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激甘革命編
第47話「衝撃の事実!幹部ベイクの媒体」④
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そして、翌日…
「瑞希さん…やっぱり…」
「腫れた…」
瑞希は親知らずの場所が悪かったようで、抜歯後は親知らずが見つかった右頬は痛々しく腫れてしまったのだった。一悟とみるくは昨日の話をしながら、いつもの通学路を歩く。
「たまちゃんもマリーも休みだし…父ちゃんも黒いミルフィーユの事件で帰って来られなかったし…」
「黒いミルフィーユ」…それは、明日香がカオスに操られていたダークミルフィーユとは違い、一悟が変身したミルフィーユと同じポニーテールの黒いマジパティで、一悟の姉の一華が失踪してから3日後に現れるようになった少女だ。目撃者によると素手で通行人に襲い掛かって来るという。襲われた通行人は男女2人組のカップルが多く、昨晩は襲われた拍子にカップルが石段から転倒し、男性が意識不明の重体となってしまった。一悟とみるくも例外ではなく、一昨日の学校からの帰りに黒いミルフィーユに飛び掛かられたのである。この時は一悟が咄嗟にミルフィーユに変身して事なきを得たが、明らかにあの動きは一華とよく似ていた。
「だから…こうして…僕とトロールは、いちごんとみるくの…護衛に…」
背後から雪斗の声がして、一悟とみるくが振り向くと、そこにはいかにもあまり寝ていない雪斗と、そんな彼を呆れながら見ているトロールが立っている。
「どうしたの?ユキくん…」
「ユキの奴、夜中まで編み物やってて…まったく、誰に渡すんだか…」
そう言いながら雪斗は大きな欠伸をする。周囲は思わず「お前だよ」って言いそうになるが、一悟達はユキの気持ちを汲み取って、敢えて雪斗には黙っているのだった。
「ユキちゃんが話したい時まで、待った方がいいと思いますけどね?」
大勇者は元々年相応の態度をとる事が少ないせいか、一悟達は彼が本当に若返っているとは思えなかった。しかし、ベイクが細工したレアチーズケーキを2切れ分プラスα食べたため、瑞希の計算では大体10代後半から20代前半くらいに若返っているようだ。それを一目見ただけで見抜いた大賢者は「流石だ」…と、一悟達は思った。
「でも、嬢ちゃんはベイクが細工したケーキは食べねっかったんだっぺ?なのに、どうして雪斗のブレイブスプーンが石に…」
トロールの言葉にハッとしたいちごとみるくは、お互いのブレイブスプーンに目を向けると…
「ど、どういう事なんですかっ!!!???」
………
「ブレイブスプーンが石ににゃったのは…こーゆー事よ!!!」
放課後になり、一悟達はマルチメディア部の活動を休みという扱いにし、僧侶と共にカフェ「ルーヴル」に向かうと、そこには頭には黒い猫耳、お尻の辺りから伸びる黒く細長い尻尾…恰好からして「猫耳メイド」の姿ではあるが…
「つまり、「体内に入り込んだカオスを浄化するスイーツ」の研究に失敗した…それで、そのスイーツを食べたら猫耳が生えたという事だな?」
幼馴染の推測に、女勇者は首を縦に振った。どうやらその通りのようである。
「しかし、どうしてセーラがスイーツ作りに失敗なんて…」
「これにゃのよ…ひいおばあちゃんのレシピ…」
どうにも「な行」が上手く発音できなくなったようで、一悟達は笑いをこらえるのに必死だ。猫耳を生やした女勇者は、勇者モンブランのレシピノートのとあるページを僧侶に見せる。そのページには日本語でラングドシャのレシピが記載されているのだが…
「終盤の文章がにじんでいるな…勇者モンブランがこんなにインクをにじませるとは思えん…」
「だから、試しにチョコクリーム作って挟んでみたんだけど…外れだったみたいで…」
落胆する姉に、7歳ぐらいの姿になったマリアは姉の猫耳をいじろうとする。彼女も頭に黒い猫耳が生えており、明らかにスイーツ作りに失敗したことが伺える。
「マリーっ!!大事な話をしている時に、ちょっかい出すな!」
僧侶の厳しい口調に、マリアは咄嗟に一悟達の背後に隠れてしまった。
「それで、このレシピをセーラ以外で読んだ事があるのは…」
「おにぃとおねぇ…でも、2人はにじんだ部分がにゃにか分からにゃくって…あとは…」
「ガチャッ…」
「ちょっ…セーラ…その耳…ぷぷっ…」
リビングのドアが開いたと同時に、大勇者が長女の姿を見て爆笑する声が準備中のカフェに響き渡った。
「瑞希さん…やっぱり…」
「腫れた…」
瑞希は親知らずの場所が悪かったようで、抜歯後は親知らずが見つかった右頬は痛々しく腫れてしまったのだった。一悟とみるくは昨日の話をしながら、いつもの通学路を歩く。
「たまちゃんもマリーも休みだし…父ちゃんも黒いミルフィーユの事件で帰って来られなかったし…」
「黒いミルフィーユ」…それは、明日香がカオスに操られていたダークミルフィーユとは違い、一悟が変身したミルフィーユと同じポニーテールの黒いマジパティで、一悟の姉の一華が失踪してから3日後に現れるようになった少女だ。目撃者によると素手で通行人に襲い掛かって来るという。襲われた通行人は男女2人組のカップルが多く、昨晩は襲われた拍子にカップルが石段から転倒し、男性が意識不明の重体となってしまった。一悟とみるくも例外ではなく、一昨日の学校からの帰りに黒いミルフィーユに飛び掛かられたのである。この時は一悟が咄嗟にミルフィーユに変身して事なきを得たが、明らかにあの動きは一華とよく似ていた。
「だから…こうして…僕とトロールは、いちごんとみるくの…護衛に…」
背後から雪斗の声がして、一悟とみるくが振り向くと、そこにはいかにもあまり寝ていない雪斗と、そんな彼を呆れながら見ているトロールが立っている。
「どうしたの?ユキくん…」
「ユキの奴、夜中まで編み物やってて…まったく、誰に渡すんだか…」
そう言いながら雪斗は大きな欠伸をする。周囲は思わず「お前だよ」って言いそうになるが、一悟達はユキの気持ちを汲み取って、敢えて雪斗には黙っているのだった。
「ユキちゃんが話したい時まで、待った方がいいと思いますけどね?」
大勇者は元々年相応の態度をとる事が少ないせいか、一悟達は彼が本当に若返っているとは思えなかった。しかし、ベイクが細工したレアチーズケーキを2切れ分プラスα食べたため、瑞希の計算では大体10代後半から20代前半くらいに若返っているようだ。それを一目見ただけで見抜いた大賢者は「流石だ」…と、一悟達は思った。
「でも、嬢ちゃんはベイクが細工したケーキは食べねっかったんだっぺ?なのに、どうして雪斗のブレイブスプーンが石に…」
トロールの言葉にハッとしたいちごとみるくは、お互いのブレイブスプーンに目を向けると…
「ど、どういう事なんですかっ!!!???」
………
「ブレイブスプーンが石ににゃったのは…こーゆー事よ!!!」
放課後になり、一悟達はマルチメディア部の活動を休みという扱いにし、僧侶と共にカフェ「ルーヴル」に向かうと、そこには頭には黒い猫耳、お尻の辺りから伸びる黒く細長い尻尾…恰好からして「猫耳メイド」の姿ではあるが…
「つまり、「体内に入り込んだカオスを浄化するスイーツ」の研究に失敗した…それで、そのスイーツを食べたら猫耳が生えたという事だな?」
幼馴染の推測に、女勇者は首を縦に振った。どうやらその通りのようである。
「しかし、どうしてセーラがスイーツ作りに失敗なんて…」
「これにゃのよ…ひいおばあちゃんのレシピ…」
どうにも「な行」が上手く発音できなくなったようで、一悟達は笑いをこらえるのに必死だ。猫耳を生やした女勇者は、勇者モンブランのレシピノートのとあるページを僧侶に見せる。そのページには日本語でラングドシャのレシピが記載されているのだが…
「終盤の文章がにじんでいるな…勇者モンブランがこんなにインクをにじませるとは思えん…」
「だから、試しにチョコクリーム作って挟んでみたんだけど…外れだったみたいで…」
落胆する姉に、7歳ぐらいの姿になったマリアは姉の猫耳をいじろうとする。彼女も頭に黒い猫耳が生えており、明らかにスイーツ作りに失敗したことが伺える。
「マリーっ!!大事な話をしている時に、ちょっかい出すな!」
僧侶の厳しい口調に、マリアは咄嗟に一悟達の背後に隠れてしまった。
「それで、このレシピをセーラ以外で読んだ事があるのは…」
「おにぃとおねぇ…でも、2人はにじんだ部分がにゃにか分からにゃくって…あとは…」
「ガチャッ…」
「ちょっ…セーラ…その耳…ぷぷっ…」
リビングのドアが開いたと同時に、大勇者が長女の姿を見て爆笑する声が準備中のカフェに響き渡った。
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