わっ!?」
視界を遮られたところで足払いを受け、成す術もなくひっくり返る。
シーツの上に尻もちをつき、目を白黒させていると、そのままラザレスに組み敷かれた。両手首を押さえつけられ、身動きが取れない状態だ。
「ハハ、俺の勝ち……!」
ぜえぜえと肩を上下させ、ラザレスは乾いた声で笑った。その背後で風に吹かれた木漏れ日が、心地よさそうに明滅している。
視線を左右に泳がせ、ブレアは声を震わせた。
ラザレスは窓枠に足をかけ、蹴立てて部屋から外に出る。前回の来訪同様、比較的動きやすい服装だ。
「――『剣を取れ』と言った」
地面に突き刺さった刃をあごでしゃくり、ラザレスは苛立たしげに帯剣に触れた。殺気立った表情から察するに、話し合いの余地はなさそうだ。
冷たい汗が背筋を伝い、ブレアは顔をこわばらせた。勘違いしているだけ――そのわずかな可能性に賭け、自身はブレンダであることを主張する。
「そうおっしゃいましても、私は騎士ではございません。しがない庶子の娘です。それに異母兄は先月、流行り病で亡くなりました」
そう言って、じりじりと後退る。雨水を溜めておく巨大な水瓶が、かかとに当たって行く手を拒んだ。ひんやりとした陶器の感触が、スカート越しに伝わる。
「白々しい嘘はよせ」
ラザレスはこちらを睥睨したまま、ゆっくりと剣を引き抜いた。さんさんと照り付ける日の光を受け、白銀の刃がギラリと光る。
「話を聞いてください、殿下……! きっと、なにか誤解なさっているのです……!」
「とぼけるな」
異を唱えるも、すかさず遮られた。焦燥のあまり、二の句が継げない。
なぜ、ばれたのか――自問を繰り返すも答えは一向に出てこない。
ブレアが『ブレンダ』を装っている事実を知るのは、父であるスタンレーと乳母のクラリスくらいだ。タウンゼント家の人間である彼らが、ブレアの経歴詐称を打ち明けるとは思えない。
思考を巡らせつつも、数日前の同衾を振り返った。事後、件のメダルを床に落としていたことを思い出す。もし、あれを見られたのだとしたら。
そこまで考え、ブレアは眉間にしわを寄せた。それはない――異を唱える声が耳底に響く。
部屋は充分暗かった。つま先に当たった物体が、五年前のメダルかどうか判別するなんて不可能だ。そもそも、ラザレスが当時のことを覚えている確証はない。
――やはり、情報が漏れたのだろうか。だとしたら、どうやって。
逡巡しつつ、ブレアはラザレスを見つめ返した。剣呑とした雰囲気から察するに、当てずっぽうではなさそうだ。なにかしらの確証をつかんでいるのだろう。
「時間の無駄だ」
ラザレスは剣を構え、鼻を鳴らした。嘲笑するその表情に悪い予感がして、ブレアは口を引き結ぶ。それを見て、彼はいびつに口角を持ち上げた。
「おまえの正体なんて、墓を暴けば分かる。どうせ空の棺を埋めたんだろう? 騎士の誇りが傷つくことを恐れ、おまえは自分の死を偽装したんだ。女であり、Ωでもあることがばれたら、周囲に示しがつかないからな」
ラザレスの指摘に、喉笛がヒュウと鳴る。図星を指され、返す言葉が見つからない。ブレアは切羽詰まった表情で、「待ってください……!」と声を震わせた。
「どうした? おまえが本当にブレンダなら、異母兄の墓なんてどうでもいいだろう?」
「そ、それは……」
言葉を濁すブレアに対し、ラザレスは剣を振りかぶった。実戦用の真剣だ。今すぐ応戦しなければ、致命傷は免れない。地面に突き刺さったもう一本の刃が、視界の端でまぶしく光る。
「そんなにしらを切りたいなら、続きはあの世でやるんだな……!」
天高く上った太陽を背に、ラザレスは吠えたてた。
逃げ場のない危機的状況を前に、ブレアは反射的に腕を伸ばした。地面に突き立てられた大ぶりの剣が、呼応するかのようにぎらり、と輝く。
この場を上手く収めなければ、タウンゼント家にも嫌疑がかかる。
のっぴきならない事情があるにせよ、正体を偽って後宮に入ったのだ。領主であるスタンレーに責任が及んでも不思議ではない。
すかさず剣を引き抜き、迫りくる刃を弾き返した。ラザレスはたたらを踏み、次なる一撃を繰り広げる。
「この太刀筋……とうとう尻尾を出したな!」
獣のように吠え、彼はブレアに斬撃を浴びせた。息をつく暇すらない猛攻だ。受け流すだけでも、額に汗がにじんでくる。
「ずっとこの時を夢見てきた……! おまえと剣を交える瞬間を……!」
晴天を思わせるαの碧眼が、嗜虐的な輝きをみせる。
目の焦点が定まらないその姿は、血に飢えた獅子を彷彿させた。戦うことに興奮しているのか、隆起した頬はねっとりとした赤みを帯びている。
「待ってください……! 話を……!」
四方から繰り出される剣戟に翻弄されつつ、ブレアは弁解を試みた。その声が届くことなく、更なる追撃が降り注ぐ。
「ぐっ……!」
じりじりと圧され、次第に逃げ場がなくなっていく。ローブのスカートが揺れるたび、ポケットにしまったメダルが揺れる。
五年前のあの日、ラザレスは再戦を望んでいると言った。ブレアもそのことは記憶している。
彼の気持ちに応えなかったのは、自身の正体を気取らせないためだ。
しかし、それだけが理由ではない。「どうせ、社交辞令だろう」と遠慮する気持ちがあったのもまた、事実だった。
ラザレスの重い一打を受け、ブレアは表情を歪ませた。
あまりにも力が強すぎて、手元がわなわなと震えてしまう。それでもなんとか弾き返し、反撃とばかりに剣を振るった。
彼がここまで自分との再戦にこだわっていただなんて、ブレアは予想すらしていなかった。こちらが勝手に忠誠を誓い、慕っているだけだと思い込んでいたのだ。
「ようやくその気になったようだな!」
攻めの姿勢に転じるブレアを前に、ラザレスは嬉々とした口調で叫んだ。こちらの反撃によろけながらも、青い双眸は闘志に燃えている。
ブレアは「ヤッ」と威勢のいい声を発し、相手の懐に踏み込んだ。
二つの白刃は火花を散らし、風切り音が後に続く。うららかな昼下がり、そよ風に揺れる洗いざらしのシーツが、決闘の行く末を静観している。
実力と経験の差でラザレスを追いつめるかたわら、ブレアは思案に暮れた。
本物の剣で闘っている以上、降せば相手を負傷させかねない。レンジイトンの第二皇太子ともあろう人物に怪我でもさせたら、経歴詐称どころではない大騒ぎだ。
ふうふうと肩で息をするラザレスを一瞥し、ブレアは剣を振るった。
相手は既に消耗しきっているせいか、体の軸がぶれている。そろそろ勝敗がつく頃合いだろう。
ブレアは隙をうかがうも、タイミングがつかめずにいた。ラザレスがしぶとく食いついてくるため、致命傷を回避した決定打を出せずにいるのだ。互いに甲冑を装着していないことが悔やまれる。
膠着状態に転じつつある戦況で、洗いざらしのシーツが視界をよぎった。先ほど自分で洗濯したものだ。手を伸ばして引っ張れば、目くらましくらいにはなるだろう。
そう考えるより先に、ブレアは勢いよくシーツを引いた。
視界を奪われ硬直するラザレスのみぞおち目掛け、肘鉄を喰らわせる。
「ぐあッ……!」
急所に入ったのか、ラザレスは剣を落としてくずおれた。
ブレアはすかさず彼の剣を蹴り飛ばし、手が届かない場所へ追い払う。全身にシーツがかかっている状態のため、相手の表情はうかがえない。
「ご無礼、お許しください」
ブレアは手中の剣を地面に突き刺し、凛とした声で頭を下げた。ひとまず一件落着か――声に出さず独りごち、愁眉を開く。
これでは自ら正体をばらしたようなものだが、気の良いラザレスのことだから、事情を話せばきっと理解してくれるだろう。
そんなことを考えていると、突如、目の前の白布がひるがえった。
「――わっ!?」
視界を遮られたところで足払いを受け、成す術もなくひっくり返る。
シーツの上に尻もちをつき、目を白黒させていると、そのままラザレスに組み敷かれた。両手首を押さえつけられ、身動きが取れない状態だ。
「ハハ、俺の勝ち……!」
ぜえぜえと肩を上下させ、ラザレスは乾いた声で笑った。その背後で風に吹かれた木漏れ日が、心地よさそうに明滅している。
15
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。

一途なエリート騎士の指先はご多忙。もはや暴走は時間の問題か?
はなまる
恋愛
シエルは20歳。父ルドルフはセルベーラ国の国王の弟だ。17歳の時に婚約するが誤解を受けて婚約破棄された。以来結婚になど目もくれず父の仕事を手伝って来た。
ところが2か月前国王が急死してしまう。国王の息子はまだ12歳でシエルの父が急きょ国王の代理をすることになる。ここ数年天候不順が続いてセルベーラ国の食糧事情は危うかった。
そこで隣国のオーランド国から作物を輸入する取り決めをする。だが、オーランド国の皇帝は無類の女好きで王族の女性を一人側妃に迎えたいと申し出た。
国王にも王女は3人ほどいたのだが、こちらもまだ一番上が14歳。とても側妃になど行かせられないとシエルに白羽の矢が立った。シエルは国のためならと思い腰を上げる。
そこに護衛兵として同行を申し出た騎士団に所属するボルク。彼は小さいころからの知り合いで仲のいい友達でもあった。互いに気心が知れた中でシエルは彼の事を好いていた。
彼には面白い癖があってイライラしたり怒ると親指と人差し指を擦り合わせる。うれしいと親指と中指を擦り合わせ、照れたり、言いにくい事があるときは親指と薬指を擦り合わせるのだ。だからボルクが怒っているとすぐにわかる。
そんな彼がシエルに同行したいと申し出た時彼は怒っていた。それはこんな話に怒っていたのだった。そして同行できる事になると喜んだ。シエルの心は一瞬にしてざわめく。
隣国の例え側妃といえども皇帝の妻となる身の自分がこんな気持ちになってはいけないと自分を叱咤するが道中色々なことが起こるうちにふたりは仲は急接近していく…
この話は全てフィクションです。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
腹黒宰相との白い結婚
黎
恋愛
大嫌いな腹黒宰相ロイドと結婚する羽目になったランメリアは、条件をつきつけた――これは白い結婚であること。代わりに側妻を娶るも愛人を作るも好きにすればいい。そう決めたはずだったのだが、なぜか、周囲が全力で溝を埋めてくる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる