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レインボーポット編
第41話「嵐を呼ぶ結婚式!絆が生み出すブレイブフォーム!!!」⑤
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一方、道の駅おにくるみでは、バウムクーヘンのカオスイーツが倒れている魔界のクリームパフに執拗に攻撃を続ける。羽根は傷つき、もはや銀髪の魔鳥族に飛ぶ力は残されていない。そこへ、やっと2人のクリームパフが合流する。
「せいやっ!!!」
ロングヘアーのクリームパフは、足の付け根が丸見えになるのも構わず、魔界のクリームパフの目の前でバウムクーヘンのカオスイーツを思いっきり蹴り上げる。
「バレットサーブ!!!」
ショートヘアーのクリームパフは、クリームグレネードをテニスラケットに変化させ、光の玉をバウムクーヘンのカオスイーツに向けて次々と当てていった。
「いいサーブだわ、有馬!全米やウィンブルドン目指せばよかったんじゃない?」
「おあいにく様、あぁいう大会、俺にはあわないんでね…玉菜の方も、いいキック力だぜ?」
「伊達にテコンドーをたしなんではいないわ!フォンダンはトロ子をお願いっ!!!」
「はいでしゅ!!!ショコラヒーリング!!!!!」
パートナーであるマジパティの言葉に、白い平皿に乗っている精霊は、頭上に大きなチョコレート状の球体を作り出し、その球体に傷ついた魔界のクリームパフとそのパートナー精霊を包み込んだ。
「フォンダンの奴、回復使えるのかよ…」
「フォンダンの回復魔法は強力なの。でも強力な分、あの子の身体に大きな負担がかかるから、滅多に使わないんだけどね?」
パリでのクイニー・アマンとの戦いを思い出す。クイニー・アマンはとても強く、玉菜はその時、危うく命を落とすところだった。そこでフォンダンが使ったのが、回復魔法だった。回復魔法で玉菜は助かったが、問題はその後だった。
知らなかったとはいえ、玉菜がクイニー・アマン相手に決め技を使った事が仇となり、フォンダンは傷つき、倒れてしまったのだった。
「さぁ、カオスイーツの中心は…」
飛び掛かるカオスイーツを有馬に預け、玉菜は神経を研ぎ澄ます。索敵能力はプディングの方が高性能だが、プディングは別の場所にいる。それでも、3人のクリームパフと2人の精霊で弱点をみつけなければならない。玉菜は両目を閉じ、カオスイーツの動きを耳と鼻で感じ取った…
「そこっ!!!」
ロングヘアーのクリームパフが両目を開いた刹那、白銀の髪をなびかせ、クリームグレネードの銃口からドリル状の弾丸を撃ち放った。その銃口の先に他の物体に擬態していたカオスイーツの頭部にドリル状の弾丸が炸裂し、カオスイーツの頭部の宝石を削り、貫く。
「これでこっちは一件落着ってとこか…」
玉菜がカオスイーツの中心にダメージを与えた事で、有馬と戦っていたバウムクーヘンのカオスイーツは全て光の粒子となって消え去った。ダメージを受けたカオスイーツの中心はカオスジャンクと化し、クリームパフ達から離れようとするが、背後から飛んできた何かによって、光の粒子と化してしまった。
「それにしても、よく気づいたよな…入口にある看板の「おにくるみ」の「く」の曲げる部分…」
「私、エッフェル塔からカオスイーツを狙い打ったことがあるのよ?あのくらいの距離、どうという事はないわ。それに、私に射撃をススメてくれたイタリア人のお陰でもあるのかしらね…」
「イタリア人」という単語を口にする玉菜の表情は、どことなく哀しげだ。
短期留学中に初恋の相手から教わった射撃…ある一件で完全に遠き人になった今でも、その思い出と経験を忘れたことはない。
フォンダンによる魔界のクリームパフと精霊の回復も無事に終わり、フォンダンは玉菜の手のひらでぐったりしている。
「お疲れ様…」
そう言いながら、玉菜はフォンダンを撫でようとするが…
「疲れた時の大みか饅頭、うまがっぺ?」
どこから現れたのか、魔界の姿のトロールが大みか饅頭をフォンダンに食べさせている。
「トロ子…どこから来た?どこから…」
「いやー、いつもの公園からここまでが遠ぐてなぁ…時間かかちまったぁ…(いやぁ、いつもの公園からここまでが遠くてね…時間かかっちゃって…)」
そんなやり取りの中、白いシュガーポットの中に身体を入れた男の精霊が、自分たちが助かっている事に気づいた。
「あ、あなた方は…」
「気が付いたか?俺達はお前らを助けに来たんだ。さぁ、勇者様の所へ行こうぜ!!!」
「場所、わかるの?」
「わがっけど、ここからだと遠ぐてなぁ…」
過去の自分に場所を聞かれたトロールを、玉菜と有馬がジト目で見つめる。
「そんな事もあろうかと、トロールの跡をつけておいて正解だったようだな?」
クリームパフ達の背後に、ブランシュ卿が立つ。
「場所の目星はついている!歩いて移動しているヒマなどない…私にまかせろ!!!」
ブランシュ卿の持っている杖が地面を突くと、ブランシュ卿、3人のクリームパフ、2人の精霊はトロールをその場に残し、混沌の魔女のいる場所へと瞬間移動を始めた。
「ガレちん…玉菜達がしっかりしてるんだがら、あだすらは絶対に負げねっぺ!!!(ガレちん…玉菜達がしっかりしているんだから、あたし達は絶対に負けないわ!!!)」
混沌の魔女のいる場所へと急ぐマジパティ達を見ながらつぶやく魔鳥族の1人は、まるで勝利を確信したかのように微笑む。
「せいやっ!!!」
ロングヘアーのクリームパフは、足の付け根が丸見えになるのも構わず、魔界のクリームパフの目の前でバウムクーヘンのカオスイーツを思いっきり蹴り上げる。
「バレットサーブ!!!」
ショートヘアーのクリームパフは、クリームグレネードをテニスラケットに変化させ、光の玉をバウムクーヘンのカオスイーツに向けて次々と当てていった。
「いいサーブだわ、有馬!全米やウィンブルドン目指せばよかったんじゃない?」
「おあいにく様、あぁいう大会、俺にはあわないんでね…玉菜の方も、いいキック力だぜ?」
「伊達にテコンドーをたしなんではいないわ!フォンダンはトロ子をお願いっ!!!」
「はいでしゅ!!!ショコラヒーリング!!!!!」
パートナーであるマジパティの言葉に、白い平皿に乗っている精霊は、頭上に大きなチョコレート状の球体を作り出し、その球体に傷ついた魔界のクリームパフとそのパートナー精霊を包み込んだ。
「フォンダンの奴、回復使えるのかよ…」
「フォンダンの回復魔法は強力なの。でも強力な分、あの子の身体に大きな負担がかかるから、滅多に使わないんだけどね?」
パリでのクイニー・アマンとの戦いを思い出す。クイニー・アマンはとても強く、玉菜はその時、危うく命を落とすところだった。そこでフォンダンが使ったのが、回復魔法だった。回復魔法で玉菜は助かったが、問題はその後だった。
知らなかったとはいえ、玉菜がクイニー・アマン相手に決め技を使った事が仇となり、フォンダンは傷つき、倒れてしまったのだった。
「さぁ、カオスイーツの中心は…」
飛び掛かるカオスイーツを有馬に預け、玉菜は神経を研ぎ澄ます。索敵能力はプディングの方が高性能だが、プディングは別の場所にいる。それでも、3人のクリームパフと2人の精霊で弱点をみつけなければならない。玉菜は両目を閉じ、カオスイーツの動きを耳と鼻で感じ取った…
「そこっ!!!」
ロングヘアーのクリームパフが両目を開いた刹那、白銀の髪をなびかせ、クリームグレネードの銃口からドリル状の弾丸を撃ち放った。その銃口の先に他の物体に擬態していたカオスイーツの頭部にドリル状の弾丸が炸裂し、カオスイーツの頭部の宝石を削り、貫く。
「これでこっちは一件落着ってとこか…」
玉菜がカオスイーツの中心にダメージを与えた事で、有馬と戦っていたバウムクーヘンのカオスイーツは全て光の粒子となって消え去った。ダメージを受けたカオスイーツの中心はカオスジャンクと化し、クリームパフ達から離れようとするが、背後から飛んできた何かによって、光の粒子と化してしまった。
「それにしても、よく気づいたよな…入口にある看板の「おにくるみ」の「く」の曲げる部分…」
「私、エッフェル塔からカオスイーツを狙い打ったことがあるのよ?あのくらいの距離、どうという事はないわ。それに、私に射撃をススメてくれたイタリア人のお陰でもあるのかしらね…」
「イタリア人」という単語を口にする玉菜の表情は、どことなく哀しげだ。
短期留学中に初恋の相手から教わった射撃…ある一件で完全に遠き人になった今でも、その思い出と経験を忘れたことはない。
フォンダンによる魔界のクリームパフと精霊の回復も無事に終わり、フォンダンは玉菜の手のひらでぐったりしている。
「お疲れ様…」
そう言いながら、玉菜はフォンダンを撫でようとするが…
「疲れた時の大みか饅頭、うまがっぺ?」
どこから現れたのか、魔界の姿のトロールが大みか饅頭をフォンダンに食べさせている。
「トロ子…どこから来た?どこから…」
「いやー、いつもの公園からここまでが遠ぐてなぁ…時間かかちまったぁ…(いやぁ、いつもの公園からここまでが遠くてね…時間かかっちゃって…)」
そんなやり取りの中、白いシュガーポットの中に身体を入れた男の精霊が、自分たちが助かっている事に気づいた。
「あ、あなた方は…」
「気が付いたか?俺達はお前らを助けに来たんだ。さぁ、勇者様の所へ行こうぜ!!!」
「場所、わかるの?」
「わがっけど、ここからだと遠ぐてなぁ…」
過去の自分に場所を聞かれたトロールを、玉菜と有馬がジト目で見つめる。
「そんな事もあろうかと、トロールの跡をつけておいて正解だったようだな?」
クリームパフ達の背後に、ブランシュ卿が立つ。
「場所の目星はついている!歩いて移動しているヒマなどない…私にまかせろ!!!」
ブランシュ卿の持っている杖が地面を突くと、ブランシュ卿、3人のクリームパフ、2人の精霊はトロールをその場に残し、混沌の魔女のいる場所へと瞬間移動を始めた。
「ガレちん…玉菜達がしっかりしてるんだがら、あだすらは絶対に負げねっぺ!!!(ガレちん…玉菜達がしっかりしているんだから、あたし達は絶対に負けないわ!!!)」
混沌の魔女のいる場所へと急ぐマジパティ達を見ながらつぶやく魔鳥族の1人は、まるで勝利を確信したかのように微笑む。
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