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1-2 破瓜の儀*
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「おい、よせ。顔が怖いぞ……」
ただならぬ気配を感じ、ブレアは素っ裸のままシーツの上を後ずさる。
クラリスはベッドのふちに片膝を乗せ、憮然とした表情でこちらを見下ろした。白髪交じりの赤毛は怒髪天を衝く勢いで揺らめき、血に飢えた獅子を彷彿させる。
「よくもまあ、こんな玩具でギャアギャアと……! 今さら後宮入りを取り消すわけにはいかないのですから、いい加減、覚悟を決めてください!」
血走った眼で一喝し、クラリスは馬鹿でかい体躯でブレアを組み敷いた。
剣があればまだしも、取っ組み合いとなると勝ち目はない。ブレアは素っ裸で抵抗するも、あっという間に四肢を押さえつけられた。
そうこうしているうちに、クラリスは張り型をブレアの股間に当てがった。力任せに女陰をこじ開けられ、ブレアはヒュウ、と喉笛を鳴らす。
「よせ、話せば分かる……! だからその物騒なブツを下ろせ……!」
「なりません。ブレア様に任せていたのでは夜が明けてしまいます」
黒光りする切っ先をぐりぐり押し込み、クラリスは恬淡と切り返した。明日は朝一でアーカスターを発たねばならないのだ。寝不足では移動に支障が出るため、さっさと床に就きたいのだろう。
ならば先に荷造りをどうにかしろよ――ベッド脇のトランクを一瞥し、ブレアは頭のなかで叫ぶも、この現状では二の句が継げない。
「しっかりしてください、ブレア様! 破瓜で死んだ者などおりません!」
「だから、『ブレア』は死んだと言ったろ! 今は庶子の娘・『ブレンダ』だ!」
筋骨隆々の老婆と取っ組み合いながら、ブレアは声を張り上げた。
タウンゼント家当主でありブレアの父・スタンレーの命により、ブレアはレンジイトン第二皇太子、ラザレス・アーサー・ヴァルモーデン=レンジイトンの番として後宮に嫁ぐことになった。
他のαにΩの存在を気取られないよう、縁談は水面下で行われた。
しかし、ほどなくして重要な問題にぶち当たる。ブレアは女であるにもかかわらず、書類上は『男』として生きてきたという、実にややこしい経歴を有しているのだ。
いくらΩは希少とはいえ、王族に男か女かよく分からない人間を抱かせるのは憚られる。タウンゼント家が誇る令息が、実は女であるうえにΩ――だなんて、考えただけでも頭がこんがらがる。
そうした混乱を回避すべく、ブレアはスタンレーの隠し子――つまり、庶子――の娘・ブレンダを名乗ることにした。自身の出生を偽った状態でラザレスのもとに嫁ぐ、という寸法だ。
これならば、騎士として生きた『ブレア』の名誉も守られる。
誉れ高き騎士がΩであることを理由に引退だなんて、いくらなんでも屈辱がすぎる。後宮行きが決まるということはすなわち、王者専用の『慰み者』になるも同然だ。
Ωであることも隠して騎士を続けるという手も考えたが、発情で他の雄を惑わせてしまう以上、戦場に立ち続けるのは不可能だった。
騎士の名を捨てねばならないことも、生涯を後宮で過ごすことも、ブレア自身納得はしている。
それでも破瓜の儀を拒むのは、心のどこかで「騎士である自分」を捨てきれないからなのだろう。加えて、嫁ぎ先がラザレスというのも気に食わない要因の一つだ。
――よりによって、忠誠を誓った相手が番とは。
向こうはこちらのことなど覚えてないだろうが、ブレアは自らの誇りを踏みにじっているみたいで居た堪れなかった。
「やっぱりなにかの間違いだ! 私はΩなんかじゃない!」
「さすがにそれは往生際が悪いですよ、ブレア様!」
クラリスは肩をそびやかし、手中の張り型を押し込んだ。呼応して、新品の粘膜が裂けていく。
「だからもう『ブレア』じゃない! って、痛アア゛――――ッ!」
「腹に力を入れているからです! もっとリラックスしてください!」
「できるかッ!!」
今まで経験したことのない苦痛を前に、ブレアは総身をわなわな震わせた。身体はすっかり冷え切っているはずなのに、粘っこい汗が止まらない。
「ああ、裂けた。尻まで裂けた……! おまえのせいだぞ、クラリス……!」
「大げさな。まだ三分の一も入ってません」
「嘘だろ、まだ入れるのか!?」
「すべて入れなければ『破瓜の儀』になりません。処女の証として協会に提出するんですから、規定通りにやらないと」
クラリスは手中の張り型をあごでしゃくり、呆れたとばかりに肩をすくめた。
「本来は神官の前でやらねばならないところを、お父様の計らいで特別に配慮していただいたのですよ?」
聞こえよがしに長大息をつき、言葉を継ぐ。
もともとは人前で行う儀式なのだが、スタンレーの根回しにより、自宅での実施が許可されたのだ。普段は堅物で融通の利かないが、今回ばかりはブレアのことを想ってくれたらしい。
「これを人前でやるだなんて……。Ωに人権はないのか……?」
「ありませんよ。αの世継ぎを作る装置みたいなもんですもの」
「酷いな、おい」
「寝る時間がなくなってしまうので、もう一気に入れますからね」
「え」
クラリスの言葉に、ブレアは頬を引きつらせた。そうこうしているうちに腹のなかを穿たれ、激痛が総身を駆け巡る。その衝撃は、初陣で受けた石弓以上だ。
ブレアは亡き母と同じオリーブ色の瞳を潤ませ、甲走った声で雄叫びを上げた。快楽によるものではない。苦痛のあまり、べそをかいているのだ。
「これだけ入れば良いでしょう」
そう言って、クラリスは張り型を引き抜いた。男根を模した玩具に血糊がべったりついているのを確認し、ケースの中にしまう。
明朝、教会の神官によって検められるのだろう。なんともいえない気分になりつつも、ブレアは事切れたかのように突っ伏する。
「うう、長年連れ添った乳母に凌辱された……。おまえなんか反逆罪で打ち首にされちまえ……」
「御託はいいですから、さっさと服を着てください。寝る時間ですよ」
寝間着代わりのシュミーズを投げつけられ、ブレアは不承不承に着替えを済ませた。
クラリスはパンパンのトランクを背に、自室に戻ろうとしている。
「おい、荷造りは!?」
ふたが閉まらないトランクを指差し、ブレアは老婆に投げかけた。彼女は面倒くさそうにあくびをしながら、「ご自分でやってください」と切り返す。
「私は疲れたので寝ます。いたいけな老婆ですので」
「おまえの仕事だろ! 私に押し付けるな!」
「中身はすべて、ブレア様の私物ですよ」
それでは、おやすみなさい。そう言って、クラリスは部屋を後にした。ブレアは呆気に取られたまま、扉とトランクを交互に見つめる。
「なんだアイツ……」
荷造りをするついでに主人の凌辱し、トランクを放って寝床へ帰る。その横柄っぷりは、従者のそれとはほど遠い。
ブレアは盛大にため息をつき、パンパンに詰め込まれたトランクに向き合った。明日には城を目指さなくてはならないため、大人しく荷造りを再開する。
トランクのなかには騎士時代に使用していた装備品など、不要なものまで詰め込まれていた。そのなかでひと際の輝くものを見つけ、ブレアは慌てて取り上げる。
「クラリスのやつ、こんなところに入れていたのか……」
憎々しげに独りごち、ブレアは金色のメダルに目を落とした。手のなかで光る小さなそれは、レンジイトン第二皇太子・ラザレスから賜ったものだ。
人目を忍んでこっそり受け取ったため、今まで誰にも打ち明けたことはない。五年前からずっと肌身離さず持ち歩いてきた、お守りのような存在だ。
「殿下……」
メダルに取り付けられた首掛け用のリボンをなぞり、ブレアはそっとつぶやいた。白いサテンにつづられた褐色の署名に、当時の記憶がよみがえる。
従騎士時代、参加した武道大会――敵国であるオルレイユから奪い取った新興地・ヴェリオの凱旋二十周年を記念して行われた催しで、ブレアは彼と剣を交えた。
仮面舞踏会ならぬ甲冑武道会のため、対戦相手の素顔は明かされない。身分問わずの無礼講。純粋な実力勝負のイベントだ。
大会後もブレアは兜を外すことなく、ラザレスの相手をしていた。そのため、向こうはこちらの正体を知る由もない。五年も前のことだから、今頃は忘れているはずだ。
それでも、あの日の出来事はブレアにとってかけがえのないものだった。
今日まで騎士を続けるよすがと言っても過言ではない。彼にもらったメダルは、その象徴ともいえる大事なものだ。
手にしたメダルを胸に押し当て、ブレアはオリーブ色の目をゆったり細めた。
一人前の騎士になる前の話――十四の初夏、ブレアはトーナメントに参加すべく、父と共に交易で賑わう城下・フォルルーゼを訪れた。
ただならぬ気配を感じ、ブレアは素っ裸のままシーツの上を後ずさる。
クラリスはベッドのふちに片膝を乗せ、憮然とした表情でこちらを見下ろした。白髪交じりの赤毛は怒髪天を衝く勢いで揺らめき、血に飢えた獅子を彷彿させる。
「よくもまあ、こんな玩具でギャアギャアと……! 今さら後宮入りを取り消すわけにはいかないのですから、いい加減、覚悟を決めてください!」
血走った眼で一喝し、クラリスは馬鹿でかい体躯でブレアを組み敷いた。
剣があればまだしも、取っ組み合いとなると勝ち目はない。ブレアは素っ裸で抵抗するも、あっという間に四肢を押さえつけられた。
そうこうしているうちに、クラリスは張り型をブレアの股間に当てがった。力任せに女陰をこじ開けられ、ブレアはヒュウ、と喉笛を鳴らす。
「よせ、話せば分かる……! だからその物騒なブツを下ろせ……!」
「なりません。ブレア様に任せていたのでは夜が明けてしまいます」
黒光りする切っ先をぐりぐり押し込み、クラリスは恬淡と切り返した。明日は朝一でアーカスターを発たねばならないのだ。寝不足では移動に支障が出るため、さっさと床に就きたいのだろう。
ならば先に荷造りをどうにかしろよ――ベッド脇のトランクを一瞥し、ブレアは頭のなかで叫ぶも、この現状では二の句が継げない。
「しっかりしてください、ブレア様! 破瓜で死んだ者などおりません!」
「だから、『ブレア』は死んだと言ったろ! 今は庶子の娘・『ブレンダ』だ!」
筋骨隆々の老婆と取っ組み合いながら、ブレアは声を張り上げた。
タウンゼント家当主でありブレアの父・スタンレーの命により、ブレアはレンジイトン第二皇太子、ラザレス・アーサー・ヴァルモーデン=レンジイトンの番として後宮に嫁ぐことになった。
他のαにΩの存在を気取られないよう、縁談は水面下で行われた。
しかし、ほどなくして重要な問題にぶち当たる。ブレアは女であるにもかかわらず、書類上は『男』として生きてきたという、実にややこしい経歴を有しているのだ。
いくらΩは希少とはいえ、王族に男か女かよく分からない人間を抱かせるのは憚られる。タウンゼント家が誇る令息が、実は女であるうえにΩ――だなんて、考えただけでも頭がこんがらがる。
そうした混乱を回避すべく、ブレアはスタンレーの隠し子――つまり、庶子――の娘・ブレンダを名乗ることにした。自身の出生を偽った状態でラザレスのもとに嫁ぐ、という寸法だ。
これならば、騎士として生きた『ブレア』の名誉も守られる。
誉れ高き騎士がΩであることを理由に引退だなんて、いくらなんでも屈辱がすぎる。後宮行きが決まるということはすなわち、王者専用の『慰み者』になるも同然だ。
Ωであることも隠して騎士を続けるという手も考えたが、発情で他の雄を惑わせてしまう以上、戦場に立ち続けるのは不可能だった。
騎士の名を捨てねばならないことも、生涯を後宮で過ごすことも、ブレア自身納得はしている。
それでも破瓜の儀を拒むのは、心のどこかで「騎士である自分」を捨てきれないからなのだろう。加えて、嫁ぎ先がラザレスというのも気に食わない要因の一つだ。
――よりによって、忠誠を誓った相手が番とは。
向こうはこちらのことなど覚えてないだろうが、ブレアは自らの誇りを踏みにじっているみたいで居た堪れなかった。
「やっぱりなにかの間違いだ! 私はΩなんかじゃない!」
「さすがにそれは往生際が悪いですよ、ブレア様!」
クラリスは肩をそびやかし、手中の張り型を押し込んだ。呼応して、新品の粘膜が裂けていく。
「だからもう『ブレア』じゃない! って、痛アア゛――――ッ!」
「腹に力を入れているからです! もっとリラックスしてください!」
「できるかッ!!」
今まで経験したことのない苦痛を前に、ブレアは総身をわなわな震わせた。身体はすっかり冷え切っているはずなのに、粘っこい汗が止まらない。
「ああ、裂けた。尻まで裂けた……! おまえのせいだぞ、クラリス……!」
「大げさな。まだ三分の一も入ってません」
「嘘だろ、まだ入れるのか!?」
「すべて入れなければ『破瓜の儀』になりません。処女の証として協会に提出するんですから、規定通りにやらないと」
クラリスは手中の張り型をあごでしゃくり、呆れたとばかりに肩をすくめた。
「本来は神官の前でやらねばならないところを、お父様の計らいで特別に配慮していただいたのですよ?」
聞こえよがしに長大息をつき、言葉を継ぐ。
もともとは人前で行う儀式なのだが、スタンレーの根回しにより、自宅での実施が許可されたのだ。普段は堅物で融通の利かないが、今回ばかりはブレアのことを想ってくれたらしい。
「これを人前でやるだなんて……。Ωに人権はないのか……?」
「ありませんよ。αの世継ぎを作る装置みたいなもんですもの」
「酷いな、おい」
「寝る時間がなくなってしまうので、もう一気に入れますからね」
「え」
クラリスの言葉に、ブレアは頬を引きつらせた。そうこうしているうちに腹のなかを穿たれ、激痛が総身を駆け巡る。その衝撃は、初陣で受けた石弓以上だ。
ブレアは亡き母と同じオリーブ色の瞳を潤ませ、甲走った声で雄叫びを上げた。快楽によるものではない。苦痛のあまり、べそをかいているのだ。
「これだけ入れば良いでしょう」
そう言って、クラリスは張り型を引き抜いた。男根を模した玩具に血糊がべったりついているのを確認し、ケースの中にしまう。
明朝、教会の神官によって検められるのだろう。なんともいえない気分になりつつも、ブレアは事切れたかのように突っ伏する。
「うう、長年連れ添った乳母に凌辱された……。おまえなんか反逆罪で打ち首にされちまえ……」
「御託はいいですから、さっさと服を着てください。寝る時間ですよ」
寝間着代わりのシュミーズを投げつけられ、ブレアは不承不承に着替えを済ませた。
クラリスはパンパンのトランクを背に、自室に戻ろうとしている。
「おい、荷造りは!?」
ふたが閉まらないトランクを指差し、ブレアは老婆に投げかけた。彼女は面倒くさそうにあくびをしながら、「ご自分でやってください」と切り返す。
「私は疲れたので寝ます。いたいけな老婆ですので」
「おまえの仕事だろ! 私に押し付けるな!」
「中身はすべて、ブレア様の私物ですよ」
それでは、おやすみなさい。そう言って、クラリスは部屋を後にした。ブレアは呆気に取られたまま、扉とトランクを交互に見つめる。
「なんだアイツ……」
荷造りをするついでに主人の凌辱し、トランクを放って寝床へ帰る。その横柄っぷりは、従者のそれとはほど遠い。
ブレアは盛大にため息をつき、パンパンに詰め込まれたトランクに向き合った。明日には城を目指さなくてはならないため、大人しく荷造りを再開する。
トランクのなかには騎士時代に使用していた装備品など、不要なものまで詰め込まれていた。そのなかでひと際の輝くものを見つけ、ブレアは慌てて取り上げる。
「クラリスのやつ、こんなところに入れていたのか……」
憎々しげに独りごち、ブレアは金色のメダルに目を落とした。手のなかで光る小さなそれは、レンジイトン第二皇太子・ラザレスから賜ったものだ。
人目を忍んでこっそり受け取ったため、今まで誰にも打ち明けたことはない。五年前からずっと肌身離さず持ち歩いてきた、お守りのような存在だ。
「殿下……」
メダルに取り付けられた首掛け用のリボンをなぞり、ブレアはそっとつぶやいた。白いサテンにつづられた褐色の署名に、当時の記憶がよみがえる。
従騎士時代、参加した武道大会――敵国であるオルレイユから奪い取った新興地・ヴェリオの凱旋二十周年を記念して行われた催しで、ブレアは彼と剣を交えた。
仮面舞踏会ならぬ甲冑武道会のため、対戦相手の素顔は明かされない。身分問わずの無礼講。純粋な実力勝負のイベントだ。
大会後もブレアは兜を外すことなく、ラザレスの相手をしていた。そのため、向こうはこちらの正体を知る由もない。五年も前のことだから、今頃は忘れているはずだ。
それでも、あの日の出来事はブレアにとってかけがえのないものだった。
今日まで騎士を続けるよすがと言っても過言ではない。彼にもらったメダルは、その象徴ともいえる大事なものだ。
手にしたメダルを胸に押し当て、ブレアはオリーブ色の目をゆったり細めた。
一人前の騎士になる前の話――十四の初夏、ブレアはトーナメントに参加すべく、父と共に交易で賑わう城下・フォルルーゼを訪れた。
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