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2-3 約束のメダル
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「探してたんだよ、おまえのこと」
そう言って、ラザレスはブレアの両手をつかんだ。言葉の真意が汲み取れず、ブレアは兜の下でへどもどする。
彼は「自己紹介しなきゃな」とつぶやいて手を離すと、馬鹿でかい帽子を取ってはにかんだ。
「第二皇太子のラザレスだ。知ってるか?」
「え、ええ。もちろんです……」
中途半端な甲冑姿のまま、ブレアは床にひざまずいた。皇太子殿下ともあろう御人と立ち話だなんて、無礼にもほどがある。
「よせよ。お忍びなんだから」
ラザレスは自身の服を一瞥し、不服そうに口を尖らせた。庶民に変装しようとして、ちぐはぐな組み合わせになったらしい。
事情は理解できたものの、かしこまった態度を崩すつもりはなかった。たとえ『お忍び』だとしても、ラザレスが偉いことに変わりはないのだ。
「ったく、仕方ないな」
ラザレスは見かねた様子で嘆息すると、自身も床の上に胡坐をかいた。ひざまずくブレアに対し、目線を合わせる恰好だ。
夕日で照らされた室内に伸びる、二つの影。
赤い光に浮かぶ快活な青い瞳が、なんとも言えない雰囲気を醸し出している。
「さっきの試合、悪いことをしたな」
沈黙のなか、ラザレスはぽつりと口火を切った。ブレアは言わんとすることが理解できず、「え?」と顔を上げる。
「俺を勝たせるよう、大会の関係者に言われたんだろ?」
ラザレスはポケットからメダルを取りだし、もてあそびながら言葉を継いだ。
優勝記念の褒章だ。黄金でできた小さな円盤には、首掛け用のリボンが取り付けられている。
「素顔を隠していれば、忖度されないと思ったんだけどなぁ……」
手中のメダルに目を落とし、ラザレスは自嘲気味に微笑んだ。「こんなふうに勝ったって、嬉しくないのに」と言いながら。
「も、申し訳ございません! 私が至らないばかりに、殿下に不快な思いをさせてしまい……!」
ブレアは五体投地する勢いで頭を下げ、非礼を詫びた。彼と剣を交えた時のことを思い出しては、罪悪感が込み上げる。
「真面目だな、おまえ」
ラザレスはプッ、と吹き出すと、腹を揺すって哄笑した。
誠意のある受け答えをしただけなのに、とブレアは兜の下で小首を傾げる。
「ま、真面目……?」
「ああ、悪い。なんだかおかしくって」
そう言うと、ラザレスは思い立ったように顔を寄せ、ヘルムのなかを覗き込んだ。
格子越しに視線が交わり、ブレアは頬を赤らめる。呼応するように、真っ青な瞳が弧を描いた。
「オリーブ色なんだな。きれいな目だ」
居住まいを正し、ラザレスは目元にしわを寄せた。王族らしからぬ、屈託のない笑い方だ。
きっと、天性の人たらしなのだろう。コンプレックスである女々しい容姿を褒められ、甲冑に覆われた体が熱くなる。
高鳴る鼓動を抑えるべく、ブレアは兜の下で目を泳がせた。しかし、探せども探せども、胸の音を鎮める手段はない。そうこうしていると、視界に先ほどの褒章が現れた。
「やるよ。元はといえばおまえのものだ」
手中のメダルをためらいなく差し出し、ラザレスは嫌味なくはにかんだ。
大会の勝者にのみ贈られる、神聖なメダルだ。ブレアは「ダメです!」と声を荒げ、金色のそれを押し返す。
「殿下に贈られた記念品です! 受け取れません!」
「俺が貰ったものなんだから、どう扱おうが勝手だろ!」
「ダメったらダメです!」
「ほんっと真面目だな、おまえは!」
ラザレスは目を吊り上げて癇声を発し、ブレアの腕をグイッとつかんだ。色白の手をこじ開け、メダルを無理やり握らせる。着替えの途中だったから、腕と足は鎧を着けていない状態だ。
「ずいぶん細いな……ちゃんと食ってるか?」
薄手のシャツから伸びる白い手首をうろんに見つめ、ラザレスは心配そうにこちらを見遣った。
ブレアは弾かれたように腕を振りほどき、触れられた箇所を胸に押し当てる。女だとばれたのではないかと思うと、気が気じゃなかった。
「それはもう……いっぱい食べてます」
声が震えそうになるのを堪え、取り繕う。
自分では大飯喰らいのつもりでも、周りの兵士と比べるとその半分も食べていなかった。きっと生来の少食なのだろう。だから体の発育が悪いのだ。
ラザレスは訝しげに「ふーん」と相槌を打つと、納得のいかない顔でこちらを見遣った。なにか言いたげな表情だ。
これ以上詮索されては敵わない――そう思い、ブレアは思いの丈を打ち明ける。
「実は、体が小さいのがコンプレックスなんです……だから、あまり見られたくなくて」
手中のメダルを握りしめ、か細い声で応酬する。
「体が小さいのを気にしている」という体ならば、女だとばれずに済む。体を見せたくないとあらかじめ宣言することにより、甲冑を外せと言われるリスクも回避できるという寸法だ。
事実、この作戦は有効だったらしく、ラザレスは決まり悪そうに肩を落とした。
「すまない……。あれだけの腕前にもかかわらず、小柄なのが少し意外で……」
不躾だったな。そう付け加え、ラザレスは自身の非礼を素直に詫びた。
ここまで誠意ある対応をされると心苦しさが勝るが、実際コンプレックスである以上、あながち嘘はついていない。
ブレアは兜の下で首をすくめ、「恐縮です」とつぶやいた。それを見て、ラザレスが破顔する。
「おまえ、歳は?」
「十四です」
「俺の二つ下か……なら、これから大きくなるよ! 俺だって数年前は、こーんなチビだったし!」
ラザレスは両手を使って当時の身長を示すも、それがあまりにも小さすぎて、ブレアは思わず笑ってしまった。こちらが委縮しないよう、ひょうきんに振舞っているのだ。そうした優しさに、胸があたたかくなる。
ふたりでひとしきり笑い転げると、ラザレスは視線を落として切り出した。
そう言って、ラザレスはブレアの両手をつかんだ。言葉の真意が汲み取れず、ブレアは兜の下でへどもどする。
彼は「自己紹介しなきゃな」とつぶやいて手を離すと、馬鹿でかい帽子を取ってはにかんだ。
「第二皇太子のラザレスだ。知ってるか?」
「え、ええ。もちろんです……」
中途半端な甲冑姿のまま、ブレアは床にひざまずいた。皇太子殿下ともあろう御人と立ち話だなんて、無礼にもほどがある。
「よせよ。お忍びなんだから」
ラザレスは自身の服を一瞥し、不服そうに口を尖らせた。庶民に変装しようとして、ちぐはぐな組み合わせになったらしい。
事情は理解できたものの、かしこまった態度を崩すつもりはなかった。たとえ『お忍び』だとしても、ラザレスが偉いことに変わりはないのだ。
「ったく、仕方ないな」
ラザレスは見かねた様子で嘆息すると、自身も床の上に胡坐をかいた。ひざまずくブレアに対し、目線を合わせる恰好だ。
夕日で照らされた室内に伸びる、二つの影。
赤い光に浮かぶ快活な青い瞳が、なんとも言えない雰囲気を醸し出している。
「さっきの試合、悪いことをしたな」
沈黙のなか、ラザレスはぽつりと口火を切った。ブレアは言わんとすることが理解できず、「え?」と顔を上げる。
「俺を勝たせるよう、大会の関係者に言われたんだろ?」
ラザレスはポケットからメダルを取りだし、もてあそびながら言葉を継いだ。
優勝記念の褒章だ。黄金でできた小さな円盤には、首掛け用のリボンが取り付けられている。
「素顔を隠していれば、忖度されないと思ったんだけどなぁ……」
手中のメダルに目を落とし、ラザレスは自嘲気味に微笑んだ。「こんなふうに勝ったって、嬉しくないのに」と言いながら。
「も、申し訳ございません! 私が至らないばかりに、殿下に不快な思いをさせてしまい……!」
ブレアは五体投地する勢いで頭を下げ、非礼を詫びた。彼と剣を交えた時のことを思い出しては、罪悪感が込み上げる。
「真面目だな、おまえ」
ラザレスはプッ、と吹き出すと、腹を揺すって哄笑した。
誠意のある受け答えをしただけなのに、とブレアは兜の下で小首を傾げる。
「ま、真面目……?」
「ああ、悪い。なんだかおかしくって」
そう言うと、ラザレスは思い立ったように顔を寄せ、ヘルムのなかを覗き込んだ。
格子越しに視線が交わり、ブレアは頬を赤らめる。呼応するように、真っ青な瞳が弧を描いた。
「オリーブ色なんだな。きれいな目だ」
居住まいを正し、ラザレスは目元にしわを寄せた。王族らしからぬ、屈託のない笑い方だ。
きっと、天性の人たらしなのだろう。コンプレックスである女々しい容姿を褒められ、甲冑に覆われた体が熱くなる。
高鳴る鼓動を抑えるべく、ブレアは兜の下で目を泳がせた。しかし、探せども探せども、胸の音を鎮める手段はない。そうこうしていると、視界に先ほどの褒章が現れた。
「やるよ。元はといえばおまえのものだ」
手中のメダルをためらいなく差し出し、ラザレスは嫌味なくはにかんだ。
大会の勝者にのみ贈られる、神聖なメダルだ。ブレアは「ダメです!」と声を荒げ、金色のそれを押し返す。
「殿下に贈られた記念品です! 受け取れません!」
「俺が貰ったものなんだから、どう扱おうが勝手だろ!」
「ダメったらダメです!」
「ほんっと真面目だな、おまえは!」
ラザレスは目を吊り上げて癇声を発し、ブレアの腕をグイッとつかんだ。色白の手をこじ開け、メダルを無理やり握らせる。着替えの途中だったから、腕と足は鎧を着けていない状態だ。
「ずいぶん細いな……ちゃんと食ってるか?」
薄手のシャツから伸びる白い手首をうろんに見つめ、ラザレスは心配そうにこちらを見遣った。
ブレアは弾かれたように腕を振りほどき、触れられた箇所を胸に押し当てる。女だとばれたのではないかと思うと、気が気じゃなかった。
「それはもう……いっぱい食べてます」
声が震えそうになるのを堪え、取り繕う。
自分では大飯喰らいのつもりでも、周りの兵士と比べるとその半分も食べていなかった。きっと生来の少食なのだろう。だから体の発育が悪いのだ。
ラザレスは訝しげに「ふーん」と相槌を打つと、納得のいかない顔でこちらを見遣った。なにか言いたげな表情だ。
これ以上詮索されては敵わない――そう思い、ブレアは思いの丈を打ち明ける。
「実は、体が小さいのがコンプレックスなんです……だから、あまり見られたくなくて」
手中のメダルを握りしめ、か細い声で応酬する。
「体が小さいのを気にしている」という体ならば、女だとばれずに済む。体を見せたくないとあらかじめ宣言することにより、甲冑を外せと言われるリスクも回避できるという寸法だ。
事実、この作戦は有効だったらしく、ラザレスは決まり悪そうに肩を落とした。
「すまない……。あれだけの腕前にもかかわらず、小柄なのが少し意外で……」
不躾だったな。そう付け加え、ラザレスは自身の非礼を素直に詫びた。
ここまで誠意ある対応をされると心苦しさが勝るが、実際コンプレックスである以上、あながち嘘はついていない。
ブレアは兜の下で首をすくめ、「恐縮です」とつぶやいた。それを見て、ラザレスが破顔する。
「おまえ、歳は?」
「十四です」
「俺の二つ下か……なら、これから大きくなるよ! 俺だって数年前は、こーんなチビだったし!」
ラザレスは両手を使って当時の身長を示すも、それがあまりにも小さすぎて、ブレアは思わず笑ってしまった。こちらが委縮しないよう、ひょうきんに振舞っているのだ。そうした優しさに、胸があたたかくなる。
ふたりでひとしきり笑い転げると、ラザレスは視線を落として切り出した。
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